地図を広げてみてほしい。山口が防衛の要衝である理由
一度、地図を広げてみてほしい。日本列島の一番西の端。本州の突き出た先端に位置する県——山口県。正直に言えば、こう思ったことはないだろうか。「なぜ、こんな端に航空宇宙自衛隊の基地があるのか?」九州でもない。広島でもない。人口規模でいえば、決して大きな県とは言えない。それでも、山口は長年にわたり日本の“空の防衛”の重要拠点であり続けている。これは偶然ではない。地図が語る“位置の意味”改めて地図を見ると、ある事実に気づく。山口県は日本海と瀬戸内海、そして東シナ海の結節点にある。少し視野を広げれば、朝鮮半島、中国大陸、ロシア極東地域が見えてくる。航空戦力において重要なのは「距離」だ。スクランブル発進において、数分の差は決定的になる。その観点で見ると、山口は日本列島の“西の玄関口”に位置する。つまり——大陸方面から接近する航空機やミサイルに対し、最短距離で対応できる地点なのだ。山口の優位性は3つある論理的に整理してみよう。① 日本海側と太平洋側の両方にアクセス可能山口は両海域に近く、複数方向への即応が可能。② 大陸との距離が比較的近い中国・朝鮮半島方面への防衛ラインを前倒しできる。③ 岩国基地との連携米軍岩国基地と近接し、日米共同運用の効率が高い。これらは偶然の産物ではない。地政学とは、「地理が国家戦略を決める」という考え方だ。そして山口は、まさにその典型例と言える。山口は“端”ではない地図を俯瞰すると、山口は“端”に見える。しかし、防衛という観点で見ればどうか。そこは最前線に近い、支点の場所だ。冷戦期から現在に至るまで、日本の安全保障環境は変化している。しかし、大陸との距離という事実は
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