「もう何ヶ月も経つのに、まだ引きずっている」
「友達はみんな前を向いているのに、自分だけ立ち止まっている」
「こんなに弱い自分が嫌になる」
恋の終わりのあと、こんなふうに“立ち直れない自分”を責めてしまう方は、本当に多いです。
精神科の現場でも、何度もこの声を聴いてきました。
今日はまず、ひとつだけお伝えさせてください。
立ち直れないのは、あなたが弱いからではありません。
■ 失恋は「ふたつ」を同時に失う出来事
私は、人の幸せは「所属・お金・希望・健康」の4つでできていると考えています。
そのなかでいちばん大事なのは、希望です。希望とは、出来事そのものではなく、それを“どう抱えるか”で決まるものだと思っています。
失恋がこんなに重いのは、このうちの「所属」と「希望」が、同時に揺らぐからです。
・所属……「この人と一緒にいる自分」という居場所がなくなる
・希望……「この人と続いていく未来」という、描いていた先がなくなる
居場所と未来を一度に失えば、心が大きく揺れるのは当たり前です。
むしろ、すぐに平気になれるほうが不自然なのかもしれません。
■ 「立ち直れない」のではなく、「受け止めている途中」
人は大切なものを失ったとき、すぐにはその事実を受け取れません。
「まだ信じられない」「何かの間違いかもしれない」と、心が一度それを否認しようとします。これは弱さではなく、自分を守るための自然な働きです。
立ち直れないと感じている時間は、止まっている時間ではありません。
否認していたものを、少しずつ「そうだったんだ」と受け容れていく、その途中なのだと思います。
途中なのですから、まだ揺れていて当然です。
「早く前を向かなきゃ」と急かすほど、心は置いてけぼりになってしまいます。
■ ゴールは「忘れること」ではない
立ち直る、というと「きれいに忘れて、なかったことにする」状態を思い浮かべがちです。
でも、私はそうは思いません。
事象そのもの。つまり別れたという事実は、変えられません。
変えられるのは、その出来事の“抱え方”です。
思い出すたびに胸が痛む段階から、
「あの時間にも、意味があったな」と、痛みごとそっと置いておける段階へ。
忘れるのではなく、抱えたまま歩けるようになること。
それが、私の考える「整理がついた」状態です。
■ ひとりで抱えなくていい
頭ではわかっていても、ひとりだと同じところをぐるぐる回ってしまうものです。
それは考えが足りないからではなく、気持ちが大きすぎて、自分だけでは置き場所が見つからないからです。
そんなときは、誰かに言葉にして聴いてもらうだけで、ずいぶん軽くなることがあります。
私がしているのは、アドバイスで急かすことではなく、あなたの気持ちをジャッジせずに聴いて、一緒に整理する時間を持つことです。
「失恋・依存・執着|精神科ナースが恋の傷を聴きます」では、3往復のチャットで、いまの気持ちをそっと言葉にしていきます。
「1週間、恋の心の整理に伴走します」では、もう少し時間をかけて、一緒に少しずつ抱え方を探していきます。
立ち直れない自分を責める必要は、ありません。
よければ、その途中の時間を、私に少しだけ伴走させてください。