「まだ頑張れる」「これくらいで弱音を吐いてはいけない」。
そう思っているうちに、心は静かに削れていきます。私が精神科の現場で見てきたのは、ある日突然倒れる人ではなく、サインを「気のせい」として見送り続けた人でした。
ここでは、心が限界に近づいたときに出やすい3つのサインを書きます。診断でも、脅しでもありません。あなたが自分の状態を「整理する」ための、ひとつのものさしです。
1. 好きだったことが、どうでもよくなる
以前は楽しめていた趣味や、好きだった食べもの。それに対して「べつに、どっちでもいい」という感覚が増えてきたら、心のエネルギーがかなり減っているサインです。
これは怠けではありません。心が、これ以上消耗しないように「省エネモード」に入っている状態です。責めるところではなく、休ませるところです。
2. 眠りの形が変わる
寝つけない。夜中に何度も目が覚める。逆に、いくら寝ても寝たりない。
睡眠は、心の状態がいちばん早く出る場所のひとつです。「眠れないのは意志が弱いから」ではありません。心が緊張をほどけずにいる、というサインです。
3. 自分を責める言葉が、頭の中で止まらない
「自分が悪い」「迷惑をかけている」「いなくなったほうがいい」。
こうした言葉が、自分の意思とは関係なくぐるぐると回り続けるとき、それはあなたの本心ではなく、疲れた心が出している症状に近いものです。考えを変えようと戦う前に、まず
心を休ませることのほうが先です。
サインは「弱さ」ではなく「お知らせ」
3つのうち、いくつか当てはまったとしても、自分を責めないでください。サインは、心が「そろそろ気づいて」と送ってくれているお知らせです。
私はいつも、人の幸せは「所属・お金・希望・健康」の4つでできていて、いちばん大事なのは希望だと思っています。希望は、出来事そのものではなく、それをどう抱えるかで決
まる。だから、つらい出来事は変えられなくても、抱え方を一緒に整理していくことはできます。
もし、頭の中だけで抱えるのがしんどくなったら。誰かに「整理する時間」をとってみるのも、ひとつの方法です。急がなくて大丈夫です。