あの日の私を観客席から眺める

あの日の私を観客席から眺める

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人生には、

「これを手にすれば、安心できる」

と思って始めることがある。


新しい仕事。

新しい出会い。

新しい挑戦。


そのときの私は、

ただ前に進みたかった。


今いる場所から一歩踏み出せば、

何かが変わるような気がしていた。


だから新しい環境へ飛び込んだ。


ところがである。


私はただ前へ進もうとしただけなのに、

なぜか人間関係に振り回され、

眉間に皺を寄せ、

予想もしなかった出来事が次々に起き、

気づけば感情は大忙しだった。


嬉しくなったり。

落ち込んだり。

期待したり。

勝手に不安になったり。

まるでジェットコースターである。


最初は真剣だった。

その渦に巻き込まれていたから。


でも時間が経って振り返ると、

ふと思う。

「あれ、私はいったい何を
やっていたんだろう?」と。


目的地へ向かっていたはずなのに、

途中でアトラクションに
夢中になっていた感じ...。


人生って時々、

目的地に行くための乗り物だと思って乗ったら、

実はその乗り物(環境)自体が
テーマパークだったりする。


観覧車みたいに景色がよく見える日もある。

お化け屋敷みたいに先が見えなくなる日もある。

ジェットコースターみたいに心が急上昇する日もある。


人は出来事に飲み込まれているとき、

視野が狭くなってしまう。

ところが、

「あの時の私、面白かったな」

と笑えた瞬間、

少し高い場所から眺められるようになる。

出来事の主人公から、

その物語を見守る観客へ。


すると世界が少し変わる。

深刻だった出来事が、

人生という長い物語の一場面に見えてくる。

人生は予定通りに進まない。

遠回りだと思った道が、

あとで振り返ると一番印象に
残っていたりする。


最近の私は、

何か起きるたびに思う。

「また新しいアトラクションが
始まったな」と。

目的地はまだ先かもしれない。
むしろ目的地も幻想かもしれない。

でもせっかく巡り合った環境だから、

このテーマパークに身を委ねて

今日も人生を俯瞰して前に進もうと思う。


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