地域設計ノートは、障害者 × 社会 × 現場で感じた違和感・好奇心を起点に、地域の中で試せる「新しい関わり方」を設計・提案するための設計ノートです
1. 現場で起きていることと設計の着眼点
結論から言います。
■ ゴミは「荒らされるもの」ではなく、荒らされない状態を設計できる可能性があります
現在は各戸収集が一般的になりつつある一方で、 地域のゴミ置き場や農地において、カラス、タヌキ、ハクビシン、猫などによる被害が日常的に発生しています。
加えて、昨冬には熊の出没も見られ、ゴミ置き場が荒らされるケースも確認されています。 熊の新たな出没を避けるためにも、従来の対処に加えた新たな対策が求められています。
・ゴミが荒らされる
・周囲が汚れる
・景観が損なわれる
・清掃の手間が増える
これらは単なる「迷惑」ではなく、
地域の体験価値(きれい・安心・快適)を下げる要因になっています。
一方で、こうした問題への対応は
・ネットをかける
・人が見回る
・その都度片付ける
といった「対処」に留まりがちです。
ここでの着眼点は
「荒らされた後」ではなく「荒らされない状態」を設計できないか
という点にあります。
2. 設計の考え方:3つの接続点
この設計の核はシンプルです。
■ 「素材を変えずに役割を変える」
ここに尽きます。
食品として扱われている素材を別の用途に転用することには、もったいなさや無駄にしてしまうのではないかという感覚、ある種の罪悪感もあります。
しかし一方で、
■ 既に存在している資源を新たな役割で活かす
という視点に立つと、
■ 食品由来の素材を環境防衛に転用する
という選択肢も見えてくるのではないでしょうか。
接続点①:食品資源 × 忌避機能
香辛料由来の辛味成分は、鳥獣に対して強い刺激となります。
本来は食品である素材を
■ 「忌避資材」として再定義する
ことで、新たな機能を持たせます。
接続点②:忌避機能 × 環境維持
忌避成分を活用することで
・ゴミの散乱防止
・食害の抑制
といった効果が期待できます。
■ 「清掃」ではなく「予防」にシフトする
接続点③:環境維持 × 就労支援
忌避材の製造・加工・運用を工程化することで
・原料の計量
・抽出
・充填
・加工
・現場散布
・効果記録
といった仕事が生まれます。
■ 環境維持が「仕事」として成立することになります。
また、本設計はムクドリやハト、サギなどの大量飛来による糞害対策としても有効である可能性があります。
※ ゴミ置き場での対策に加え、ベランダや手すりなど鳥の滞在場所に適用することで、定着を防ぐ用途としての活用も考えられます。
3. 具体モデル/想定される役割/運用イメージ
ここからは、実際に「仕事として回る形」に落とします。 導入後にそのまま運用できるレベルまで分解することを目指しています
■ 実装メニュー
・辛味成分を活用した忌避スプレー(抽出液)
・副産物等を活用した複合刺激の強化液
・忌避加工ネット・布
・ローテーション防衛(慣れ防止運用)
などの作成
■ 利用者の役割
・原料の計量
・選別
・抽出(煮出し・濾過)
・充填
・ラベル貼り
・加工(浸漬・乾燥)
・現場散布
・記録
※ 環境防衛作業チーム
■ 職員の役割
・工程設計
・安全管理
・地域との調整
・効果検証
※ 設計・運用管理
■ 地域側の役割
・設置場所の提供
・試験導入
・フィードバック
※ 運用フィールド
■ 運用イメージ
・ゴミ置き場周辺への散布
・ネットや布への浸透処理
・一定期間ごとの再散布
・効果の観察
・記録
※ 「点」ではなく「継続運用」で成立
4. 導入を検討してみてほしい現場/応用可能な支援の場
このモデルは「特定の現場専用」ではありません。
■ ゴミ・食害・景観の問題がある場所すべてに適用可能です
・就労継続支援B型事業所
・農地
・家庭菜園
・公園
・観光地(桜・イベント会場)
・ゴミ集積所
・学校
・公共施設
特に
■ 「一時的にゴミが増える場所」
との相性が高いと考えられます。
5. 発想の起点
この設計の出発点は、日常の中で繰り返し起きていた出来事です。
戸別収集で朝出したゴミが荒らされることが、これまでに何度もありました。
・視認しにくいとされる行政指定の黄色い有料ゴミ袋を使う
・ネットをかぶせる
・囲いを設置する
といった対策をしていても、荒らされることがあります。出掛け間際にそれを見つけて、慌てて処理をすることもありました。
通勤中、カラス避けとしてカゴを用意している家庭を見かけました。おそらく、出したゴミ袋を丸ごと覆って隠すためのものです。
その時に
■ 「隠す」以外の方法はないのか
という違和感が生まれました。
一方で、職場では天然由来の辛味成分を活用した製品を扱っています。
■ この刺激を、鳥獣忌避に転用できないか
という発想が生まれました。
そこから
■ 日常のゴミ問題 × 忌避機能
■ 忌避機能 × 就労支援
を接続することで
■ 就労支援が地域環境の美化に貢献できる構造が作れないか
と考えるに至りました。
特別な技術や新規の資源ではなく
■ すでにあるものの組み替え
■ 現場で起きている違和感の再解釈
によって生まれた設計です。
6. ご相談について/一緒につくる仲間を探しています
天然辛味成分でつくる「鳥獣忌避 × 環境防衛」仕事化モデルは、いくつかの立場から関心を持っていただける可能性があります。 特に次のような視点でのご相談を想定しています。
① 導入を検討したい側(施設・現場)
※ 環境負荷の少ない維持管理の新しい突破口
・自治体(ゴミ集積所・公園管理)
・公園
・観光地(桜・イベント会場)
・学校
・公共施設
・地域イベント運営者
ゴミ対策や景観維持を、持続可能な形で回したいと考えている現場の方。
② 新しい業務モデルとして取り入れたい側(福祉事業所)
※ SDGs・地域循環型の仕事づくり
・就労移行支援
・生活介護
・生活訓練
・就労継続支援
地域環境の維持管理とつながる作業モデルとして、この仕組みを取り入れてみたい事業所。
③ 協働・連携を検討する側
※ 持続可能な環境保全の共創モデル
・環境保全団体
・地域活動団体
・廃棄物管理・清掃関連事業者
既存の活動や専門性と接続しながら、共同で運用していきたい方。
④ その他、このテーマに関心のある方
※ 新しい環境対策・地域実装の可能性
例えば
・自治体担当者
・環境保全に関心のある企業
・研究機関 など、
地域環境の維持管理や活用に関心を持たれた方。
ご連絡は 「かむっく」
または 相互フォロー後のダイレクトメッセージ からお願いいたします。
かむっくでは、現場の困りごとを起点に、 素材・工程・役割を組み替える設計のご相談を受け付けています。
・地域資源の活用に課題がある
・作業はあるが仕事になっていない
・維持管理が回らない
といった現場に対して、 制度・人・作業をつなぎ直し、動く仕組みに再構成します。
かむっく|かけて·むすんで·つくる/永原裕嗣
●ソーシャルフィールドコンサルタント
●地域設計·社会実装アドバイザー
●メンタル·ランドスケープ·アーキテクト
違和感や好奇心を起点に、制度・人・手順をつなぎ直し、動く仕組みとして再構成。設計から実装まで伴走します。心の状態も扱いやすくする迂回路や安全装置も設計します。