企業価値算定において税理士が本来できること|M&A実務での役割整理

記事
法律・税務・士業全般
M&Aの場面で語られる
「企業価値算定」。

多くの場合、
これは仲介会社やFAが行うものだと
捉えられがちです。

しかし実務を見ていると、
本来この領域で
最も価値を発揮できる立場は、
顧問税理士であることが少なくありません。


企業価値算定は「計算」ではない


まず整理しておきたいのは、
企業価値算定は
単なる計算作業ではない、という点です。

評価額は、

・どの数字を使うか
・どこまでを前提条件とするか
・何を説明可能な数字とするか

といった判断の積み重ねで決まります。

つまり、
数字そのものよりも、数字の意味づけ
が重要になります。


外部アドバイザーが持たない情報


M&A仲介会社やFAは、
短期間で企業を理解しなければなりません。

そのため、

・決算書上の数字
・ヒアリングで得た情報

を前提に評価を行います。

一方、
顧問税理士は、

・数字が作られた背景
・一時的な要因と恒常的な要因
・経営者の判断の癖

まで把握しています。

この差は、
評価の前提を考えるうえで
非常に大きな意味を持ちます。


「使える数字」と「説明できる数字」


企業価値算定で重要なのは、
高い数字を出すことではありません。

重要なのは、
説明できる数字であることです。

買い手が重視するのは、

・なぜこの数字になるのか
・再現性はあるのか
・将来も維持できるのか

という点です。

この説明に耐えられる数字を整理できるかどうかが、
評価の信頼性を左右します。


税理士が関与できる本質的なポイント


税理士が本来関与できるのは、

・一過性の損益と通常損益の切り分け
・実態と乖離した数字の補正
・評価に使う前提条件の整理

といった部分です。

これらは、
会計処理や税務の知識だけでなく、
日常的に会社を見てきたからこそ判断できる領域です。


評価額そのものよりも「判断材料」を整える


税理士が果たす役割は、
最終的な評価額を決めることではありません。

経営者が、

・提示された評価額をどう受け止めるか
・どの条件を重視するか
・交渉の軸をどこに置くか

を判断するための
材料を整えることです。

この材料の質が高ければ、
経営者の判断は安定し、
交渉もブレにくくなります。


仲介やFAと競う必要はない


ここで誤解しやすいのは、
「仲介会社やFAの仕事を奪う」
という発想です。

税理士が目指すべきなのは、
競争ではなく補完です。

・進行管理や交渉は外部
・前提整理と数字の解釈は税理士

この役割分担ができていれば、
企業価値算定は
より実務的で納得感のあるものになります。


まとめ


企業価値算定において、
税理士が本来できることは
「計算をすること」ではありません。

数字の背景を整理し、
説明可能な判断材料として整えること。

それこそが、
顧問税理士だからこそ提供できる価値です。

M&A・事業承継・会社売却の実務に関する判断で迷う場合は、
スポットで整理する場も用意しています。
(プロフィール欄参照)

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本記事は、M&A実務における判断構造の一部を切り出したものです。
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