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法律・税務・士業全般
M&Aで税理士が資料提供役で終わる理由|実務構造から考える立ち位置
記事
法律・税務・士業全般
内田|税理士のためのM&A実務
2026/01/04 04:28
M&A案件が動き出したとき、
顧問税理士が気づけば
「資料を出すだけの存在」になっていた――。
この状況に、
違和感を覚えた経験がある方も多いのではないでしょうか。
決算書の背景も、
会社の実情も、
社長の考え方も知っている。
それでも最終的な判断や交渉の場には呼ばれず、
成約後には顧問契約が終了してしまう。
これは、
能力や経験の問題ではありません。
「資料提供役」になるのは、能力不足だからではない
まず前提として、
税理士が資料提供役に留まってしまうのは、
専門性が足りないからではありません。
むしろ逆です。
・数字の整合性
・決算書の読み解き
・会社の実態把握
これらは、
短期間で関与する外部アドバイザーよりも、
顧問税理士の方が圧倒的に深く把握しています。
それでも役割が限定されてしまうのは、
構造的な理由
があるからです。
理由①「立ち位置」が最初に定義されていない
多くのM&A案件では、
初期段階で
「誰がどの立場で関与するのか」
が明確に整理されません。
その結果、
・税理士は顧問の延長
・仲介会社が進行管理
・意思決定は社長任せ
という形になりがちです。
この構図ができると、
税理士は自然と
「必要な資料を出す人」
という位置づけに収まってしまいます。
理由② 判断の場に入る前に、役割が固定される
M&Aでは、
初期の数回の打ち合わせで
関係者の役割が暗黙のうちに固まります。
この段階で、
・意見を求められない
・進行の説明だけを受ける
・資料提出のみを依頼される
という状態になると、
その後に踏み込む余地は
徐々に狭くなっていきます。
役割は、
後から主張して変えられるものではなく、
最初の関与の仕方
でほぼ決まるのが実情です。
理由③ 税理士自身が「判断は外部の仕事」と考えている
もう一つ、
見落とされがちな理由があります。
それは、
税理士自身が無意識のうちに、
・M&Aの判断は仲介やFAの仕事
・自分は数字を整える側
と線を引いてしまっているケースです。
この前提があると、
判断に関わる発言を控え、
結果として
「資料提供役」に収まってしまいます。
資料提供で終わると、何が起きるか
役割が資料提供に限定されると、
・経営者は判断材料を十分に持てない
・外部アドバイザーの説明が主導する
・数字の違和感が議論されない
といった状況が生まれます。
結果として、
成約後に「こんなはずではなかった」というズレが生じ、
顧問としての関与も自然と薄れていきます。
問題は「踏み込まないこと」ではなく「整理しないこと」
重要なのは、
すべての判断に踏み込むことではありません。
問題は、
どこまで関与するかを
整理しないまま関与していること
です。
・判断主体は誰か
・税理士の役割は何か
・どのフェーズで関与するのか
これらが整理されていれば、
資料提供で終わる必要はありません。
まとめ
M&Aで税理士が資料提供役で終わってしまうのは、
能力や経験の問題ではなく、
立ち位置と役割が最初に整理されていないことが原因です。
自分の関与を広げるために
何かを主張する必要はありません。
まずは、
自分がどの判断を支える立場なのか
を整理すること。
それだけで、
関与の質は大きく変わります。
M&A・事業承継・会社売却の実務に関する判断で迷う場合は、
スポットで整理する場も用意しています。
(プロフィール欄参照)
ココナラ:うちだ|お金とキャリアの相談
本記事は、M&A実務における判断構造の一部を切り出したものです。
全体の流れや立ち位置を整理した記事はこちらにまとめています。
https://coconala.com/blogs/5796801/684082
#M&A
#税理士
#事業承継
#ココナラ
内田|税理士のためのM&A実務
M&Aアドバイザー/実務支援 / 30代後半 / 男性
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