「最近、体重が増えた気がする」
「鏡を見るたび、ため息が出る」
「うつ病なのに、ダイエットなんて考えちゃダメなのかな…」
そんな気持ちで、この記事を開いた方もいるかもしれません。
ネットを見れば、
「これを食べれば痩せる」
「運動しないと意味がない」
そんな情報があふれていて、
結局、何を信じればいいのか分からなくなることもありますよね。
この記事でお伝えしたいのは、
うつ病の人のダイエットは、まず体調を守る視点から考えていい
ということです。
結論から言うと、
無理に痩せようとしなくて大丈夫です。
焦らないことが、いちばんの近道になることもあります。
私は、
うつ病の当事者として体調の波と付き合いながら生活し、
管理栄養士として医療・栄養の現場にも関わってきました。
その中で、
「正しいはずの情報」が、
かえって人を苦しめてしまう場面を多く見てきました。
この記事を読むことで、
✅情報に振り回されにくくなる
✅今の自分に合う考え方が整理できる
✅ダイエットの話題を、少し安心して考えられる
そんな状態になれるようにまとめました。
できる日だけ、できるところまでで大丈夫です。
この記事の対象について
この先を読む前に、少しだけ確認させてください。
この記事は、こんな方に向けています
📌うつ病の診断歴がある
📌主治医から
「無理のない範囲なら、体重のことを考えてもいいですよ」
と言われている
📌ガチガチのダイエットではなく、
ゆるく、体調優先で考えたい
もし
🌱今、強い希死念慮がある
🌱食事量が極端に少ない・多い状態が続いている
🌱体重や食事の話を読むだけで、強い不安や罪悪感が出る
こうした状態に心当たりがある場合は、
今は無理に読まなくて大丈夫です。
体調が少し安定してきたかなと思ったときに、また戻ってきてもらえたら、それで十分です。
※すでに主治医などから食事の指導を受けている方は
そちらの内容を優先してくださいね
注意点①|ダイエットより、うつ病の治療が優先です
ただ、ここで誤解してほしくないのは、
「痩せれば、うつが治る」わけではない
ということです。
むしろ、順番は逆で、
気分が少し安定してくる
↓
睡眠や生活リズムが整ってくる
↓
食欲や食行動が落ち着いてくる
そうした変化の結果として、
体重も安定しやすくなることのほうが多いです。
「早く痩せなきゃ」
「何もしないと、どんどん太る」
そんな焦りが強いほど、
実は遠回りになってしまうこともあります。
焦らないことが、いちばんの近道。
これは、うつ病の人のダイエットでは本当に大切な視点です。
注意点②|そもそも、今ダイエットを始めて大丈夫?
ここでは、「そもそもダイエットを始めて大丈夫か」を考えるための、
大切なポイントをまとめてお伝えします。
【薬を服用している方は、念のため相談を】
「食べすぎている自覚はないのに、体重が増えた」
「昔と同じ生活なのに、戻らない」
そう感じている方は、少なくありません。
実際に、
抗うつ薬や向精神薬の一部には、
体重が増えやすくなる傾向があるものがあります。
ただし、ここも大事なポイントで、
✅すべての薬がそうなるわけではない
✅同じ薬でも、影響の出方は人それぞれ
あくまで「一例」であり、個人差がとても大きいです。
だからこそ、
まずは主治医や薬剤師に相談してみることが大切になります。
「痩せたいんです」と言うのがつらければ、
「体重が増えてきて、少ししんどいです」
「体調や生活への影響が気になっています」
こうした伝え方で大丈夫です。
相談すること自体は、
「わがまま」でも「治療の妨げ」でもありません。
場合によっては、
📌薬の量を微調整する
📌別の薬を検討する
といった選択肢が出てくることもあります。
もちろん、
必ず変更できるわけではありません。
それでも、
「相談せずに一人で抱える」より、
話してみる価値は十分あります。
もし、どうしても納得できない場合には、
日本精神神経学会のサイト
「専門医・指導医を検索する」で
通いやすいところに
相談することも検討してみてください。
【BMIは「ダイエットが必要か」を考える目安】
ここで、BMIという指標を紹介します。
BMIは、
体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
で計算できます。
※身長の単位は「cm」ではなく「m」なので
150cmの場合は1.5とします。
ざっくりとした目安として、
✅BMI22前後:おおよそ標準
✅BMI22より下:無理なダイエットは基本的に不要
もし、あなたのBMIが22より下なら、
ここから先は読まなくても大丈夫です。
体重を減らすことより、
体調を守ることを優先していい段階だと思います。
なお、BMI22を超えたら、
必ずダイエットが必要になるわけではありません。
食事摂取基準では、
BMI25を超えないことも
一つの目安とされています。
そのため、BMIが24前後までで、
健康診断で食事改善を指摘されておらず、
体の不調も感じていない場合は、
無理にダイエットを始めなくてよいこともあります。
「今は始めない」という判断も、
体調を守るための立派な選択です。
注意点③|途中で体重が戻っても、失敗ではありません
【うつ病の人のダイエットは「時間をかける」が基本】
うつ病があると、
どうしても体調に波があります。
昨日できたことが、今日はできない。
それは「甘え」でも「後退」でもありません。
この波を無視して
毎日同じことを続けようとすると、
無理をする
↓
反動で食べすぎる
↓
自己嫌悪が強くなる
という悪循環に入りやすくなります。
体調を優先することは、
結果的に
📌食べすぎ
📌食欲不振
📌「またダメだった」という自己否定
を防ぎやすくします。
【リバウンドは失敗ではありません】
体重が一度減って、また戻る。
この経験があると、
「やっぱり自分は意志が弱い」
と思ってしまいがちです。
でも、体には
ホメオスタシス(恒常性)という仕組みがあります。
これは、
「急に大きな変化が起きた=危険かもしれない」
と体が判断し、
栄養を通常より多く取り込み、
元に戻そうとする自然な反応です。
そのため、もし途中で体重が戻ったとしても、
「これは自然なことなんだ」と
あらかじめ心の準備をしておいてください。
そう思えているだけで、
「また失敗した」という自己否定に引きずられにくくなり、
結果として、体調の悪化を防ぎやすくなります。
次の章から、
具体的な食事の工夫についてお話ししていきます。
食事の工夫①|朝食は少量でもOK
朝食をとらないことと、
体重が増えやすくなることの関係については、
詳しい理由はまだはっきりしていません。
それでも、
朝食を抜く人のほうが、肥満のリスクが高い
ということは、いくつもの研究で示されています。
だからといって、
しっかり食べる必要はありません。
たとえば、
・バナナ1本
・ヨーグルト
・牛乳や豆乳を少し
これくらいの量でも、
肥満のリスクを下げる助けになります。
もちろん、
食べられない日は無理しなくて大丈夫です。
食事の工夫②|なるべく1日3食(できる範囲で)
1日3食のメリットは、
血糖値が急に上がりにくくなることです。
食事の間隔が長く空くと、
体は「エネルギーが足りない状態」が続いたあとに
まとめて食事が入ってくることになります。
すると、
食事をとった瞬間に血糖値が一気に上がる
↓
それを下げるために、インスリンが多く分泌される
という流れが起こりやすくなります。
インスリンは、
血糖値を下げる大切なホルモンですが、
同時に脂質の合成を助ける働きもあります。
つまり、
空腹時間が長い
↓
一気に食べる
↓
インスリンがたくさん出る
この流れが続くと、
体は「脂質をため込みやすい状態」になり、
減量効果が下がりやすくなるのです。
1日3回に分けて食べると、
1回あたりの量が自然と少なくなり、
血糖値も、インスリンの分泌も、
ゆるやかになりやすくなります。
「きっちり3食」ではなく、
少なめを回数でカバーするイメージでOKです。
甘い飲み物やおやつも、
いきなりやめなくて大丈夫。
無理のない範囲で少しずつ
無糖のお茶や水に置き換える
それくらいから始めてみるとよいでしょう。
食事の工夫③|帰宅が遅い人のための食べ方
夜遅くに、
高エネルギーの食事をまとめて取ると、
インスリンが過剰に分泌され、
減量効果が下がりやすくなります。
そんなときは、
職場での「補食」という考え方が役に立ちます。
✅小さなおにぎり
✅軽めのサンドイッチ
を、職場の休憩時間に少し。
帰宅後は、補食の分、軽めにしたものにすれば、
まとめてとるよりも減量効果を高められます。
食事の工夫④|「かさ」が多くエネルギーが少ない食品を味方に
食事量を極端に減らすと、
空腹がつらい
↓
イライラする
↓
反動で食べすぎる
ということが起こりやすくなります。
そこで役立つのが、
かさが多く、エネルギーが少ない食品です。
✅野菜
✅海藻
✅きのこ
✅こんにゃく
お腹が満たされると、
気持ちも少し落ち着きます。
これは「頑張るため」ではなく、
つらくならないための工夫です。
全てではなく、
好みに合うものだけで大丈夫です。
運動は「できたらラッキー」くらいで
運動習慣がある人も、ない人も、
ハードルはできるだけ低く。
家の中でできるものからで大丈夫です。
たとえば、スクワット。
✅大きな筋肉を使う
✅スペースを必要とせず始めやすい
というメリットがあります。
でも、
📌1日5回でもOK
📌できない日は休んでOK
「続ける」より、
「やめない」が目標です。
こんなサインが出たら、ダイエットは一度お休みしてOK
もし、こんな変化が出てきたら、
立ち止まって大丈夫です。
🌱食事や体重のことばかり考えてしまう
🌱体重の増減で気分が大きく揺れる
🌱罪悪感や自己否定が強くなる
これらのサインは、
「頑張りすぎだよ」という
体からのメッセージかもしれません。
体調を守ることが、何よりも最優先です。
いったんダイエットは休むことを検討しましょう。
おわりに
今日は、
読んだだけでも十分です。
もし、
「これならできそう」と思えることがあれば、
✅ひとつ
✅気が向いたときに
で大丈夫。
このブログでは、
「うつ病の人が、無理せず暮らすための工夫」を
これからも伝えていきたいと思っています。
元気なときに、
また覗いてもらえたら嬉しいです。
いいねやフォローも、
とても励みになります。
本ブログでは、この記事以外にも
うつ病の方の体調や気持ちを前提にした
食事・栄養に関する記事をいくつか書いています。
もし余裕があるときに、
目に留まったものだけ読んでもらえたらうれしいです。
ブログで取り上げてほしいテーマや、
深堀りしてほしい点があれば、
下記のプロフィール画面
右上の✉マークより受け付けていますので、
お気軽にお寄せください。
【2026/3/2追記】
記事を読んで「私の場合はどうすればいい? 」と感じた方へ。
今のあなたの体調に合わせて、無理のない「小さな一歩」を一緒に見つける個別アドバイスを始めました。
※現在「受付休止中」となっていますが、
「ご購入いただけない」という意味ではありません。
事前相談の後、サポート可能な場合は
【あなた専用の購入枠】として受付を一時再開いたしますので、
そのままご購入いただけます。
(他の方の誤購入を防ぐための措置です)
まずは「✉出品者に質問」よりお気軽に事前相談をお寄せください🌱
関連記事
数字を見るのがそこまで負担にならない方向け
参考文献・サイト
〇BMI
三好 美紀 . “肥満と健康” . 厚生労働省e-ヘルスネット (2026/1/28閲覧)
佐々木敏 . 佐々木敏の栄養データはこう読む!第2版 .女子栄養大学出版部 , 2020 , p175-184
日本人の食事摂取基準(2025年度版) . 第一出版 , 2025, p54-58
〇食事の工夫
①朝食
佐々木敏 . 佐々木敏の栄養データはこう読む!第2版 .女子栄養大学出版部 , 2020 , p166-174
②以降
由田 克士. 食生活改善指導担当者テキスト . 厚生労働省 , 2021 , p75-81
(2026/1/28閲覧)