前回の記事では、年次有給休暇(以下「有給休暇」といいます。)の基本について解説しました。有給休暇は、「1日」での取得が原則ですが、「半日」や「1時間」での取得も可能となる方法があります。本記事では、有給休暇の様々な取得方法について解説します。
1 計画的付与
計悪的付与は、有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、休暇取得日を割り振る方法です。計画的付与を導入するためには、労使協定の締結が必要です。付与の方法は、下記のとおりです。
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(1)一斉付与
全従業員に対して同一の日に付与します。
(2)交替制付与
班・グループ別に交替で付与します。
(3)個人別付与
個人別に付与します。
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2 半日年休
半日年休は、1日を午前と午後に分けて、有給休暇を取得する方法です。半日単位の年休を導入するためには、労使協定は必要ありません。もっとも、多くの企業では、午前と午後の勤務の時間は同じではない(午前:9時~12時の3時間、午後:13時~18時の5時間等)ですので、午前休は9時~12時、午後休は13時~18時とったように、それぞれの休暇の時間を定めておきましょう。
3 時間単位年休
時間単位年休は、1時間や2時間単位で有給休暇を取得する方法です。軽い通院や市役所・銀行で少し手続きしたい場合等、「1日や半日は必要ないけれども、少しだけ抜けたい。」際に備えて、導入する企業が多いです。
時間単位年休を導入するためには、労使協定の締結が必要です。労使協定には、下記の4つの事項の記載が必要です。
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(1)時間単位年休の対象労働者の範囲
(2)時間単位年休の日数
(3)時間単位年休1日の時間数
(4)1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
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(1) 時間単位年休の対象労働者の範囲
時間単位年休を取得できる従業員の範囲を定めます。
(2) 時間単位年休の日数
5日以内の範囲で定めます。時間単位年休は、5日分以内でしか取得できないことに注意が必要です。
(3) 時間単位年休1日の時間数
1日分を何時間分とするか定めます。所定労働時間が8時間の場合は、8時間となりますが、7時間30分や7時間45分等の端数がある場合は、端数を切り上げて8時間とする必要があります。
1日8時間で、5日分を設定する場合、40時間となります。
(4)1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
1時間以外の時間(2時間、3時間等)を単位とする場合はその時間数を定めます。実務上、2時間、3時間で設定しても、利用しづらいですので、1時間単位が一般的です。
4 まとめ
年次有給休暇について解説しました。当事務所では、年次有給休暇のみならず、労務管理について、ご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。元労基署職員(労働基準監督官)の視点から、ご提案をさせていただきます。