家族の反応と原因を探す日々
ー母親としての不安と葛藤ー
「なぜ、私の娘がこんなことに?」
「どうして?」
心の中では、何度も同じ問いを繰り返していました。焦りと不安が押し寄せてきて、胸の奥はざわつきっぱなし。それでも、娘の前では笑顔を崩さないよう必死でした。母親の不安な顔は、そのまま子どもの心に伝わってしまうと知っていたからです。
なるべくいつも通りに、明るく、普通に――。けれど現実は、残酷に進んでいきました。脱毛は止まるどころか、1週間、10日と経つうちに頭皮の赤みは広がり、抜け落ちた髪の箇所も大きく、そして複数になってしまったのです。
夫や長女も心配はしてくれていましたが、どう声をかけていいのか分からないようでした。
「きっと治るよ」「大丈夫だよ」と言ってくれるものの、その言葉に私自身も救われたい一方で、心の中では不安が膨らみ続けていました。
ー情報を探し続ける日々ー
私は夜になるとスマホを握りしめ、ひたすら検索を繰り返しました。
「円形脱毛症 改善」
「小児脱毛症」
「子ども 脱毛 原因」
――必死に探しても、たった8歳の娘に安心して任せられるような治療法は見つかりませんでした。
行き場のない焦りと、どうにかして原因を見つけたい一心。
母として、私は情報の海に飛び込んでいくしかありませんでした。
ーある人物からの言葉に救われるー
そんな中、ある人物からこんな言葉をかけられました。
「大丈夫だよ。身体が少し疲れてたんだよ。よく考えてみなさい。こんな世の中になって、生活スタイルも学校も変わって、小さい身体で必死に頑張ってるんだから、免疫だって下がるわよ。今は何をしても抜ける。だけど、抜ける期間が終われば必ず生える。その間に母親としてできることは、安心させて免疫を高める手伝いをしてあげること。」
その言葉を聞いたとき、張り詰めていた心がふっと緩んだ気がしました。私の中では「どうして?」「なぜ?」と原因を追いかけるばかりで、娘の小さな身体が日々の変化やストレスに必死に耐えていたことに目を向けられていなかったのかもしれません。
もちろん不安は消えませんでした。でも、“私という母親にしかできないこと”がある。髪のことばかりではなく、安心できる環境をつくり、娘の心と身体を守ることこそが、今の私の役割だと気づかされました。
ー強力な助っ人の登場ー
この言葉をかけてくれたのは、美容師である私の母でした。
不安でいっぱいだった私に、穏やかな表情でこう続けてくれました。
「大丈夫!私が治す。」
母はそう力強く、そしてどこか余裕すら感じさせる表情で言いました。
その瞬間、私ははっと思い出しました。
母は美容師としてのキャリアだけではなく、30年近くにわたり子どもの脱毛症や女性の薄毛を研究してきた専門家のもとで、ずっと学び続けていたのです。
そして、ただ学んできただけではありません。
母自身が、これまでに数名の脱毛症の子どもの髪を取り戻す手助けをしてきた、まさに“経験者”でした。
私の中で渦巻いていた不安は完全には消えなかったけれど、
この母の言葉は希望の光になったことは間違いありません。
娘の脱毛症と向き合う強力な助っ人の登場で
私は“自分にできること”を探さなければ――。
そう思い、私はさらに娘が脱毛症になった原因を追い求めていったのです。
ー次回予告ー
次回は当時の娘を含む当時の私たちの環境とその中で脱毛症になるきっかけを思い当たるだけ書いてみようと思います。