🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿 クリスマスが禁止だったスコットランドの熱狂的な年越し「ホグマネイ」の真実

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大晦日。
カウントダウン、花火、家族と過ごす時間。ひとりで過ごす静かな時間。

世界には様々な新年の祝い方がありますが、スコットランドの年越し「ホグマネイ(Hogmanay)」は、数日間にわたる一大フェスティバルです。

古代ヴァイキングやケルトの「火祭り」に根差したこの催しは「壮大」の一言です。

クリスマスが約400年間も禁止されていたから生まれた祭り

スコットランドではかつて約400年もの間、クリスマスを祝うことが法律で禁じられていました。

この厳格な禁止令は、三国戦争の激しい内乱の後、17世紀に権力を握ったスコットランド長老派教会によって施行。

ジョン・ノックスに代表される彼らは、飲酒やご馳走、陽気な騒ぎといった「享楽的なこと」一切を良しとせず、クリスマスのお祝いも例外ではありませんでした。クリスマスパイを焼いただけで逮捕されることすらあったのです。

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スコットランドでクリスマスが再び国民の祝日として認められたのは、実は、1958年のことです。

この長い冬の祝祭の空白期間、人々は抑圧された祝祭へのエネルギーと情熱のすべてを、唯一許された冬の祭りである新年の祝い「ホグマネイ」に注ぎ込みました。

その結果、ホグマネイはスコットランドで最も重要で、最も熱狂的に祝われる冬の祭りへと発展したのです。

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理想の訪問者は「ヴァイキングへの恐怖」の裏返し

ホグマネイには「ファースト・フッティング(First-footing)」という、年の運勢を占う、古くからの伝統があります。これは、新年が明けて、最初に家の敷居をまたぐ人物が、その家の1年間の幸運を左右するというものです。

最も幸運をもたらすとされる理想の訪問者は、「背が高く、黒髪の男性」。

その男性は石炭、塩、ショートブレッド、ウイスキーといった象徴的な贈り物を持って現れるのが吉とされます。

この好みの裏には、スコットランドの記憶に刻まれた歴史が隠されています。

8世紀〜9世紀にかけて、スコットランドは金髪のヴァイキングたちによる襲撃に絶えず脅かされていました。

人々にとって、「金髪の男が来る=略奪の合図」であり、恐怖の象徴だったのです。

その裏返しとして、黒髪の訪問者は「脅威ではない」、そして「幸運をもたらす存在」と信じられるようになりました。

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煙でむせたら大成功。大掛かりな「浄化の儀式」

ホグマネイには、古代の異教的な儀式が今もなお息づいています。

特にハイランド地方に伝わる「セイニング(Seining)」は、強烈な「浄化」の儀式です。方言で「守護」や「祝福」を意味するこの儀式は、まさに五感に訴えかけます。

まず家長は、

「生者と死者の両方が渡る川の浅瀬」
=教会の墓地(churchyard)へと向かう小川

から汲んだ「魔法の水」を一口飲み、残りの水を家の各部屋、ベッド、そして住人全員に振りかけます。

家畜がいれば、彼らにも振りかけます。動物たちも祝福を受けるに値するからです。

その後、家の窓や扉をすべて固く閉め切り、ジュニパー(セイヨウネズ)の枝に火をつけます。

家長は燃える枝を手に、家中を巡り、浄化作用のあるジュニパーの煙で空間を満たしていきます。

この燻蒸の目的は、全員がむせ返り、咳とくしゃみの合唱を始めるまで。それが成功の合図です。

そして一斉に窓と扉を開け放ち、古い空気と共に悪霊を追い出し、新年の清らかで冷たい空気を、一気に吸い込むのです。

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この解放感の後、女性がウイスキーを振る舞い、皆で温かい新年の朝食を囲みます。この混沌とした儀式の後には、温かな団欒が待っています。


ホグマネイの規模は世界クラス

1996年から97年にかけて、エディンバラで開催されたストリートパーティーには、なんと40万人。これはギネスに認定されました。

幕開けを飾る「トーチライト・プロセッション」も圧巻です。
数万人の参加者と観客が松明を手に街を練り歩く光景は、ホグマネイがケルトやヴァイキングから受け継いだ「火の祭典」としてのルーツを、今もなお大切にしていることを物語っています。




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