総合商社の面接

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目次

1.概要
2.OB訪問
3.1次面接
4.2次面接
5.3次面接

概要

総合商社の面接は特に長い。それがなぜ長いかというと、「究極の営業職」としての求められる能力のハードルが高く、検証に時間が掛かるためである。しかも本当に「ものを売る」営業職でもなくて、ビジネスを組成する営業職なのでデッカイスケールの事業家が本性に最も近いと考えられる。なので、22歳の新卒社員であることを考えると様々な側面で検討が必要とされる。かつ、長い長いOB訪問という選考プロセスを踏むようになる。

また、何故総合商社が人の色柄を重視しているか理解して欲しい。少数の天才を抜いて人間は大した能力差は根本的には存在しない。そのため、商社の能力面での採用基準を満たす人同士で能力差は少なくなります。この前提で、チームとして最大値を発揮するためには、チーム同士の相性が重要となります。

最後に、総合商社志望でOB訪問をしない選択をする人は全部やめて欲しいです。自分が海外大学出身ではない限り、許されない。なんなら、一番高い評価を受ける者は海外の大学に在学しながら、総合商社の海外オフィスの人とランチに行くことである。かつ、1次・2次面接では、OB訪問した全廃の評価シートを横において評価されることもわかっているべきだ。率直に、OB訪問の評価シートの評価内容で決まると言っても過言ではない。

余談:会社別イメージ
丸   紅:体育会系だがガツガツ感は不足
住友 商事:堅実で「いい人」が多い。ゆるふわ系
伊藤忠商事:泥臭い『ザ・体育会系』。義理堅く、タフ
三井 物産:サバサバ系と体育会系。一番の体育会系
三菱 商事:華やかでリキャリア。お坊ちゃま・お嬢様。気配り型の優等生
豊田 通商:堅実なトヨタグループの優等生。メーカー的気質
双   日:ハングリーで挑戦的なベンチャー気質

OB訪問

総合商社を志望する上で、OB訪問は(海外大学出身などの特殊な例を除き)実質的に必須とされている。ここで高い評価を頂くためには、「100時間総合商社に関して勉強する」くらいの徹底した業界研究・企業研究が求められる。

まずやるべき行動は、積極的な行動である。まず、大学の学生支援センター(キャリアセンター)などを活用し、三菱商事、三井物産をはじめとする志望企業のOB・OGリストを探し、自らアポイントを取る行動力が必要である。
注意:一番やっていけない行動は1年、2年上の先輩に尋ねて紹介をお願いすることである。

最も重要な点は、OB訪問でのやり取りや印象が「評価シート」として記録され、後の選考に大きく影響することである。特に1次・2次面接では、この評価シートが面接官の手元に置かれ、合否判断の重要な材料になると指摘されていル。OB訪問での評価が、選考結果を左右すると言っても過言ではない、というのがご提示の情報の核心だ。

1次面接

1次面接は若手から中堅(多くは30代前後)の社員が担当し、ここで候補者の「基礎能力」と「熱情」がふるいにかけられる。何故なら、今の総合商社は単なるトレーディング(モノの売買)ではなく、一度投資したら簡単には抜けられない「低収益・半永久型ファンド」のような事業体に変化しているからだ。
巨額の資金を投下し、10年、20年単位で事業を育てる(あるいは立て直す)必要がある。これには、金融やコンサルタントのような冷徹な分析能力(=論理的思考力)と、泥臭く事業を推進する当事者意識(=事業への熱情)の両方が不可欠である。1次面接は、この両方の素養があるかを見極める場であり、その手段が以下の2つである。

① 情熱、コミュニケーション能力、人柄の基礎(ガクチカ、志望動機) 
② ケース面接(論理的思考力) → 「論理」の確認

本論で、面接官が聞きたいのは、あなたが「何をしたか」という実績(What)ではない。あなたが「なぜ(Why)」それをやろうと思い、「どのように(How)」困難を乗り越えたか、である。ここに、その人の「コミュニケーション能力」と「人柄(熱情)」が凝縮されている。商社で言う「コミュ力」とは、単に「うまく話せる」ことではない。それは「他人を巻き込む力」であり、「懐に入る力」である。商社の仕事は、国籍も文化も利害も異なる人々をまとめ上げ、一つのプロジェクトを進めることだからだ。

例として「ガクチカ」の評価を教える。
① ダ メ な 例: 「私はサークルの代表として、イベントを企画し、100人を集めて成功させました。」
これでは、その人が「熱情」を持って「他人を巻き込んだ」のか、単に代表という「役職」で人が動いただけなのか分からない。
② 面接官が見たい例: 「当初、イベントの参加率が低迷していました。私はメンバーに個別にヒアリングし、原因が『参加メリットの不明確さ』にあると突き止めました。そこで、イベントの目的を『新入生との交流』と再定義し、既存メンバーには『君のこの強みを活かしてほしい』と役割を個別に依頼して回りました。結果、全員が当事者意識を持ち、過去最高の100人動員を達成しました。」

この説明には、「課題特定(ヒアリング)」「原因分析」「解決策(巻き込み)」「結果」がある。自ら動き、他人の心を動かした(=熱情とコミュ力)プロセスが明確である。

志望動機も同じだ。OB訪問で聞いた話をそのまま語る人間は評価されない。「なぜ他の業界ではなく商社なのか」「なぜ他の商社ではなく、ウチなのか」を、自分の経験(ガクチカ)と結びつけて、自分の言葉で語れるか。そこに「熱情」が現れる。

また、ケース面接は突き詰めれば「フェルミ推定」に過ぎない。そして、このフェルミ推定が上手い人間は、間違いなく「ビジネス感」が卓越している。
なぜ商社に「フェルミ推定」能力が必要か?総合商社の仕事は、常に「答えのない問い」に答えを出すことだからだ。

例えば、「アフリカのケニアで、新たに地熱発電所事業に参入すべきか?」という議題が上がったとする。 正解などどこにもない。 「ケニアの将来の電力需要は?」「総事業費はいくらか?」「競合は?」「政治リスクは?」「売電価格はどう設定すべきか?」 これら全てが未知数である。この時、商社マンに求められるのは、既存のデータや経験から「仮説を立て(フェルミ推定)」「概算し(ビジネス感)」「事業モデルを構築する(論理的思考)」能力である。

「日本の電柱の数」を推定するプロセスと、「ケニアの発電所事業の市場規模」を推定するプロセスは、本質的に同じ(=論理的思考力)なのである。この基礎体力がない人間は、巨額の投資判断(ファンド業務)など任せられない。

また、総合商社は『演奏者』で、『社会の経営企画』である。という表現は、核心を突いている。商社は自ら工場を持つメーカーではない。金融、メーカー、資源国政府、現地パートナーなど、あらゆるプレイヤーを束ねてプロジェクトを動かす「演奏者(コンダクター)」である。
同時に、単なる金儲けではなく、国のエネルギー安全保障や、食料の安定供給といった「社会課題」をビジネスで解決する「社会の経営企画」でもある。
だから、安倍総理がプーチンと経済談をしたら総合商社の株価がガンと上がった」というのは、まさにその通りである。国のトップ同士が描いた「経営企画(経済協力)」を、現場で「演奏(ビジネスとして実行)」するのが総合商社なのである。
※事実確認:2016年頃、日ロ経済協力が推進された際、サハリンのエネルギー開発や極東でのインフラ整備の担い手として、実際に商社株が上昇した。

2次面接

2次面接は、現場の最前線を知る中堅社員や、チームのケツを持つ管理職(課長クラス)が出てくる。1次よりも深く、「なぜ」を徹底的に掘り下げる段階である。

確認したいのは、突き詰めれば以下の2つだけだ。
①「なぜ商社なのか」「なぜ他の財閥、他の商社ではなく、ウチなのか」
② お前らに、修羅場を乗り越える「ストレス耐性」と「リーダーシップ」のポテンシャルがあるか

本論として、1次を突破した君らが優秀なのは分かってる。「本当にウチに来る人材か」そして「1次を突破した連中の中でも、本当に基礎能力(頭の回転と胆力)が高いか」を確認をする。
読んでりう方で、「総合商社」に行きたいだけじゃないか?を確認である。率直に認めて欲しいが、「安定も年収も欲しい。その中で、リスクを負ずデカい仕事をしたい」。否定することも可能だが、落ちるだけである。貴方がいうこと以下のセリフだけである。

「私は『総合商社』という『役割』を担いたいのです」
「私は、御社という巨大なプラットフォームを利用し尽くす『演奏者』として、社会人人生を送りたい」と主張すべきである。

その「役割」を果たすために、なぜウチのプラットフォーム(資産、人材、ネットワーク)が最適なのか。それを自分の言葉で語るべきである。

次に、なぜ面接で「ストレス耐性」や「リーダーシップ」について厳しく問われるのか、その理由をご説明する。
皆さんも大学でグループワークやサークル活動の経験があるでしょう。その中で、リーダーが途中で投げ出してしまったり、メンバー間の対立で機能不全に陥ったりした経験はありませんか。
しかし、率直に申し上げて、社会人の現場、特に国家や巨額の利権が絡む総合商社のプロジェクトは、その比ではありません。学生時代の経験とは次元の異なるプレッシャーがかかります。皆さんが将来相手にするのは、常に理屈の通じる「善良な人々」だけとは限りません。それでもなお、プロジェクトを完遂させ、資源を海外から調達し、あるいはインフラを構築し、約束通り対価を回収するのが、総合商社の仕事です。少し生々しいかもしれませんが、現場で日常的に直面する「現実」をいくつかご紹介します。

1. 資源ナショナリズムによる「政治的圧力・金銭要求」の例
これは「国家」そのものが、当初結んだ契約を反故にして、「金銭(権益)」を要求してくる、最も対応が困難な妨害の一つです。
例:ロシア「サハリン2」プロジェクト
概要: ロシア極東における超大型の石油・天然ガス(LNG)開発です。日本の商社も多額の投資を行っていました。
妨害の手口: プロジェクトが軌道に乗り、巨額の利益が見え始めた矢先、ロシア政府が突如「環境問題」を口実に、操業許可の取り消しを示唆してきました。
妨害の意図: これは環境保護が主目的ではなく、ロシア政府(国営ガスプロム)がプロジェクトの主導権と権益を掌握するための「政治的圧力」であり、事実上の「権益要求」であったと広く認識されています。
結果: 日本企業は圧力に屈する形で、多大な労力をかけて育てた権益の過半数を、(市場価格より安価とされる価格で)国営企業に売却せざるを得ませんでした。ビジネスは継続しても主導権は奪われ、その後の地政学リスク(例:2022年のウクライナ侵攻)の中では、常に「人質」のような不安定な立場に置かれています。

2. 許認可の遅延と現地政治(汚職)の例
発展途上国でのインフラプロジェクトでは、許認可が「金銭要求(賄賂)」の道具として利用されるケースが後を絶ちません。
例:インドネシア「バタン石炭火力発電所」
概要: インドネシアにおける大規模な発電所建設プロジェクトです。
妨害の手口: 「地域住民の激しい反対運動」により、土地収用が数年間にわたり停滞しました。
妨害の背景: 表向きは環境問題や補償問題でしたが、その裏では、土地ブローカーが不当な補償金を吊り上げ、地元の政治家が反対運動を利用して金銭や政治的譲歩を引き出そうとしたりする、複雑な利権が絡んでいたと報じられています。
結果: プロジェクトは「頓挫」寸前にまで追い込まれました。最終的には数年の遅延と莫大な追加コストを負担した上で、稼働にこぎつけました。

いかがでしょうか。大学での経験とは、かかる責任、金額、そして直面する理不尽さのレベルが全く異なることをご理解いただけたかと思います。
このような理不尽な圧力、悪意ある金銭要求、政治的な妨害の真っ只中で、時には激しく議論し、時には忍耐強く頭を下げ、現地政府、パートナー企業、反対する地元住民、資金を提供する銀行団など、利害の異なる全ての関係者をまとめ上げ、プロジェクトを前に進める。
これが、ここで言う「リーダーシップ」であり、その地獄のようなプレッシャーを耐え抜き、最後までやり遂げる力が「ストレス耐性」です。
2次面接は、皆さんの「覚悟」を問う場です。 単なるキレイゴトや憧れではなく、こうした泥臭い現実を直視した上で、「それでも自分がやり遂げる」という強い意志と胆力を見せていただくことを期待しています。

3次面接

総合商社の最終面接は、もはや能力や適性を見る場ではない。それは「本当に入社する意思があるか」「内定辞退の可能性はないか」という、ただその一点を見極めるための儀式である。
なぜ、そこまで内定辞退を恐れるのか。理由は簡単。最終面接まで駒を進めてきた学生は、すでに「内定10個持ち」のような強者(つわもの)だからである。しかも、彼ら(彼女ら)が持っているのは、そこらの中小企業の内定ではない。JPモルガン、ゴールドマン・サックス、マッキンゼー、ATカーニー、野村証券(総合職)——。 そういったトップ企業の内定をすでに複数保持している猛者たちなのである。
「一般職なら簡単?」とんでもない勘違いである。 ご指摘の通り、2015年のデータを見ても、三菱商事の一般職採用は慶應、早稲田、青山学院、聖心女子、学習院、上智が占め、伊藤忠商事に至っては採用がわずか7校(早慶上智、青学、明治、東京女子)に限られていた。彼女たちは、他の人気企業の「総合職」を辞退して、あえて『商社一般職』を選んでいる層なのである。これが総合商社という戦場の現実である。

こうしたトップ層の学生に対し、総合商社が提示できる価値は何であろうか。彼らが他に持つ外資系トップ企業の内定と比べれば、正直なところ給料(初任給や若手の給与)は見劣りするかもしれない。その中で商社が提供できるのは、もはや「海外経験」「事業経験」、そして「圧倒的ステータス」しかない。
採用する人事側も必死である。伊藤忠の敵は三菱商事であり、三菱商事の競合相手は伊藤忠である。下位の商社は常に上位に優秀な人材を奪われる不安の中にいる。人事は、予定していた適正人数を確保できなければ「滅ぶ」のである。だからこそ、最終面接に臨む学生に求められることは、ただ一つである。

もしあなたが(運ではなく)実力でそこまでたどり着いたのなら、小手先の自己PRや志望動機を繰り返す必要はない。面接官が聞きたいのは、あなたの揺るぎない覚悟。 あなたが口にすべき言葉は、これしかない。

「行きたいです! 行きたいです! 行きたいです!」

これが全てである。
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