職場での不安を和らげる方法：上司に怒られたくない、失敗したくない…どうすればいい？

今の仕事や職場で不安は感じてますか？

仕事をしていると、誰しも一度は、

「上司に怒られたくない」

「失敗したくない」

「期待を裏切りたくない」

といった不安に襲われることがあるでしょう。これらの不安が頭をよぎると、気持ちが重くなり、心の中に緊張が走りますよね。

緊張すると普段できることも普段通りにできなかったり、なぜかいつも以上に疲れたり。

どう対処すればいいのかが分からず、ますます自分を追い込んでしまうこともあるかもしれません。

でも、まずはこういった不安の正体を理解することで、少しずつその重圧から解放されるヒントを見つけてい苦ことができます

職場で不安を感じる理由とは？

改めてここに向き合っていきたいと思います。

不安や緊張は自然な感情ですが、なぜこれほどまでに職場で強く感じるのでしょうか？

多くの場合、その原因は「他者の評価」に対する過剰な意識があります。上司や同僚が自分の働きぶりをどう評価しているのか？良くない印象を与えていないか？といったことに敏感になることで、緊張や不安が増していきます。

もちろん、就業規則や勤務態度などのルール、あるいは個人の目標達成や数字目標の達成、自己成長といった他の要素もプレッシャーになっている可能性はあります。ただし、不安や緊張が強い場合には、直接的・間接的に人間関係や他者からの評価を意識していることがほとんどです。

こうした思考・発想は私たちにとって自然なものです。職場という環境は、他者の目が常に存在し、パフォーマンスが見える形で評価される場です。そのため、自分がどのように見られているかに意識を集中させてしまいがちです。

では、このような強い不安・緊張状態に対して、具体的にどのように対処すれば良いのでしょうか？

不安を和らげる具体的な方法

職場での不安を少しでも和らげるためのいくつかのアプローチをご紹介します。これらの方法は、ただ表面的に不安を解消するのではなく、長期的に心の状態を整え、仕事に前向きに取り組むための基盤を作るものです。

この記事を読まれる方は、少なからず緊張・不安状態にあることかと思います。以下のことは当たり前のよう見えて、自分一人で頭の中で意識的に行なっている人は少ないです。せっかくなので、少しずつ実践していってみてください。

不安の元に向き合う時間を持つ

不安を感じたとき、その不安の根源を深く考えずに過ごすことが多いかもしれません。しかし、たとえば「上司に怒られたくない」という不安を抱えたとき、その感情がどこから来ているのかを掘り下げることが大切です。心理学的には、自己認識を高めることが不安を軽減する一助になるとされています。

自己認識とは、自分の感情や思考、行動を客観的に観察し、理解する能力です。このプロセスにより、自分が抱える不安のトリガーを明確にし、過剰な反応を和らげることができます。

上司の評価が本当に自分のキャリアに重大な影響を与えるのか、失敗しても再起可能なのかを冷静に考えることで、不安が和らぐことがあります。感情を認識し、自分自身に問いかけることが大切です。

たとえば、上司の評価が本当に自分のキャリアに重大な影響を与えるのか、失敗しても再起可能なのかを冷静に考えることで、不安が和らぎます。このような考え方は、認知行動療法（CBT）でも使われており、実際に不安を軽減するための有効な手法とされています。感情を認識し、自分自身に問いかけることで、冷静な判断を促し、不安を和らげることができます。よくよく考えると、「なんだ大したこと言ってないな、傷ついて損した」や「そういう見方もあるのか、これは勉強になるものの、怒られるほどの内容じゃなかったな。気にしないでおこう」というように、自身が納得度の高い解釈に持っていきやすいです。

完璧を求めすぎない

「失敗したくない」という思いが強すぎると、完璧主義に陥ることがあります。心理学では、完璧主義がストレスや不安を引き起こす要因であるとされています。完璧主義は、自分自身に対して非現実的な期待を抱くことで、自己評価を厳しくしがちです。この思考パターンを手放すことは、精神的な健康を保つ上で重要です。

自分が抱える完璧主義の傾向を認識し、その背後にある信念や価値観を掘り下げます。具体的には、以下のような質問を自分に投げかけてみてください。

自分に対してどのような期待を持っているのか？

完璧でなければならない理由は何か？

過去の成功体験を思い出し、その中でどのように振る舞っていたか？

これにより、自分の思考パターンを客観的に観察し、改善の手がかりを得ることができます。

また、完璧主義を和らげるためには、自己評価を見直すことも効果的です。

以下のアプローチを試みてください。

- 成功の定義を再考する: 

成功を「すべてを完璧にこなすこと」と定義するのではなく、「自分が満足できる結果を出すこと」と考え直します。これにより、失敗を恐れずにチャレンジできる環境を作ります。

- 失敗の捉え方を変える: 

失敗を成長の機会と捉えることで、完璧主義の呪縛から解放されます。失敗した際には、自分に優しく接し、「次に何を学べるか？」を考えるようにします。

小さな成功体験を積み重ねる

これは特に、失敗が怖い方、あるいは失敗をした直後の方へ。

「もうダメかもしれない」と感じてしまう時こそ小さな目標を設定し、それをクリアすることで自己効力感を高めることが有効です。

たとえば、日々の業務の中で「今日はここまでやり遂げる」といった小さなゴールを作り、その達成感を積み重ねていくことで、自信を少しずつ取り戻すことができます。自己効力感は、過去の成功体験によって形成されるものであり、ポジティブな思考を促進します。このように小さな成功を重ねることが、長期的には不安の軽減に寄与することが研究でも示されています 。

余談ですが、よくサッカーなどの途中交代選手は、コートに入った最初の1プレーが大事だと言います。試合に入った一番最初のプレーで小さな成功体験をつかむことで、チームメイトからのプレッシャーや自分への期待が軽くなり、試合全体を通して良いプレーをできることが多いためです。

一度の成功は大したことがないと思うかもしれませんが、その小さな成功が積み重なることで、自己評価が高まっていきます。自分にはできるという感覚が芽生えると、失敗の影が少しずつ薄れていきます。

適度な休息を取る

仕事に追われ、不安を感じることが感じているときに無理をしても、逆にパフォーマンスが低下するだけでなく、さらなる不安を引き起こす原因となります。

心理学的には、リラクゼーション法やマインドフルネスがストレスを軽減し、心に余裕を持たせる手助けになることが確認されています 。適度に休息を取り、リフレッシュすることで、余裕のある心で仕事に向き合うと、不安を感じることも少なくなります。不安の根本原因を解消することにはなりませんが、不安を軽減する手段としては間違いなく有効なので、若い方だとしても心身ともに労わる意識はいつも持っていた方がいいです。

最後に

「上司に怒られたくない」「失敗したくない」「期待を裏切りたくない」といった不安を抱えている方へ、これらは誰にでもある感情であり、決して一人だけが感じているものではありません。しかし、この不安に押しつぶされてしまう前に、少しだけ自分の心の声に耳を傾け、不安の根本的な原因に向き合うことで、心の負担を軽減し、より前向きに仕事に取り組めるようになります。

もし、今の仕事に対する不安や緊張感が強くなっていると感じたら、まずは小さなステップから始めてみてください。そして、自分自身の価値観や目標を見つめ直すことで、不安を和らげるヒントがきっと見つかるはずです。

また、一人で悩んでみたものの、「不安に一人で向き合うのが困難」「もう仕事に行きたくない」と感じている方のご相談、いつでもお待ちしています。お気軽にご連絡くださいね。