厚生年金の標準報酬月額の上限改定に備えよう 1

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法律・税務・士業全般
2027年からの段階的な実施が示唆されている厚生年金の標準報酬月額の上限引き上げは、企業と従業員の双方に大きな影響を与えることが予想されます。
今回はそのことついて何度かに分けてお話します。

企業が行える具体的な対策としては挙げられるのは、非課税の福利厚生制度の活用、給与設計の見直しなどがありますが、いずれも計画的な準備や対策が必要になります。
どのような対策を取るにしても、今後の政府の動向に注視しながら早めの対応を進めましょう。
それに付随してよくある質問などを記載しました。

1.いつから適用されるのか
現状の指針どおりに施行された場合、2027年9月から段階的に引き上げられ、2029年9月に最終的に75万まで引き上げられる予定です。

2.影響を受ける従業員の条件は
現在、標準報酬月額の上限65万円を超える給与を受け取っている従業員が影響を受けます。

3.上限が引き上げられると企業側の負担はどれくらい増えるのか
標準報酬月額の上限引き上げにより、対象となる従業員1人あたり労使折半後の額が月額9,000円程、負担増加が見込まれます。よって対象者が多い企業ほど影響は大きくなります。

4.上限引き上げで従業員の手取り額は増えるのか減るのか
対象従業員の保険料負担は標準報酬月額75万円方の場合、月額約9,000円の負担増加が見込まれます。

5.引き上げの対象にならないように給与を調整することは大丈夫ですか
意図的に給与を調整して標準報酬月額の引上げを回避することはコンプライアンスの観点からも適切ではありません。

標準報酬月額は実際の基本給、手当、賞与などの報酬額に基づいて算定されるため、意図的に給与を調整することは社会保険適用の趣旨に反する可能性があるので不適切ですし。従業員の不利益変更になる可能性も否めません。
例えば、給与の基本給を減額し別の手当という形で補填すると、労働基準法に抵触する可能性があります。

【ではどのようにして企業負担や従業員負担を見直すのか】
1.給与制度の見直しを行う
給与制度の見直しは企業負担を適切にコントロールする有効な方法です。
具体策として以下のような方法が考えられます。
・給与と賞与の支給バランスの見直し
・手当体系の再構築を行う(非課税手当ての活用等)
・昇給・昇格基準を調整する
・年間総支給額を考慮した給与計算を策定する

特に標準報酬月額が上限を超える従業員については、賞与での支給比率を高めることで保険料負担を抑制できる可能性があります。ただし実際に給与設計の見直しの際は、丁寧な説明を従業員に行うことで理解を得ることが大切です。

2.福利厚生を活用して手取を補填する
保険料負担増による従業員の手取り減少を補填する手段として、選択肢の候補の1つが非課税の福利厚生制度の活用です。
これは一定の条件を満たす場合に福利厚生は損金として経費計上できるからです。この非課税枠を活用することにより企業の法人税の削減や、従業員の実質的な手取を増やすことが可能になります。

具体的な福利厚生として幾つか例を挙げます。
・借り上げ住宅の提供
・食事補助
・家事代行サービスの提供
他にもありますが、この中でも食事補助は比較的導入しやすいのではないかと思います。

今回のお話しはこのあたりまでにしましょう!
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