厚生年金の標準報酬月額の上限改定に備えよう 2

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前回からの続きです。
今回は標準報酬月額の上限改定によりどのような影響が起こり得るか綴ります。

1.雇用・人事戦略の見直しを求められる
 社会保険料負担の増加は、企業の人件費計画に直接影響を与える可能性があります。

標準報酬月額の上限が引き上げられ企業の社会保険料負担額が増加すると、企業の人件費のリソースが割かれます。

予算の減少に伴い賃上げや採用計画の見直しを迫られる可能性もあるかと思います。この場合、企業の雇用や人事戦略全体において大きな影響を与えることと思います。

2.他の年金や制度に影響することもあります
標準報酬月額の上限引き上げは厚生年金だけでなく、企業年金や社会保険給付にも影響を与えます。

・確定給付企業年金(DB)
企業によっては給与の一部を退職金掛金に振り分けることで、社会保険料負担を調整する動きが出る可能性があります。また上限引き上げに伴い、企業年金の制度自体を見直す必要が生じるケースも出てくることと思います。

・確定拠出年金(DC)
DCの拠出限度額は法令で定められているため、標準報酬月額の上限引き上げによって自動的に拠出額が変わることはありません。ただ、企業が給与体系を変更した場合などは拠出額の見直しが行われる可能性はあります。(法令の上限を超えない範囲においての調整になるかと)

・退職一時金
退職金の算定基準が最終給与や勤続年数に連動している場合は高所得層の退職金が増える可能性があります。

・老齢厚生年金
受給額増加:上限引き上げによって保険料負担が増える分だけ将来の厚生年金の受給額も増加します。
在職老齢年金:時々支給停止基準額の見直しが行われていますが、将来的に変更・廃止の動きにはなっているようです。

・その他の制度
傷病手当金・出産手当金:標準報酬月額を基準に給付額が決まるため、上限引き上げにより最大支給額が増える可能性があります。
雇用保険料:雇用保険料は労働保険対象賃金の総額に基づくため標準報酬月額の上限引き上げとは直接関係はありません。

2.上限の引き上げが従業員に及ぼす影響

標準報酬月額の上限引き上げは企業だけでなく、従業員にも大きな影響を与えます。

・対象者の手取りが減少する
標準報酬月額の上限引き上げにより、対象従業員の手取り額は段階的に減少します。
詳しい計算は省略しますが、最終的に対象従業員1人あたり約9,000円(1月あたり)の手取り減少になります。単純計算で年間約108,000円の減少になりますので(賞与は加味していません)家計にまぁまぁ影響するのかとは思います。
特に近年の物価上昇による実質的な生活水準の低下が叫ばれる中、手取減少は従業員の生活設計大きな影響を与えます。企業には従業員の不安、不満を軽減するために何らかの対策が必要になるかと思います。

これまでネガティブなことを並べてきましたので、メリットも書きましょう!

・将来の厚生年金額が増加する
標準報酬月額の上限引き上げにより保険料の負担が増加する一方で、対象従業員が受け取る将来の年金額は増加します。

でも正直、「将来」の話よりも「今」が大事だよ、というお声もたくさんいただいております(笑)
それプラス「そんな給与の高い従業員(役員)」はそもそも居ないよ、と笑われたこともございます。

ですので、企業としてはもしもの時に備えて計画的な準備と対策をとることが必要になります。特に従業員の処遇の維持と企業負担のバランスをとることが大切なのかと思います。




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