リーディングセラピー16  まだ見ぬ海へ

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小説
※まずは深呼吸
リラックスして読み進めてください。



風の音だけが聞こえる。目の前には広がる海。波は繰り返し寄せては返すけれど、その先にあるものはわからない。
ただ、ぼんやりとその場所に立っている。
少し湿った砂の感触が足元に伝わり、冷たさと暖かさの間をさまよっているような感覚に陥る。

「どうしてここに来たんだろう?」と、ふと感じる。
答えは見つからない。
けれど、ここに立っている理由は確かにあって、それが何なのかを探している気がする。
ただ、何を探しているのかがわからない。
まるで霞んだ夢の中で手を伸ばそうとするけれど、いつもその夢が目を覚ます前に消えてしまうように。

風が少し強くなり、髪が揺れる。
塩の匂いが少し鼻をかすめ、遠くの空に一羽の白い鳥が見える。
羽ばたく音が聞こえるような気がするけれど、それはきっとただの想像だ。
鳥は迷わずに空へと飛んでいく。その姿を見ていると、何かを思い出せそうな気がして、じっと目で追いかける。

けれど、自分はただここに立っているだけだ。
どこにも飛べないし、どこに行くべきかもわからない。
やりたいことなんて、最初から何も思いつかないまま時間だけが過ぎていく。
波の音がさらに大きくなる。心の中に広がる空虚さと、どこかにあるはずの答えが微妙にずれていく感覚。

「何かが変わるかもしれない」――そんな淡い希望が胸に浮かんでくる。
でも、何が変わるのかもわからない。
自分はただ、ここにいるだけ。
ここに立って、ぼんやりと未来を眺めている。
けれど、目の前の海の先には何も見えない。
霧のように曖昧な未来がただ広がっている。

もう少し、歩いてみるかもしれない。
少し足を踏み出してみる。
でも、その一歩がどこに繋がるのかはわからない。
ただ、今はそれでいい気がする。
風の音が少し優しくなり、波は静かに引いていく。
その音に耳を傾けながら、いつの間にか心が少しだけ軽くなっていることに気づく。

「何かを見つけるためにここに来たんだろうか?」その問いは、風とともに消えていく。
けれど、答えがないことが答えなのかもしれない。
まだ見ぬ何かが、いつかここにやってくるのを、ただ待っているような気がする。
そう思った瞬間、目の前の海が少しだけ広がったように感じた。
今回は、やりたいことが見つからないという悩みが解決するように催眠スクリプトを組み込みました。
「やりたいことが見つからない」状態が必ずしも悪いことではなく、今のままでもいい。
未来が突然見えるわけではないけれど、少しずつ何かが変わり始めるように・・・そんな願いも込めて書いてみました。



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