まずは深呼吸
リラックスして読み進めてください
夏の夜、どこか遠い街の路地裏を風が通り抜けていく。
窓を開けると、風がそっと部屋に入り込む。それは冷たくも温かくもなく、ただ肌を優しく撫でる。
遠くで誰かが口笛を吹いているような気がしたが、すぐにそれは風に溶け込んでしまった。静かで、誰もいない夜の街。
その路地を、ふとした影が通り過ぎた。人ではない。何か形のないもの。
まるで、どこに行くべきかを迷っている雲の一部が、ふらふらと漂っているようだった。
それは、音もなく、誰にも気づかれずにそこに存在している。
見つけられないものを、探し続けているかのように。
部屋に戻ると、テーブルの上に置かれたガラス瓶が小さく揺れていた。
まるで中に何かが詰まっていて、それが逃げ出そうとしているかのように。
けれど、その蓋は固く閉じられていて、中身が見えることはない。
ただ、静かに揺れている。
外では、風が吹き続けている。
耳を澄ますと、その風の音はどこか懐かしい。いつか聞いたことがあるような、遠い過去の記憶が呼び起こされる。
けれど、何の記憶だったのかは思い出せない。ただ、そこに「ある」ことだけがわかる。
風が止むと、夜は一層深まった。
星が瞬き、遠くでカエルの鳴き声が響く。
街の明かりが少しずつ消えていくのがわかる。何かが終わり、何かが始まろうとしている。
けれど、その「何か」はまだ形を持たず、ただそこに漂っているだけだ。
窓の外を眺めると、一羽の鳥が闇の中を静かに飛んでいた。
まるで、どこに向かうべきかを知っているように、その翼は無駄なく動き続ける。
暗闇の中に自分の居場所を見つけたような、その姿は、どこか安心感をもたらす。
気づけば、再びガラス瓶が目の前にあった。
今度は少しだけ蓋が緩んでいる。中からは、何か微かな光が漏れているように見えた。
手を伸ばしてその瓶を握ると、その光は少しずつ広がっていき、部屋全体を包み込んでいった。
光の中で、自分がどこにいるのか、何を感じているのか、はっきりとわからなくなった。
ただ、確かに何かが変わり始めている。先ほどまでの不安や迷いは、瓶の中に吸い込まれていくように消えていった。
夜が明ける頃、窓から再び風が入り込んできた。
今度は、はっきりと暖かさを感じる。その風は、何か新しい始まりを告げるかのように、ゆっくりと部屋を包み込む。
そして、心の中で静かに感じていた不安や迷いも、その風とともに遠くへ運ばれていった。
もう一度ガラス瓶を見ると、今度は何も揺れていない。
ただ、そこに静かに置かれているだけだ。
瓶の中には、もう何も詰まっていない。
蓋も必要なくなった。
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今回は、不安の軽減につながるように催眠スクリプトを組み込みました。
うたた寝していた時に見た夢を元に
現実と夢が混ざったような感じで書いてみました。
夜寝る前、リラックスしたいときに読んでみてください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
この投稿が少しでもあなたの役に立ちますように。