こんにちは!
心理学客員研究員の原です。
今回はピアジェの認知発達理論に触れていきたいと思います。
少し長くなりますのでご了承ください。
ピアジェは認知発達の理論は発達心理学を学ぶ人や保育士試験に必須の内容になっています。
早速,みていきましょう!
ピアジェは外界のものごとの認知的枠組みのことを「シェマ」と呼びました。
シェマとは例えば,赤ちゃんがお米を口に入れる→食べられる→「お米は食べられる」,タオルを口に入れる→食べられない→「タオルは食べられない」といったふうにしてシェマが形成されていきます。
また,重要なワードとして「同化」と「調節」があります。
同化とは外界のものごとを自分の中に取り組むことを指します。
調節は外界のものごとに応じてシェマを変えることを指します。
例えば,ぬいぐるみは食べれる→実際には食べられなかった→ぬいぐるみは食べられないというふうにシェマを変えていくのです。
赤ちゃんは同化と調節が相補的に働くことによって外界のものごとを理解していくわけです。
そして,同化と調節が繰り返し行われることによってその内容が低次なものから高次なものへと変容していく過程において質的に異なる4つの発達段階があると仮定しました。
1つ目の認知発達段階は「感覚運動期」です。
0~2歳の間は,感覚機能を使って直接的に外界に働きかける段階と想定しました。
より詳しくみていきますね。
0~1ヵ月は,反射的な活動によって外界のものごとを自分の中に取り入れていきます。
1~4ヵ月は,第一次循環反応の時期です。自分の身体に焦点を当てて同じ行動を繰り返します。
4~8ヵ月は,第二次循環反応の時期です。外界にあるものに焦点を当てて同じ行動を繰り返します。例えば,ガラガラとなる鈴を何度も鳴らすなどの行動がみられます。また,この時期は視界から消えたものは存在しないと考えるため,視界からものが消えたら探すことはしないのが特徴です。
8~12ヵ月は,第二次循環反応の協応の時期です。第二次循環反応を組み合わせて意図的な行動ができるようになります。また,この時期はものを隠されたりといった視界から消えたものについて存在していると考えるようになり,探索行動がみられるようになります。ただ,隠したものは「ここに隠したのだろう」と隠し場所を探すのではなく,最初に置かれていたところを中心に探すのが特徴です。
12~18ヵ月は,第三次循環反応の時期です。外界にあるものを使って試行錯誤を繰り返して学習していきます。また,この時期は目と手の協応動作が成立します。
18~24ヵ月は,本当の心的表象が始まる時期です。外界のものごとについて心の中でイメージとして描くことができるようになります。また,以前にみたものを違う場所・時間で再現する延滞模倣ができるようになります。
2つ目の認知発達段階は「前操作期」です。
2~7歳頃までの時期において,頭の中で表彰レベルで考えることができるようになり,言葉やものに意味を与えられるようになる段階です。
前操作期は「前概念的思考段階」と「直感的思考段階」とにわけることができます。
前概念的思考段階は2~4歳頃までの時期を指し,自己中心的なコミュニケーションをする傾向にあり,他者も自分の視点からものごとを捉えていると子どもは考えます。またこの時期は,言葉が発達していき,表象が形成されていきます。さらに,ものが隠されてもなくなるわけではないという対象の永続性を獲得したり,ごっこ遊びが少しずつですがみられるようになります。
直感的思考段階は4~7歳頃までの時期を指し,論理的な思考をし始めるが,まだ直感的に判断してしまいます。因果関係を推論しますが,一貫性がなく保存概念が十分に形成されていないです。例えば,2つの列を作りそこにひまわりの種を5つ,5センチの間隔を置いておくと直感的思考段階の子どもはどちらの列もひまわりの種が同じ数あるといいます。しかし,一つの列は5センチ間隔,もう一つの列は2センチ間隔でひまわりの種を置くと2センチ間隔の列のひまわりの種の数が少ないと答えます。また,100mlの水を2つの同じコップに入れるとどちらも同じ量の水が入っていると答えますが,一つは縦長のコップ,もう一つは横長のコップに水を入れかえると縦長のコップに入っている水の量が多いと回答するのです。ここからわかることは,直感的に判断していることであるといえます。
3つ目の認知発達段階は「具体的操作期」です。
7~12歳までの時期は,具体的なものを扱う場合にのみ論理的に考えることができるようになります。見た目に左右されることなく,かつ保存概念が形成されます。ただし,論理的な変換や可能な限りの組み合わせを考えることは難しいです。
4つ目の認知発達段階は「形式的操作期」です。
12歳以降になると論理的な考え方ができるようになります。経験的事実に基づくだけでなく,仮説を用いて論理的な操作が可能になるのです。また,より抽象的で複雑なことを理解することができ,頭の中で考えて具体的な操作ができるようになります。ただし,この段階の問題を大学生に解かせたところ間違いだらけの人も多々いて,すべての人がこの段階に達することはできないと現在では考えられています。
ピアジェの認知発達理論を要約すると,最初は直接的な経験や自分の感覚を通してものごとを認識するが,発達が進むにつれて心の中でものごとを操作できるようになります。そして,最初は他者とのコミュニケーションのみ用いられていた言葉が次第に自分の行動を調節したり,思考の道具として使うことができるようになるのです。
以上,ピアジェの認知発達理論を述べてきましたが,とても複雑ですね。ただ,細かに子どもの発達を捉えており,子どもの認知発達を考えるうえで重要なことを理論化している点において評価できると思います。
難しい言葉を使ったりしましたが,ぜひ気になった方は発達心理学の本で勉強してみてください。
私はこれを丸暗記したのですが,試験で出なくてがっくりした記憶があります(^^;)
最後まで読んでいただきありがとうございました。