前回は、スマイル顔が描かれた電車のイメージと漢字の「電」と融合した姿が特徴である未来の「鉄道駅(在来線、特急含む)」の地図記号について紹介しました。
次は、日本の文化や風習を体験できる伝統的な宿泊施設であり、多くの国内外の観光客が利用する場所「旅館」の地図記号について紹介します。
調べてみると従来の記号は、外国人向けの「ホテル」はあった一方で、「旅館」だけの記号はありませんでした。
このことを知った私は、「旅館」は「ホテル」と同じくくりではないかと考えていました。
しかし、両方とも宿泊施設でありますが、歴史や文化観点から異なる所があります。
「ホテル」はローマが起源で西洋文化から取り入れているため、建築スタイルやインテリアが洋風であるのが特徴です。
また、多くのホテルではベッド付でバスルームやシャワーが完備されている客室、レストランやプールなどの施設があり、快適なサービスが提供されています。
それに対し、「旅館」は江戸時代から存在している日本の伝統文化であることから、和風建築スタイルで客室やロビーが畳敷きであり、寝具は布団であるのが特徴です。
また、日本の風習を取り入れた高級施設であるため、料金も比較的高めでありますが、従業員が「おもてなし」の心で親切且つ丁寧に接客を行います。
その他に、日本だけでしか味わえない季節や地域の食材を生かした料理を体験できるのも「旅館」の利点でもあります。
このように多くの違いが明確であるにも関わらず、「旅館」と「ホテル」が別々に地図記号として存在していなかったことに、私は違和感を覚えました。
同じ宿泊施設でも「旅館」で泊まりたい人もいれば「ホテル」で泊まりたい人もいるのに、「日本伝統文化の宿泊施設なのに、『旅館』だけの地図記号がないのか?」「なぜ両方の施設が同じくくりにされているのか?」と疑問に思いました。
このような動機から、私は「旅館」と「ホテル」を「未来の地図記号」として別々に作成しようと決心しました。
「ホテル」の方は、過去記事で既に消化しているので、ここでは割愛します。
「旅館」の地図記号はこれまで見られなかったので、公開は本記事で「初」となります。完成品はこちらです。
日本の伝統文化を取り入れた宿泊施設であることから、シンプルなイメージの和風建築の中に、「旅館」のシンボルともいえる「温泉」の記号を囲んだ「ゆ」という文字がある姿という全体的に和風テイストをデザインとして表現しました。
また、漢字の「湯」は見えにくいと考えたので、日本発祥の文字である平仮名の「ゆ」を選択したという細かい工夫もしました。
このような記号が存在すれば、アルファベットがある「ホテル」の「未来の地図記号」との区別がより明確になり、地図記号に関して混乱を招くなど困ることが少しでもなくなるのではないでしょうか?