消える記憶、忘れえぬ想い

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コラム
先日、実家に帰ったとき、
ふと母に聞いてみた。

「ねぇ、子供の頃の私って、どんな子だった?」

母は、ポカンとした表情で少し考えて、
「大人しかったよ」と答えた。

えっ? 私、そんなタイプだったっけ?
小学校6年生までは、どちらかというと活発だったと思ってたのに…。

「でも、夏休みは真っ黒になるまで毎日プールに通ってたし、
幼なじみと自転車で走り回ったり、紙芝居ごっこも企画して披露したよね?」

そう言ってみたけど、
母は「…?ふーん。大人しかったよ」と、曖昧な反応。

半年前までは、高度認知症があっても、
昔の記憶は残ってて、嬉しそうに話してくれてたのに…。

今はもう、長期記憶も薄れ、言語化も低下して、
母と一緒に“思い出話”をすることが、難しくなってきたみたい。

笑顔で返した私だけど、少し、寂しさがよぎった。

だけど、帰り道に思った。

もう、想い出を一緒に「語り合う」ことはできなくても、
私の中に、“母との想い出”が生きていれば、それでいい。

時々伝え聞いた母の経験や、昔の写真から、

母がどんな気持ちでいたのか、
想像し、共感すればいい。

母が一生懸命生きてくれたおかげで、
今の私がある。

無いものを惜しむより、
在るものに感謝✨

今、あたたかい手を握られること。
目が合うと、にこっと微笑んでくれること。

それだけで、最高に「有り難い」。

私の中にある宝物。

母のエプロン姿。
料理をしながら歌う背中。
つきたてアツアツのお餅を素早く丸めた手。
いつも好物を入れてくれたお弁当。

妹たちと奪い合った、世界で一番あったかい膝枕。

これからも、大切に抱いていく。

ありがとう、お母さん🌸
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