【人間ってやつは、なかなか面白いもんですよね。】

記事
ビジネス・マーケティング
はい、前回ね、マイナーな六韜の十過を紹介した。

あ、そうそう。「虎の巻」って言葉の元ネタ、あれ六韜だからね。地味にすごいでしょ。

だいたいみんな孫子に持っていかれるけど、あの裏側にいる“設計者側の思想”みたいなのは、むしろこっちのほうが濃い気がするんですよね。そうでもないか。(笑)まあ、その話はまたどこかで。

で、今日は「十過」でいこうと思う。

……は?また?って思いました?

わかる。いや、ほんとわかる(笑)さっきやったやん、それ。っていうね。カエサルどこ行った?アレクサンドロス大王は?って。

いや、わかるんだけどさ、ちょっと待ってほしい。

これね、「同じ言葉なのに、全然違うもの」なんですよ。

前回の六韜は、ざっくり言うと“現場の話”なんですよね。将軍とかリーダーが、どういう性格だとやらかすか。

勇気ありすぎると突っ込みすぎて死ぬし、慎重すぎるとチャンス逃すし、優しすぎると統制崩れるし、みたいな。

つまり、「人としての偏り」が、そのまま“弱点”になるって話。

で、今回は韓非子。以前彼を紹介したよね?覚えてる?

で、これがね、ちょっと質(タチ)が悪いのよ。いや、言い方アレだけど(笑)

というのは、こっちは“上のバグ”なんですよ。

性格とか気質じゃない。「判断の構造」が壊れてるやつ。

もっと言うと、「本人は正しいと思ってるのに、結果として全部ズレていく」っていうタイプのやつ。これが一番厄介なんですよね。だって、直せないから。

いや、正確に言うと、“自分で気づけない”。で、気づいたときには、だいたい手遅れ。まあ、人生でもよく見るやつですよね(笑)

で、この韓非子の十過。簡単に言うと、「やらかすパターン集」です。しかもね、これがまた絶妙で。

全部、“悪いことしてる感じ”がしないんですよ。むしろ、「いいことしてる風」ですらある。ここが怖い。

たとえば一個目。

「小忠を重んじて大忠を忘れる」。

これ、日本語にするとちょっと硬いけど、要するにこういうことです。目の前の人に優しくしすぎて、全体ぶっ壊す。

……いや、あるよね(笑)めちゃくちゃある。

たとえばさ、会社で。

「あいつ頑張ってるからさ、今回は大目に見てやろうよ」ってやつ。

いや、気持ちはわかる。めちゃくちゃいい人。でもそれ、繰り返すとどうなるか。

ルールが死ぬ。

で、真面目にやってる人が損する。で、最終的に組織が崩れる。これね、本人はずっと「いいことしてる」つもりなんですよ。

むしろ「人情がある自分、いいでしょ」くらいに思ってるかもしれない。でも、構造的にはアウト。

韓非子はここを容赦なく切る。

「それ、国家滅ぼすやつね」って。

いや、言い方(笑)でも、構造としてはそうなんですよね。

で、これ面白いのが、

六韜のほうだと「優しすぎる将軍はダメ」っていう“性格の話”だったのに対して、韓非子は「その判断がシステム壊すよね」っていう“設計の話”になってる。

同じような現象でも、見てるレイヤーが違う。これ、ちょっとゾクっとしません?

で、二つ目。

「小さな利益を欲しがって大きな利益を失う」。

はい、出ました。

これもう、現代のど真ん中。短期の数字取りにいって、長期の信頼ぶっ壊すやつ。

たとえば、無理な営業。ちょっと盛った説明。今月の売上は立つ。でも半年後、どうなるか。クレーム、解約、信用失墜。

で、「なんでこうなったんだろうね」って会議が始まる(笑)

いや、原因それだよ、っていう。

でもね、これもやってるときは“正しい”んですよ。だって、数字出してるから。評価されるから。むしろ「有能」扱いされることすらある。

ここが怖いところで。

“正しく見える間違い”って、一番修正しにくい。で、韓非子はそれを、2000年以上前にやってる。

いや、冷静にすごくないですか。人間、あんま進化してないなっていう(笑)で、この二つを並べてみると、なんとなく見えてくるんですよ。

ああ、この人が言ってるのって、

「善悪」とか「努力」とかじゃないんだな、って。

もっと冷たい。もっとシンプル。

「それ、全体として成立してる?」っていう話。

ここなんですよね。

で、たぶんこれ、このあと全部同じ構造で続いていくんですよ。一個一個はバラバラに見えるけど、全部、「本人は正しいと思ってるのに、結果としてズレる」っていうパターン。

で、そのズレって、最初はほんのちょっとなんですよ。誤差レベル。でもね、これが積み重なるとどうなるか。

……まあ、だいたい崩壊するんですよね(笑)

ゆっくり、でも確実に。気づいたときには、「なんでこうなった?」っていう状態。いや、ほんと人生みたいだなって思うんですよ。

たぶんこれ、国家の話じゃなくて、もっと小さい単位でも、普通に起きてる。仕事でも、人間関係でも、恋愛でも。「ちょっとくらいいいか」が積み上がって、ある日、全部ズレてる。で、そのときにはもう、

どこから直せばいいかわからない。

……ね、ちょっと嫌なリアルさ、ありますよね(笑)

まあ、だからこそ面白いんだけど。じゃあ、この先どうなるか。この“ズレ”がどうやって拡大していくのか。なんで止まらないのか。

そして、人はなぜそれに気づけないのか。そのへん、少しずつほどいていきましょうかね。

今回も長くなるなあ…。あはっ(笑)。

でね、さっきの「小忠」と「小利」。

これ、単体でも十分やらかし案件なんだけど、韓非子の嫌らしいところはここからなんですよ。

「それ、単発じゃ終わらないよね?」っていう。つまり、“ズレは増幅する”って前提で見てる。ここがたぶん一番現代っぽい。

たとえば三つ目。

「振る舞いが身勝手で、無礼を働く」。

これね、表面だけ見ると、「礼儀正しくしましょうね」みたいな、道徳の時間っぽい話に見えるじゃないですか。

でも違うんですよ。韓非子、そんな優しいこと言ってない。これを構造で見るとこうなる。

“関係性を壊す入力を入れると、外部環境が敵に変わる”

っていう話なんですよね。

たとえば、ちょっとした横柄な態度。ちょっとした約束破り。ちょっとした「まあいいでしょ」。その瞬間は、何も起きない。むしろ、こっちが得してる感じすらある。

でもね、相手の中に「ノイズ」が残る。で、そのノイズが蓄積されるとどうなるか。

ある日、突然“協力しない側”に回る。

これ、怖いのが、

裏切られたように見えるけど、実は全部積み上げなんですよね。

本人からすると「なんで?」なんだけど、相手からすると「いや、ずっと前からだよ」っていう。

これ、ビジネスでもあるし、プライベートでもあるし、恋愛でもある。で、韓非子はこれを“国家レベル”で見てる。

「無礼は孤立を生む」って。いや、シンプルだけど重い。

で、四つ目いきます。

「政治を顧みず、娯楽に耽る」。

これもね、ちょっと雑に読むと、「遊びすぎるなよ」っていう説教に見える。でも違う。これも構造。

“リソース配分ミス”なんですよ。本来、意思決定者が使うべき時間と注意力を、別のものに持っていかれる。

その結果、何が起きるか。

“見なきゃいけないものを見逃す”。

で、問題が発生したときには、もう手遅れ。これね、現代だとめちゃくちゃわかりやすい。スマホとか、SNSとか。別に悪いものじゃない。むしろ便利だし、必要な情報もある。

でもね、気づいたら「本来考えるべきこと」を考えてない。で、「なんかうまくいかないな」ってなる。

いや、それ、リソース食われてるよね、っていう。韓非子、これを音楽で例えてるけど、要は同じことなんですよね。

で、ここで一個、象徴的な話が出てくる。

いわゆる“亡国の音”。

すごい名前だけど(笑)

ある王様がね、「最高の音楽を聴かせろ」って言うんですよ。で、周りが止める。

「それ、あなたにはまだ早いです」って。でも、聞かない。で、無理やり演奏させる。するとどうなるか。

嵐が来て、国が乱れて、本人も体壊す。

……いや、急にファンタジー(笑)

って思うじゃないですか。でもこれ、オカルトじゃないんですよ。

翻訳するとこう。

“身の丈に合わないものを持つと、システムが壊れる”

たとえばさ、まだ基盤ができてないのに、見た目だけデカくする。まだ実力が伴ってないのに、ブランドだけ上げる。

まだ回ってないのに、規模だけ拡張する。これ、全部同じ構造。最初は気持ちいいんですよ。「おお、なんかすごくなった」って。

でも、内部が耐えられない。で、どこかで破綻する。

これね、人でも同じ。背伸びって、ある程度は必要なんだけど、ライン超えると“歪み”になる。

で、その歪みって、外からは見えにくい。でも内側では、確実に負荷がかかってる。で、ある日、ポキッといく。……いや、これもあるよね(笑)

で、ここまでで見えてくるのが、韓非子って、“派手な失敗”の話してないんですよ。

むしろ逆。地味なズレ。ちょっとした判断。ちょっとした選択。それが、どういうフィードバックを生むか。それをずっと追ってる。で、そのフィードバックって、だいたい遅れてくる。

ここがまた厄介で。人って、「すぐ結果出るもの」は修正できるんですよ。でも、「遅れてくるもの」は、原因と結果が繋がらない。

だから直せない。で、同じことを繰り返す。で、ある日まとめて返ってくる。……ね、ちょっと怖いでしょ(笑)

でもたぶん、これが現実なんですよね。

で、このあとさらに厄介な領域に入っていきます。何が厄介かっていうと、

“人間の認知”そのものがズレを固定する、って話。

つまり、間違ってるのに、間違ってると認識できない。むしろ「自分は正しい」と強化されていく。このループ。

ここからが、本番です。ちょっとえぐくなる(笑)

で、ここからが韓非子の一番いやらしいところなんだけど、

「ズレは外で起きるんじゃなくて、内側で固定される」

っていう話なんですよ。

つまり、間違った判断をしてるときほど、人はそれを「正しい」と思い続ける。むしろ、強化される。これ、どういうことか。

五つ目。

「強欲で、わがままを押し通す」。

これね、言葉だけ聞くと、「ああ、ただの嫌なやつね」って思うじゃないですか。でも実際は、そんな単純じゃない。だって本人はこう思ってるから。

「これは正当な要求だ」って。

むしろ、「なんで相手は応じないんだ?」って。で、押す。さらに押す。で、相手はどうなるか。

最初は我慢する。

でも、どこかで限界が来る。で、離れるか、裏切るか、対抗するか。

結果、どうなるか。……囲まれるんですよね(笑)

これ、歴史でも散々あるし、現代でも普通にある。価格交渉でも、組織でも、人間関係でも。「取りすぎたやつ」が、最後に全部失う。

でも本人は最後まで気づかない。

「なんでこうなった?」って。

いや、それ、ずっと前からだよ、っていう。

で、これの怖いところは、“成功体験が強化する”って点なんですよ。一回うまくいっちゃうと、「あ、このやり方でいいんだ」ってなる。で、さらに押す。で、さらに成功することもある。

ここで完全に固定される。でも、その分だけ“反動”も溜まってる。で、ある日、一気に返ってくる。これ、まさに非線形。

ちょっとずつ積んでたものが、ある閾値を超えた瞬間に、ドンってくる。

で、六つ目。これがまたエグい。

「口先のうまい者を信じて、正しいことを言う人を遠ざける」。

はい、出ました(笑)

これね、もう説明いらないレベルでしょ。でも一応やると、人ってね、

“気持ちいいこと”言われると、信じるんですよ。

「さすがです」「間違ってません」「それでいきましょう」

……いや、気持ちいいよね(笑)で、逆に、

「それ違いますよ」「このままだとまずいです」

って言われると、どうなるか。ちょっとイラっとする。

いや、だいぶするか(笑)

で、距離を置く。で、気づいたらどうなってるか。

周り、イエスマンだけ。で、情報の質が落ちる。で、判断がズレる。で、結果が崩れる。これ、もうテンプレみたいな崩壊ルート。

でもね、これも本人は悪気ない。

むしろ、「いい関係を築いてる」とすら思ってる。ここが怖い。

で、ここで一個、ちょっと引いて見ると、全部同じ構造なんですよね。

小忠、小利、無礼、娯楽、強欲、イエスマン。

バラバラに見えるけど、全部、「現実とのズレ」を生む入力。

で、そのズレを修正する機能が、どんどん壊れていく。これ、システムとして考えるとわかりやすい。

最初はね、多少ズレても戻るんですよ。フィードバックが効いてるから。

でも、

・耳に痛い情報を遮断する
・都合のいい情報だけ残す
・短期的な成功で自信を強化する

これを繰り返すとどうなるか。

“補正が効かなくなる”。

で、ズレがそのまま蓄積される。で、ある時点で、完全に現実から乖離する。……怖いでしょ(笑)

でもこれ、別に王様だけの話じゃない。普通に、個人でも起きる。仕事でも、恋愛でも。

「なんかうまくいかないな」ってとき、

だいたいこのどれか入ってる。で、厄介なのが、本人はそれを“強み”だと思ってること。

優しさ、積極性、自信、人当たりの良さ。

全部いいことなんだけど、振り切れると、そのまま弱点になる。これ、前回の六韜とも繋がってくる。

あっちは「性格の偏り」が弱点になるって話だった。で、こっちは「判断の歪み」が崩壊を生む。

で、この二つ、実は分かれてない。むしろ、繋がってる。

性格が判断を歪めて、歪んだ判断が環境を変えて、変わった環境がさらに性格を固定する。……ループしてるんですよね。

で、このループに入ると、なかなか抜けられない。

なぜか。簡単で、

“自分が正しい前提で世界を見てるから”。

ここなんですよ。で、このあとどうなるか。さらに厄介な領域に入る。個人の話を超えて、

“環境そのものがズレを増幅する”っていう話。

つまり、自分だけじゃなくて、周りも巻き込んで崩れていく。まあ、組織とか国家の話になってくる。

ちょっとスケール上げますか。

ここからが、いわゆる“止まらないやつ”です。

このあたりで、いったん休憩を挟んでおく?
まだ続くけど、大丈夫かな。

……じゃあ、進めようかね。

ここまで読んできて、なんとなく気づいてる人もいると思うんだけど、

韓非子の「十過」って、なんかこう…全部ちょっとずつ“わかる”んですよね。

いやいや、自分はそんな愚かな判断しませんよ、とは言いつつも、

・身内をちょっと優遇したくなる気持ち
・目の前の利益を取りに行きたくなる衝動
・耳障りのいい話を信じたくなる安心感
・ちょっとくらい遊んでもいいでしょ、っていう緩み

どれもこれも、「完全な悪」じゃない。むしろ、人間として自然な反応なんですよ。ここがね、面白くて、ちょっと怖いところなんですよね。

たとえばさ、「佞臣の言葉を信じるな」っていうけど、これ現代で言い換えると、

“自分を否定しない人とばかり仕事するな”って話じゃないですか。

でもさ、正直、しんどいじゃん。(笑)

いちいち正論ぶつけてくる人より、「さすがですね!」って言ってくれる人のほうが、そりゃ一緒にいて楽なんですよ。

人間だもの。

で、気づいたらどうなるか。気持ちはいいけど、精度は落ちる。これ、怖くないですか。

逆に、ちゃんと耳が痛いこと言ってくる人って、だいたい“関係性”壊しに来るからね。(笑)いや、本人にそのつもりなくても。

でも韓非は、そこをバッサリ切るわけですよ。

「それでも聞け」と。「それを排除した瞬間、お前は終わる」と。

いや、厳しいって。(笑)でもね、これって裏返すと、

“組織が壊れるときって、だいたい空気が良い”ってことでもあるんですよね。

ギスギスしてる組織は確かにしんどいけど、ぬるすぎる組織は、静かに死んでいく。ちょうどいい緊張感って、まあ維持できないんですよ、人間は。

で、もう一個いこうか。

「内を量らず外に頼る」ってやつ。これもさ、めちゃくちゃ現代的で、たとえば、

・売上落ちてるから外注でなんとかしよう
・組織弱ってるけど、有名人と組めばどうにかなるでしょ
・自社の力ないけど、資本入れれば解決するでしょ

みたいなやつ。

いや、気持ちはわかるんですよ。でもね、これって構造的には、

“自分で立ててない人が、他人の肩に乗ろうとしてる状態”なんですよね。

で、これ何が起きるかっていうと、乗せてもらえればラッキーだけど、降ろされた瞬間に、立てない。

これ、恋愛でもあるよね。(笑)自分の軸ないまま相手に依存して、関係切れた瞬間、全部崩れるやつ。

いやほんと、ジャンル変わっても構造同じなんですよ。韓非って、恋愛の本書いてないはずなんだけどね。(笑)

で、ここまでくると、なんとなく見えてくると思うんですよ。

「十過」って、バラバラの注意事項じゃなくて、全部まとめると、

“自分の都合で現実を歪めるな”

って話なんですよね。

・見たいものだけ見るな
・信じたいものだけ信じるな
・気持ちいい判断を優先するな

いやもう、しんどいって。(笑)でもさ、逆に言うと、人間ってこれ全部やるんですよ。むしろ、やらないほうが不自然。

だから韓非の話って、「できてないやつはダメだ」じゃなくて、「やる前提で、それでもどう制御するか」なんですよね。ここ、めちゃくちゃ重要で。

完璧な人間になれ、じゃなくて、バグる前提で設計しろ、っていう話。これもう完全に“OSの話”なんですよ。

人間っていうソフトはバグるから、どうやって暴走させないか、っていう。

で、ここまで引っ張ってきて、たぶん次で一番大事なところに入るんだけど、

韓非ってさ、じゃあ最終的に何を求めてるのかっていうと、

「正しくあれ」じゃないんですよ。「強くあれ」でもない。

たぶんね、

“壊れないこと”なんですよね。

勝つかどうかより、優れてるかどうかより、まず“持続するかどうか”。これ、どこかで聞いた話じゃないですか。

……じゃあ、そろそろ、最後にまとめていきましょうかね。

ここまで散々いろいろ言ってきたけど、じゃあ結局、韓非が何を言いたかったのかって話なんですよ。

「十過をやるな」?

まあ、そりゃそうなんだけど、たぶんそれだけじゃない。むしろね、ここまで読んできて感じるのは、

「人間は十過をやる生き物だ」って前提に立ってるってことなんですよね。

つまり、気が緩むし、欲も出るし、楽なほうに流れるし、耳障りいい話も信じるし、都合のいい解釈もする。

全部、やる。

これ、否定してないんですよ、韓非は。

むしろ、「やるに決まってるだろ」くらいのテンションなんですよね。じゃあどうするか。

ここがね、ちょっと冷たいんだけど、めちゃくちゃ本質的で、

「それでも壊れない仕組みにしろ」って話なんですよ。

人を信じるな、じゃない。人は“ズレる”から、それでも回る構造を作れ、っていう。これね、優しさとか思いやりの話じゃないんですよ。

完全に設計の話。

たとえばさ、めちゃくちゃいい人が上に立ってて、部下思いで、優しくて、話も聞いてくれて、…で、組織が潰れること、あるじゃないですか。

逆に、

ちょっと冷たくて、合理的で、なんなら感じ悪いくらいなのに、なぜか回り続ける組織もある。どっちが正しいかっていうより、どっちが“残るか”って話なんですよね。

ここで、ちょっとだけ最初の話に戻るんだけど、ハンニバルってさ、やっぱり“人としては最高”なんですよ。

一緒に飯食って、最前線に立って、名前覚えてくれて、笑わせてくれて。いや、こんな上司いたら、ついていくでしょっていう。

でも結果どうなったかっていうと、勝ち続けたのに、残らなかった。

一方でローマは、別に一人のカリスマが全部引っ張ったわけじゃない。むしろ、ちょっと地味で、しつこくて、同じこと何回もやってくる、あの感じ。でも、負けても、壊れなかった。

で、最後は、そっちが残る。これね、たぶんなんだけど、韓非の言ってることと、ほぼ同じなんですよ。

つまり、

「すごい判断をしろ」じゃなくて、「やらかしても終わらない構造にしろ」っていう話。

で、ここまできて、ちょっとだけ現代に戻してみると、別に国家じゃなくてもいいんですよ。

会社でもいいし、チームでもいいし、なんなら個人でもいい。

たとえばさ、

気分で判断しても、致命傷にならない仕組み、あるか?

調子に乗っても、破綻しないライン、見えてるか?

誰かの一言で、全部ひっくり返る状態になってないか?

これ、全部「十過」の現代版なんですよね。

で、もうひとつだけ、ちょっと意地悪なこと言うと、

人ってさ、

“自分は大丈夫側”に立ちたがるんですよ。

あの人は佞臣(ねいしん)に騙されてるよね、とか、あの会社は短期利益ばっか追ってるよね、とか、言いたくなる。

でもね、だいたいそういうときって、

自分の中で同じこと起きてるんですよ。(笑)

スケールが違うだけで。だからたぶん、

十過って「他人を評価するリスト」じゃなくて、「自分のズレを検知するセンサー」なんですよね。

で、ここまで引っ張ってきて、最後なんだけど、結局のところ、リーダーがどうこうって話でもなくて、組織がどうこうって話でもなくて、もうちょっとシンプルで、

人間って、バランス崩す生き物だよねって話なんですよ。

強みはそのまま弱みに転ぶし、優しさは甘さになるし、合理は冷酷になるし、勇気は無謀になる。

で、その境目って、本人にはほぼ見えてない。だから、

「正しくあろう」とか「賢くあろう」とかじゃなくて、

たぶん必要なのは、

「ズレてる前提で、どう持ちこたえるか」なんですよね。

まあ、なんていうか、リーダー論でもなければ、戦略論でもなくて、ただの人間の話。

でも、その“ただの人間の話”を、ここまで徹底して構造で殴ってくるあたり、やっぱり韓非って、ちょっと性格悪いなと思うんですよ。(笑)……いや、褒めてますよ?ほんとに。

でもまあ、だからこそ残ってるんでしょうね。

ということで、今回も長々とやってきましたけど、結局のところはひとつで、

「うまくやる」より、「壊れない」を設計できるかどうか。

これに尽きるんじゃないかな、と。

まあ、偉そうに言ってますけど、じゃあお前できてんのかって言われたら、 

……ねえ?(笑)

ま、そのへんも含めて、人間ってやつは、なかなか面白いもんですよね。



追伸。

六韜と韓非子のこの「十過」。「人間は偏る」という話と、「人間は間違える」という話。

偏るから、間違える。間違えるから、さらに偏る。まあ、ぐるぐる回るやつです。

さて。あなたはいま、どっち側でズレてますか?

それとも、ズレていること自体に、まだ気づいていない側でしょうか。



追追伸

あのさー、YouTubeのおすすめに、突如ね、

「世界の終わりに柴犬と」

が出てきたんですよ。

ざっくり言うと、文明が崩壊して人類がほぼいなくなった世界を、女子高生と、やたら理屈っぽい柴犬が旅するっていう、まあまあ不思議な設定なんだけどね。

この「終末世界」っていう切ない前提を持ちながら、あそこまでコミカルでシュールに振り切ってくるの、ちょっと反則なんですよね。(褒めてます)(笑)

案の定、見事にハマりました。

SaaS開発そっちのけで、全話いきました。(大笑)

で、ぼんやり思ったんだけど、

ああいう世界観って、結局のところ、

「全部壊れたあとでも、何が残るのか?」

っていう問いなんですよね。

さっき、「壊れない」を設計できるかどうか、なんて話をしたけど、

もし、壊れたあとだったら。

さて、あなたは、そこから何を残しますか。

免責・著作権・利用に関するご案内
本記事の内容は、あくまで筆者個人の視点・価値観・思想にもとづく表現です。
 人生観や仕事観、対人関係などについての記述も含まれていますが、
 その実行・判断・解釈については、すべて読者様ご自身のご判断と責任にてお願い申し上げます。
また、この記事は文章技術や構成の試行を兼ねた創作表現の一環として執筆されたものであり、
 内容の正誤や実用性を保証するものではございません。
 ※そのため、特定の人物・団体・職業・考え方を非難する意図は一切ありません。
著作権・ご利用について
© 2026 知海かえる・秋月ひばかり
 無断転載・無断使用・無断改変を禁じます。
ただし、以下の行為は歓迎しております:
・本ページへのリンクやSNSでのシェア(引用を含む紹介)
・感想・紹介・考察などの投稿(ご自身の言葉でご紹介いただける場合)
一方、以下の行為はご遠慮ください:
・文章全体のコピーおよび再投稿(転載)
・本文の内容を無断で営利利用(販売・教材転用など)する行為
・筆者の意図を歪める形での改変および引用
必要に応じて、企業・教育関係者・メディア関係者の方で本記事の引用・利用を希望される場合は、
 事前にご一報いただけますと幸いです。
さいごに
読んでくださって、ありがとうございます。
 この言葉が、誰かの思考のきっかけや、小さな視点の転換になれば嬉しいです。 
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら