どうも、しみずです。
プロフィールで紹介させていただいているとおり、これまで数年程ケアマネをしてきました。
数々の利用者の方の支援を行ってきましたが、今日はその中でも強烈だった思い出をお話ししていこうと思います。
暇つぶしに覗いていってみてください。
※少々汚くてアレな話になります!!
苦手な方は戻ってください!!
『利用者のご自宅に訪問して鼻が召された話』
こちらの方は、包括から依頼を受けてご自宅に訪問しました。
事前にお話を受けた時に包括の方から言われた言葉がありありと思い出されます。
「事前面談引き受けてくださりありがとうございます。」
「大丈夫です!お時間とか待ち合わせの場所はどうしますか?」
と諸々の話し合いをした後に、包括の方が少し言いにくそうにして
「実はちょっと”アレ”なお宅なので、捨ててもいい靴下と服で来てください。」
「あ~…承知しました!」
実は私ケアマネをして感じたことですが、概ね4割は普通のお宅で
5割は片づけられていないお宅、
そして残り1割が『ヤバイお宅』でした。
包括の方の話しぶりから、今回は片づけができなかったお宅かな~と思い、いつもの使い捨て靴下と仕事着を着ていくことにしました。
そしてこの後自分の認識の甘さを恨むことになります😨
当日自宅の玄関に包括の方と一緒に着きました。
「あの…すみません今回は…」
何とも歯切れの悪い、申し訳なさそうな口調で謝られてしまい、逆にこちらがいたたまれなくなってきます。
「あ、大丈夫ですよ!」
私よりも少しだけ年上の佐藤さん(仮名)は、少しだけ笑ってご自宅の扉を開けました。
意外と玄関は普通でした。少々構えていったのですが、ちょっとだけ拍子抜けしてしまいました。
靴も5足くらい置かれているだけで、比較的片付けられている方でした。
ただ、異様な『臭気』だけを除いて
(め、目に沁みるうゥゥ――!!目が…‼目がぁぁああーー!!)
生ごみのような、嘔吐物のような、排泄物のような臭いに、立ち眩みと吐き気を覚えました。
無言で佐藤さんの方を見ると
『すみません!』
🙏とジェスチャーで謝っていました。
(事前に情報提供してくれ!!!)
部屋の奥から背が高めの、瘦せ型の男性が出てこられました。
ご本人と一緒に暮らしている50代の息子さんです。
「はじっめまして!●●センターからぎました!しみずでず!😇」
声を出すといよいよ吐き気がこみ上げますが、家主の前では絶対えずけない‼
と根性で耐えました。
まだ玄関の扉が空いている状態でこれです。
『この先、呼吸できるのか…?』
「わざわざ来てもらってすみません。どうぞ。」
息子さんは特別何も気にせずにサラッと答えて、居間の方まで案内されました。
当時はまだコロナが流行っていなかったので、マスクをせずにご自宅に行くことが普通でした。
なので当然私もマスクなどしていません。
苦笑いがばれたら失礼に当たるので、平静を装いながら歩きました。
『佐藤さん…マスクしてる…』
佐藤さんはマスクをしていました。ちょっとだけ恨めしい気持ちになりました。
居間に通されて、においの原因の一つが分かりました。
『居間にポータブルトイレ……』
ポータブルトイレとは、持ち運びできるトイレの事です。介護の業界では非常によく利用されるものです。
しかし、それを居間にというのは、かなり珍しいです。
居間のふすまを開けて向こう側の和室に、本人が眠っているのが見えます。
ただベッドには衣類やタオル、布団などが積み重なりすぎて、そのベッドはかなり狭そうに見えました。
「父はまだ寝ているので…」
と息子さんから説明がありました。
新鮮な空気も既に使い果たし、覚悟を決めて話をします。
これまでの事や、これからの事、困っている事などを確認しました。
どうやらご本人のお世話をしていた奥様が、急病で亡くなってしまい、引きこもりであった息子様と本人とが一緒に暮らしているようでした。
「それで、今一番困っている事とは何でしょうか?」
きっと掃除ができない事じゃないかな~
と高をくくっていましたが
「あ、ご飯を買ってきてほしいんです。俺あんまり出かけたくないし」
ええ…
「掃除とかは困ってないので大丈夫です。お金かかるし」
えええ…
「入浴ですか?別に入らなくても死なないから…。父に「入れば~」っていうけど嫌がるのでほっといてます。母が亡くなってから入ってないと思います。」
ええええ~…
※奥様は1年前くらいに亡くなられました。
その時台所の方から
バッタンダダダ―――!!
と何かが走り去ったような音がしました。
「えっと、今のは…?」
「あ、普通のネズミだと思います」
普・通・の・ネ・ズ・ミ・と・は🐭
冷や汗と、目に染みるにおいを何とか我慢して必要な最低限の聞き取り行い、少々自宅内の中を確かめさせてもらいました。
予想通り台所は生ごみがミッシリ詰まっていました
まだ春先だというのに丸々と太ったハエがブンブンと元気に羽音を鳴らしていました。
カップラーメンの食べ残しや、惣菜のタッパー、
いつ買ってきたのか不明な生魚や貝などの海産物が放置されていました。
「こ…の魚(?)は…」
「あ、あとで食べようと思ってるんでそのままで大丈夫です。」
あとで食べようと思ってるっっ!!!???
「な、なんかドロッと内臓?が出てるし臭いもあるから、賞味期限(???)切れてると思うし、食べれないかもですよ~~💦」
「じゃあ後で片づけるのでそのままでいいです」
内臓が破れてドロッと茶色いものが出ている魚や、ピンクと白に変色してタッパーの中でもはや半分液状化している物体もありました。
※ちなみにムール貝が入っていた袋は、風船のようにパンパンになっていました。
状況はあまりにも悲惨でしたが…基本的にケアマネは、ご本人の支援に来ているので、ご家族の意思に関しては口を出さないことは私の中では鉄則です。
とりあえず仕事を終わらせない事には、ここから出ることはできないので、
頭を切り替えて、寝ているというご本人のところへ行きました。
「〇〇さんこんにちは~、●●センターから来たしみずです~」
狭いベッドに身体を縮めて寝ていたらしいご本人も声掛けに何とか起き、こちらを見て返事してくださいます。
「どうもどうも、あんだ神様?」
少しだけ驚いた様子で、片手をあげてくれました。ご本人はハキハキと喋る方でした。
「●●センターから来たしみずですよ~!始めまして」
「かけまくもかしこきいざなぎのおおかみ かしこみかしこみももうす」
???
「あ、父は昔神官だったので。」
えええーーー!!
一度祝詞(のりと)を唱えはじめると、1時間くらいは平気でしゃべり続けるとのことであったので、とりあえずその場で拝み続けるご本人に挨拶をし、後日事業所との調整に伺うことを話しました。
「これで一通り説明をさせていただきました。あとは、何か確認する事はありますか?」
最後の最後で衝撃の一言がありました。
「そういえば、このポータブルトイレって、中身どうすればいいんですか?」
「えっ…」
普通はポータブルトイレは1回使ったら1回ごとに処分します。
先ほどから右側に置かれていたポータブルトイレが異様な雰囲気を放っているなとは思っていましたが…
「そ、れはどういう…」
「もう入らなくなってしまったので」
な・に・が・?
卒倒しそうになったのを気合で踏ん張り、何とかこらえました。
じゃあ、あのポータブルトイレの中身って……
佐藤さんを見るとフルフルと首を横に振っていました。
『む・り・で・す』
いや、私も無理だが???
「…」
「…」
誰も話さなくなってしまったので、嫌々口を開きます。
「えっと…、既に中身がいっぱいということですかね…?」
「あ、はい」
ニチャっと笑いながら、こちらの様子を伺う息子さんの行動にカチンときました。
「(この人、楽しんでるな……)」
わりと利用者のご家族に多いのですが、こちらがアタフタしている所を面白がって来る人は一定数います。
断るのもなんだか負けた感じがして嫌だったので腹を決めてふうと一息つきました。
ガバッ!!
ポータブルトイレの蓋を開けたら、そこには息子さんの言う通り排泄物がなみなみと入っていました。
蓋の裏にもびっしり排泄物がついている他、よくわからない虫が蠢いていたり、蓋の裏にもウゾウゾと這っていました。
すぐに蓋を閉め、平静を装って業務的に一気に話しました。
一線を越えると人間逆に冷静になるものです。
「さすがにこれは、ここでは片づけれません。衛生状態的にも良くないので、後で速やかに片付けた方がいいと思います」
「はあ…」
「そして、排泄物を片付けるのは、介護保険外なので申し訳ないですが息子さんか、無理であれば会社等のサービスを利用して破棄するようにしてください」
「…」
息子さんが少々驚いたような顔で黙ってしまいました。どうやら片付けてほしかったようですが、さすがにこれは業務外です。
その後必要なことを全て申し送り、ご自宅を後にしました。
外は少しだけ雨が降っていました。
「あの、ありがとうございました…」
佐藤さんからお礼の言葉をいただきました。
「ヘルパーさんたちと協力して掃除等もできますが、取り急ぎあのポータブルトイレだけは息子さんか、業者さんにお願いして片付けてもらってください。そうでないとちょっとヘルパーさんたちの事業所も厳しいと思うので。」
「それは、そうですね…。本当にすみません…。」
なんとなく言葉を交わしにくい雰囲気になってしまいました…
「家の最低ラインまでの片づけは息子さんにも行ってもらいますので、また後程連絡します。」
と最後に笑顔を見せて去って行った佐藤さん
『私も帰るか…』
と事務所に戻りました。
クラクラする頭と、吐き気の名残を感じながらやっと事業所につきました。
そこで同僚たちから
「お疲れ様でー……す…ん??…くっっっっっさ!!!!!えっ!!!!!???
くっっっっっさ!!!!!!!!!」
「ちょwww、どうした!!!!?漏らした⁉」
「ウ〇チのにおいするんだけど!!!くっっっさ!!!!!!」
「なんでこんなひどい臭いするの~wやばいよ~ww」
「あ、ちょっとこっち来ないでくれる?(真顔)」
一応着ていたものは全て着替えてこのザマです。
すぐシャワーを浴びてくるように言われ、この日は一旦中抜けをしました。
※ちなみにこの日は昼食前に行ったのですが、食欲を完全に喪失し2㎏落ちました。
その後、佐藤さんからポータブルトイレを片付けるのにお金を払いたくない、台所は片付けたくないとごねる息子さんを何とか説得して片付けてもらったと連絡を受けたので(詳細は省きますが、佐藤さんもげっそりしていました)、少し後に担当することになりました。
それから先もこの息子さんに振り回されることになるのですが、それはまた別の話で…
ずいぶん香ばしい話になってしまいました😌
次はもう少しキレイな体験談を書こうと思います🌸
失礼しました。
おまけ
社用車に次に乗ったのが、私たちのセンターの管理者でした。
「しみずさん…正直に答えてほしい…」
「ハイ?(ごくり)」
「……車で…その…何かした?えっと…、怒ったりしないから…正直に教えてほしい…」
このあと必死で状況を説明しました!!!
※車から出た後にファブリーズはしたのですが、まだ残っていたようです!!
恐ろしい…