逆境や挫折からの脱却

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コラム
数日ぶりのブログです。
少々体調を崩し書くことができませんでしたが、だいぶ回復してきたのでこうして書かして頂いています。

さて、早速ですが2014.01.24.深夜にEテレで放映された「白熱教室海外版“幸福学”」で放映された内容を、私なりに解釈しつつ紹介したいと思います。

ここで私が注目した手法は「中小企業診断士」や国際標準化機構「ISO規格」(International Organization for Standardization)の状況分析に用いられている『マジメネント・サイクル』です。
この『マジメネント・サイクル』は、企業人の方や管理職経験者の方には、とても馴染みのある手法ですが、今回はビジネスシーンで活用するのではなく、日常の生活において『マイナス思考』に陥りやすい方に有効的な活用をすることを念頭に、進めてみたいと思います。
表題にある様に『逆境や挫折からの脱却』を達成するにはどうすればよいのか。心理学や哲学でも諸説ありますが、私個人の考えでは『マジメネント・サイクル』を応用して、日常生活を見直すのが良いのではないかと感じています。
『マジメネント・サイクル』を実行するにあたり、必要不可欠なことがあります。それは「客観的視点でみる」ということです。
そこで、まずは「客観的」とは、どの様なことなのか。改めて考えてみたいと思います。
“「客観的」とは、当事者ではなく、第三者の立場から観察し、考えてみること。また、その考え方でみる。”
というのが、辞書などで書かれている内容です。要するに「自分という存在を離れた場所から、まるで他人を観察する」ようにするといったところでしょうか。いまいち分かりにくいかと思いますので、もう少しわかりやすくイメージしてみましょう。
よく「臨死体験」などを経験した人が言う内容で「自分がベッドで寝ていて、その状況を上から見ている」などといった話を聞いたことがあるかと思います。
幽体離脱.png

自分は確かにそこにいて、その自分を全く違う位置(立場)から観察している。これが「客観的」です。

まずは、図をみて下さい。これが『マジメネント・サイクル』を簡単に表したものです。
PDCA.jpg

ビジネスシーンでは、経営を管理する活動の一連の流れとして活用されているものです。企業が活動するにあたって、
☆計画(Plan)する。
☆実行(Do)する。
☆その結果を評価(Check)する。
☆評価を踏まえて活動を修正・見直し(Action)する。
この一連の流れの頭文字をとって『PDCAサイクル』とも呼ばれています。
余談ですが、この考え方はデミング(W.E.Deming 1900~1993)という「品質管理の父」と呼ばれるアメリカの統計学者が考案したものです。『サイクル』ですから、どこから始めても良いのですが、今回のテーマ“逆境や挫折からの脱却”をこの『サイクル』に当てはめると次の様になります。
“逆境や挫折”は「その結果を評価(Check)する」から導き出された答えとなります。そして“脱却”は「評価を踏まえて活動を修正・見直し(Action)する」ということになります。
まず最初にしなければならないのは“逆境や挫折”を受け入れるということから始まります。とは言っても「それが出来たら苦労しない」「出来ないから苦しんでいるんだ」というのが大半の意見だと思います。どんな人でも「辛いこと」は必ず起こります。しかし、それは誰もが乗り越えることが出来るのです。
【嫌な気分ともうまく付き合う=困難を受け入れる】
大抵の人は「嫌なこと」が起きると、そのことを忘れようとしたり、別のこと(楽しいこと)をし、気持を切り替えようとします。しかし、今回はその様に「回避」のではなく、まずは『事実は事実』として「素直に受け入れ」「客観的に分析する」という作業を行います。これは、マイナスな感情をコントロールし柔軟に対応することが出来るようになる訓練でもあります。
では、具体的に「どの様にして逆境や挫折を克服」すればよいのでしょうか。
ここで、一人の研究者を紹介します。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、前野隆司教授です。この教授の著書「幸せのメカニズム(実践・幸福学入門)」からの引用です。
“「なぜ自分は逆境や挫折を感じているのだろうか」と「もう一人の自分が上の位置から見下ろし観察してみる」”
これは【メタ認知】といわれる手法です。
客観的に物事をとらえる.jpg

別の表現で表すと「辛い」と感じる自分を「客観的」にみる行為ということです。
例えば、仕事でミスをしたとします。これにより「苦悩する自分」を「客観的にとらえ直す」ことで、その「苦悩」を受け入れることに繋げます。
【メタ認知】を行うことで人間は冷静になる事ができ、“逆境や挫折”を耐えられる体質に変わることが出来るというのです。
具体的には「どうして自分は苦悩しているのか」を冷静に分析(その結果を評価(Check)する)することで「気持ちを整理する」ことができ、それにより「対処」「対策」(評価を踏まえて活動を修正・見直し(Action)する)が見えてくるようになるのです。「評価を踏まえて活動を修正・見直し(Action)する」ことが出来ると、次のステップに進むことが出来ます。それが「計画(Plan)する」です。「対処」「対策」を行うこと。それこそが「計画(Plan)する」に当たります。そして、それを実行に移す。これが「実行(Do)する」です。
『PDCAサイクル』ですから、「実行(Do)する」ことによって、新たな「その結果を評価(Check)する」が発生します。

この繰り返しこそが、“逆境や挫折からの脱却”へと繋がるのです。では、“逆境や挫折”とはいったい何なのでしょう。
“逆境や挫折”の正体は、次の様なことと考えられています。私達の心には「快適」か「不快」かという二つの感情があります。“逆境”は、心理学的に言うとまさしく「不快」に当たります。“逆境”を受け入れるということは、この「不快感」を受け入れることであり、「不快感」に慣れ耐える力をより強くするということなのです。もう少しわかりやすい例えで解説してみましょう。
ネットで「快適」と「不快」を画像検索してみます。すると、次の様な画像がヒットします。
「快適」
快適.jpg

「不快」
不快.jpg

ここで、感じとって頂きたいのは「快適」とは外的要因によってもたらせることであって「不快」とは内的要因によってもたらせることだということです。このことから分かることは「不快」とは“自分の主観的な感情”だということです。さて、もう少しわかりやすい例えを使って説明してみたいと思います。
かの有名なハムレットの言葉。
“生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ。”
実はこの言葉の後に、「快適」と「不快」をイメージさせられる言葉が続きます。
“理不尽な運命に耐え忍ぶのと、剣を取って困難に立ち向かうのと、どちらが気高い生き方なのか”
これは、起きたことに苦しむのか、起きたことを受け入れるのか。「不快に負けないでコントロールするのか、それとも不快を受け入れるべきか」
「快適」とは、【剣を取って困難に立ち向かうこと】→外に向かって行動する
「不快」とは、【理不尽な運命に耐え忍ぶこと】→内にこもって行動する
これらのことから分かることは、【“逆境や挫折”とは、心を内向きにし「閉塞感」や「理不尽」を感じる】ということなのです。

人間は、誰しも“逆境や挫折”といった「不快感」を経験する生き物です。しかし「客観的」に「冷静」に分析してみてください。どんな“逆境や挫折”があっても、それだけが自分を支配していることはないのです。必ず「快適感」や「幸福感」というものが常に存在しています。
ただ、「不快感」にばかり捕らわれてしまい、せっかく持っている「快適感」を見いだすことが出来なくなる。それこそが、“逆境や挫折”に屈するということなのです。

【“逆境や挫折”に屈することなく冷静に自己分析し「対処」「対策」を練り実行する。】
そうすることで『逆境や挫折からの脱却』を達成することが出来るのだと思います。
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