こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
令和6年4月1日から相続登記が義務化されたことを受けて、司法書士への相続登記の依頼が増加しています。私も頻繁に依頼を受けるようになっています。
ところで、司法書士であれば誰でも相続登記ができるかというと、そうではないというのが現実です。
医者の例でいえば、外科や内科、精神科などに専門分野が分かれていますね。
同じく、司法書士の場合も各々の得意分野があります。
例えば、債務整理の経験しかない司法書士の場合、相続登記を含めた不動産登記や商業登記については無知というのが実際のところです。
また、相続登記を手掛けている司法書士であっても、相続税や譲渡所得税のことまで考慮せずに登記をしている司法書士も散見されるところです。
私は税理士や不動産業者とも連携する形で仕事をしていますが、他の司法書士によって相続登記がなされた不動産を売却する段になって、「なぜこの人の名義に相続登記をしたのか」と疑念を抱くことがあります。
以下、具体例で説明します。
居住用不動産についての3000万円控除の特例というものがあります。
居住用不動産を売却した場合、売却利益3000万円までは譲渡所得税が非課税になるというものです。
父母が父親名義の自宅に同居していて父親が亡くなったとします。
そして、母が高齢なため、母が亡くなった際の相続登記の手間を省くため、息子の名義に相続登記したとします。息子は独立して居宅を構えています。
数年後に母親が亡くなり、息子は実家に戻るつもりはないので、実家を売却したとします。結果、父親が実家を購入したときよりも高い価格で売却できて売却利益が出たとします。
この場合、息子が居住していた不動産の売却には当たらないため譲渡所得税は控除されず、ケースによっては多額の税金を納めねばならないことになります。
一方、実家を息子の名義ではなく母親の名義に相続登記していた場合はどうでしょうか。
この場合は、母親が居住していた不動産を売却することになり、居住用不動産についての3000万円控除の特例が使えることになります。
つまり、売却利益が発生したとしても、利益額が3000万円を超えることは稀ですので、譲渡所得税を納める必要はほぼないということになります。
以上は一例ですが、相続登記に際しては相続税や譲渡所得税についても考慮しなければならないケースも少なくないということです。
相続登記を検討している方も多いと思いますが、司法書士に相続登記を依頼する場合は、税金のことも考慮したうえで登記をしてくれるか、注意する必要があります。