子どもの共感力と効果的なアプローチ

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相手の気持ち、いつから考えられるようになる?
子どもには、まわりの人の気持ちを思いやれる優しい子に育ってほしい。そう願う親御さんや先生方は多いことでしょう。
そんな思いから、日々の関わりの中で
「もし〇〇ちゃんが叩かれたらどう思う?」
「お友達はどんな気持ちになると思う?」
といった声かけをしている方も多いのではないでしょうか。
でも実は、「相手の立場に立って考える力(共感力)」は、子どもの成長とともに段階的に育っていくものです。

共感の芽生えと発達
小さな子どもでも、誰かが悲しんでいるのを見て心配したり、一緒に悲しい顔をしたりする姿は見られます。これは共感の兆候ですが、相手の心の状態を本当に理解する能力は、時間をかけてゆっくりと発達していきます。一般的に、相手の気持ちを具体的に考えられるようになるのは、小学校に入ってからと言われています。
他者の視点に立って物事を深く考えられるようになるのは、特に小学3年生ごろから本格的になります。いじめの問題や道徳の授業で、被害者の気持ちを考えるといったテーマがこの時期から本格的に扱われるようになるのも、このような子どもの発達段階に合わせたものです。
しかし、この段階でもまだ共感力は発達途上です。複雑な状況で一貫して相手の立場に立つことができるようになるのは、小学校高学年になってから、より洗練されていく傾向にあります。

幼児期に「お友達の気持ち」は難しい
こうした発達段階を踏まえると、未就学児に「お友達を叩いたらどんな気持ちになると思う?」と尋ねても、きょとんとしたり、表面的な答えしか返ってこなかったりすることがよくあります。この年齢では、抽象的な概念を完全に理解し、他者の感情を想像する認知・感情的な発達がまだ追いついていないためです。このような質問をしても、行動や理解に与える効果は薄いでしょう。

幼い子どもには「身近な人」の気持ちで考えさせてみよう
では、幼い子どもに共感を育てたいとき、どうすればいいのでしょう?
それは、「お友達の気持ち」という遠い他人ではなく、子どもにとって感情的につながりの強い存在を使って問いかけることです。
たとえば、こんなふうに聞いてみてください。
「もし、お母さんが叩かれたら、どんな気持ちになると思う?」
すると多くの子どもは、
「ママ、痛いって言うと思う」
「ママ、悲しいって言うかも」
など、ぐっと具体的で感情のこもった返事をしてくれるはずです。
これは、自分と感情的につながっている相手だからこそ想像できること。「自分の行動」と「大切な人の反応」が結びついて、初めて行動の意味を理解し始めるのです。

まとめ:共感力は、ゆっくりと育つもの
子どもが「相手の気持ちを考えられない」ように見えても、それは思いやりがないわけではありません。ただ、まだその力が発達の途中なだけなのです。
だからこそ、私たち大人は、その子の発達段階に合った関わり方を意識していくことが大切です。
「相手の立場になって考えてごらん」と伝える前に、
「この子にとって想像しやすいのは誰の気持ちだろう?」と一度立ち止まってみてください。
それが、子どもの共感力をゆっくり丁寧に育てていく第一歩になるはずです。

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