意識と無意識の仕組みを理解すると人生が変わる なぜ私たちは「分かっているのにできない」のか

意識と無意識の仕組みを理解すると人生が変わる なぜ私たちは「分かっているのにできない」のか

記事
コラム
はじめに

多くの人が人生のどこかで、次のような経験をします。

ダイエットをしようと決めたのに続かない
怒らないと決めたのに怒ってしまう
朝早く起きようと思ったのに二度寝してしまう
本を読もうと思ったのにスマホを見てしまう
人に優しくしようと思ったのに感情的になってしまう

そしてそのたびに、

「自分は意志が弱い」

「なんで私はできないんだろう」

「また失敗した」

と自分を責めます。

しかし本当にそうでしょうか。

本当に意志が弱いのでしょうか。

本当に努力が足りないのでしょうか。

実はそうではありません。

多くの場合、
問題は努力不足ではなく、

意識と無意識の仕組みを知らないこと

にあります。

人は自分の行動を意識でコントロールしていると思っています。

しかし実際には、
人生のほとんどを無意識が動かしています。

そして私たちは、
その無意識の働きをほとんど知りません。

だから苦しくなるのです。

だから変われないのです。

だから自分を責め続けてしまうのです。

第一章
人間は意識で生きていない

まず理解したいことがあります。

私たちは

「自分で考えて行動している」

と思っています。

しかし脳科学や心理学の研究を見ると、
実際は違います。

人間の行動の大部分は、
自動化されています。

歩く

話す

食べる

呼吸する

字を書く

車を運転する

人との接し方

感情の反応

これらのほとんどは、
無意識によって行われています。

もし毎回、

右足を出そう

次は左足だ

呼吸しよう

瞬きをしよう

と意識していたら、
一日も生きられません。

だから脳は、
重要な働きを自動化しています。

つまり、

人生の大部分は無意識によって運営されている

のです。

氷山の例

よく意識と無意識は
氷山に例えられます。

海面の上に見えている部分。

それが意識です。

しかし海の下には、
巨大な氷の塊があります。

それが無意識です。

私たちが見ている自分は、
ほんの一部に過ぎません。

本当に大きな力は、
見えない部分にあります。

なぜ無意識が必要なのか

無意識の最大の目的は、

生存

です。

生き残ること。

危険を避けること。

命を守ること。

それが無意識の最優先事項です。

幸せになることよりも

成功することよりも

夢を叶えることよりも

まず生きること。

だから無意識は常に

安全

安心

現状維持

を選びます。

第二章
無意識はあなたの敵ではない

多くの人は、

怒り

不安

恐怖

嫉妬

落ち込み

先延ばし

を敵だと思っています。

しかし本当は違います。

それらは全て、

あなたを守ろうとする無意識の働き

です。

怒りの本当の役割

怒りは悪者ではありません。

怒りは、

「大切なものが傷ついている」

というサインです。

例えば、

子どもが危険なことをした。

怒りが出る。

それは守りたいからです。

部下がルールを守らない。

怒りが出る。

それは組織を守りたいからです。

怒りそのものが問題ではありません。

怒りに飲み込まれることが問題なのです。

不安の本当の役割

不安も同じです。

不安は未来を予測する能力です。

不安があるから、

保険に入る。

準備をする。

確認する。

改善する。

つまり不安は、

危険察知システムです。

心配性の事例

ある銀行員の方がいました。

「私は心配性なんです」

と言います。

しかし話を聞くと、

20年間ミスゼロ。

つまり、

心配性だったからこそ
確認を徹底していたのです。

問題だったと思っていた性質が、

実は能力でした。

この瞬間、

無意識への見方が変わります。

第三章
なぜ変わりたいのに変われないのか

ここが重要です。

意識は言います。

「朝5時に起きよう」

「運動しよう」

「勉強しよう」

「怒らないようにしよう」

しかし無意識は言います。

「寒い」

「疲れている」

「面倒だ」

「危険だ」

「今のままでいい」

すると衝突が起こります。

綱引き状態

意識と無意識は、

しばしば綱引きをしています。

意識

「挑戦したい」

無意識

「失敗したらどうする」

意識

「人前で話したい」

無意識

「恥をかいたら危険」

意識

「起業したい」

無意識

「収入が減ったら危険」

だから動けない。

意志が弱いのではありません。

無意識が守ろうとしているのです。

第四章
無意識は過去で未来を判断する

無意識には特徴があります。

それは、

過去を基準に未来を予測する

ことです。

例えば、

小学生の頃に発表で笑われた。

すると無意識は学びます。

「人前は危険」

その後、

大人になっても緊張します。

なぜでしょう。

今は危険ではありません。

しかし無意識は、

昔の記憶を使って未来を予測しているのです。

セカンダリーゲイン

変わりたいのに変われない時、

そこには隠れたメリットがあります。

これをNLPでは

セカンダリーゲイン

と言います。

例えば、

ダイエットできない。

その裏には、

食べることで安心できる

という利益があるかもしれません。

転職できない。

その裏には、

今の会社にいる安心感

があるかもしれません。

無意識は利益を守ります。

だから変化を拒むのです。

第五章
無意識は急な変化を嫌う

無意識は現状維持を好みます。

だから

明日から毎日3時間勉強する

毎日10km走る

毎日5時起床する

こうした目標は失敗しやすい。

なぜなら、

無意識が危険だと判断するからです。

習慣化の本質

習慣化とは、

意思力ではありません。

無意識との交渉です。

無意識に

「これは安全だ」

と思ってもらうことです。

だから、

小さく始める。

1ページ読む。

1分歩く。

腕立て1回。

これが強い。

第六章
感情は自動反応である

ここは非常に重要です。

怒り

悲しみ

不安

焦り

恐怖

これらは意識で選んでいません。

勝手に出てきます。

怒ろうと思って怒る人はいません。

不安になろうと思って不安になる人もいません。

感情は、

無意識が発するメッセージです。

感情を人格化する

感情に飲み込まれる人は、

感情=自分

になっています。

しかし実際には違います。

私は怒りではありません。

怒りという感情があるだけです。

私は不安ではありません。

不安という感情があるだけです。

これは

インサイド・ヘッド

の考え方に近い。

感情は乗組員です。

あなた自身ではありません。

第七章
メタ認知が人生を変える

感情の中にいる状態。

感情を見る状態。

この違いは巨大です。

怒っている状態


怒っている自分を見ている状態

不安の中にいる状態


不安を観察している状態

この移行を

メタ認知

と言います。

メタ認知とは、

自分を客観視する能力です。

怒りを感じても、

「怒りが来ているな」

と見られる。

不安を感じても、

「不安が出ているな」

と見られる。

すると巻き込まれません。

第八章
客観視の力

健康診断を考えてみてください。

自分の体は自分では見えません。

だから健康診断が必要です。

心も同じです。

自分の思考は見えにくい。

自分の思い込みは見えにくい。

だから客観視が必要です。

NLPのディソシエイト

自分を見る。

さらにその自分を見る。

というワークがあります。

すると感情から距離ができます。

怒りの中から、

怒りを見る位置へ移動できます。

これが感情コントロールの本質です。

第九章
自分を責めなくなる

無意識を理解すると、

人生最大の変化が起きます。

それは、

自分を責めなくなることです。

怒ってしまった


私はダメだ

ではなく


エネルギーが不足していた

になる。

先延ばしした


意志が弱い

ではなく


無意識が守ろうとしていた

になる。

見方が変わるだけで、

人生は大きく変わります。

第十章
意識と無意識を調和させる方法

ではどうすればよいのでしょう。

①まず気づく

変えようとしなくていい。

まず気づく。

怒っている。

不安がある。

怖がっている。

それを認める。

②否定しない

感情を敵にしない。

怒りにも役割がある。

不安にも役割がある。

心配にも役割がある。

③小さく始める

無意識は急変を嫌う。

だから小さく始める。

④成功体験を積む

無意識は証拠を集める。

できた。

続いた。

達成した。

その記録が重要です。

⑤未来より今を見る

無意識は現在しか理解しません。

だから

人生を変える

ではなく

今日1分やる

です。

第十一章
習慣化の本質

習慣化とは、

根性ではありません。

気合いでもありません。

精神論でもありません。

無意識との信頼関係です。

無意識に

「大丈夫だよ」

「危険じゃないよ」

「少しずつでいいよ」

と伝えること。

その結果、

抵抗が減ります。

努力感が減ります。

自然に続きます。

第十二章
普遍意識への成長

さらに深い視点があります。

無意識を理解することは、

単に習慣化のためではありません。

人間理解のためです。

自分にも無意識がある。

他人にも無意識がある。

怒っている人も、

守ろうとしている。

不安な人も、

守ろうとしている。

批判する人も、

守ろうとしている。

そう見えるようになると、

人への見方が変わります。

敵が減ります。

責めることが減ります。

理解しようとします。

これはリーダーシップにも通じます。

人を変えようとするリーダーから、

人を理解しようとするリーダーへ。

問題を見るリーダーから、

可能性を見るリーダーへ。

部分を見るリーダーから、

全体を見るリーダーへ。

その時、

視野は広がり、

偏見は減り、

創造性は高まり、

組織全体を考えられるようになります。

おわりに

人生の多くの悩みは、

能力不足ではありません。

努力不足でもありません。

意志の弱さでもありません。

多くの場合、

意識と無意識の関係を知らないだけです。

無意識は敵ではありません。

あなたを守り続けてきた最大の味方です。

怒りも、

不安も、

迷いも、

先延ばしも、

すべて何らかの目的を持って現れています。

大切なのは、

それらを排除することではなく、

理解することです。

意識は未来を指し示す司令塔。

無意識は人生を支える巨大なエネルギー源。

この二つが対立している時、人は苦しみます。

しかしこの二つが協力し始めると、人は驚くほど自然に変化します。

無理に自分を変えようとしなくてもいい。

まずは気づくこと。

そして理解すること。

「なぜ自分はそう反応したのだろう」

「無意識は何を守ろうとしているのだろう」

そう問いかけることから始まります。

その瞬間から、自分との戦いは終わり、自分との対話が始まります。

そして人は、自分を責める人生から、自分を活かす人生へと歩み始めるのです。
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