『悪魔を出し抜け!(Outwitting the Devil)』に収録されている ナポレオン・ヒルと悪魔との対話

『悪魔を出し抜け!(Outwitting the Devil)』に収録されている ナポレオン・ヒルと悪魔との対話

記事
コラム
全体概要

『思考は現実化する』が

「成功するにはどう考えるか」

を教える本だとすると、

『悪魔を出し抜け!』は

「なぜ人は成功できないのか」

を教える本です。

ヒルは悪魔をインタビューするという形式を使い、

人間を支配する仕組みを暴いています。

もちろん実際の悪魔ではなく、

人間の恐れ
怠惰
思い込み
無意識
社会的洗脳

を象徴する存在として描かれています。

悪魔の正体

ヒルが最初に聞いた質問は、

「お前は誰だ」

です。

悪魔は答えます。

私は人間の心を支配している。

しかし武力ではない。

恐怖によってだ。

悪魔は次のような恐怖を使うと言います。

貧困への恐怖
批判への恐怖
病気への恐怖
老いへの恐怖
死への恐怖
愛を失う恐怖

この考え方は後の成功哲学の基礎になりました。

最大の概念「漂流者(Drifter)」

本書最大のテーマです。

悪魔は言います。

私が最も支配しやすい人間は

漂流者

である。

漂流者とは

自分で考えない人

です。

例えば

テレビを見続ける

SNSを見続ける

周囲の意見に流される

会社の常識に従う

親の価値観のまま生きる

世間の空気で決める

こうした人です。

反対に悪魔が最も嫌う人は

非漂流者

です。

自分で考える人。

目的を持つ人。

信念を持つ人。

自ら選択する人。

です。

学校教育への批判

ヒルは悪魔に聞きます。

どうやって人間を支配するのか。

悪魔は答えます。

私は幼い頃から教育を利用する。

悪魔は

暗記中心

従順さ重視

権威への服従

失敗への恐怖

を植え付けると言います。

ここでヒルが言いたいのは

教育が悪い

ではありません。

考える力を失った教育が危険

ということです。

習慣の力

悪魔は興味深いことを言います。

私は習慣を利用する。

一度同じ行動を繰り返せば、

人間は自動操縦になる。

すると支配が簡単になる。

逆に成功者は

習慣を自分で選ぶ。

漂流者は

習慣に選ばれる。

これは習慣化コーチングそのものです。

あなたが習慣化実践塾で伝えている

環境

感情

目標

エネルギー管理

はまさに

無意識を味方にする方法

です。

人生の目的

悪魔が最も恐れるもの。

それが

明確な人生目的

です。

ヒルは何度も聞きます。

なぜ目的がある人を支配できないのか。

悪魔は答えます。

目的がある人は

自分で考えるからだ。

目的は単なる目標ではありません。

人生の方向性です。

例えば

家族を幸せにしたい

社会に貢献したい

教育を変えたい

組織を良くしたい

というものです。

自己規律

悪魔が嫌うものの一つが

自己規律

です。

面白いことに、

ヒルは規律を

自由を失うこと

とは考えていません。

むしろ逆です。

感情に支配されない

誘惑に流されない

恐怖に支配されない

という意味です。

あなたがよく扱う

王様
御者
馬車

で言えば、

王様が目覚めている状態です。

馬(感情)が暴れても、

王様が方向を決める。

失敗の意味

悪魔は失敗を恐怖に変えます。

しかしヒルは言います。

成功者は失敗を学習に変える。

NLPでいうなら

失敗はない

フィードバックがあるだけ

という考え方に近いです。

思考の支配

本書の核心です。

ヒルは最後に

人間を支配する方法は何か

と尋ねます。

悪魔は答えます。

私は人間の思考を支配する。

人間は

現実によって苦しむのではない。

現実の解釈によって苦しむ。

これはNLPの前提にも通じます。

地図は領土ではない。

人は現実に反応しているのではなく、

現実の解釈に反応している。

天使とは何か

実は本書には明確な「天使」は登場しません。

しかし悪魔との対話の中で、

天使的な力が浮かび上がります。

それは

自己認識
自己規律
勇気
信念
人生目的
主体性

です。

コーチングとの共通点

この本をコーチングの観点から読むと非常に面白いです。

悪魔の支配とは、

無意識の自動運転です。

例えばクライアントが

私は続かない

私はネガティブ

私は怒りっぽい

と言う。

しかしメタモデルで深掘りすると、

本当にそうなのか?

例外はないのか?

いつからそう思ったのか?

となります。

すると

「私は続かない」

ではなく

「一人でやることが続きにくい」

だったりします。

ヒルが言う漂流者とは、

自分の思い込みを事実だと信じている状態です。

コーチの役割は、

その催眠から目覚める手伝いをすることです。

本書の本質

『悪魔を出し抜け!』の本質は、

悪魔と戦うことではありません。

恐怖をなくすことでもありません。

怠惰を消すことでもありません。

本質は、

「自分で考え、自分で選択し、自分で生きること」

です。

ナポレオン・ヒルは悪魔との対話を通して、

人間最大の敵は外側にいる敵ではなく、

無意識に流され続ける自分自身であることを示しました。

そして悪魔が最も恐れる存在は、

知識がある人ではなく、

学歴がある人でもなく、

強い意志と明確な目的を持ち、自らの思考を観察できる人だと語っています。
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