【文章作法・白黒をハッキリとつける】参考文型問題の書き方

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(1)小論文の学力は読解力が基本




 大学入試小論文では参考文がついていて、これを読んで自分の意見を書くスタイルの問題が大半です。



 ですから、参考文を正確に読むことが前提となります。



 つまり、文章の読解力が小論文の基本というわけです。



 それでは、読解力はどうすれば身に付くのか、という問題は小論文の範囲を越えています。



国語をしっかりと勉強するなかで読解力を身に着けてください。



(2)参考文の論旨に沿う




 小論文では、読解力のなかでもさらに参考文を読んで要約する力が求められています。



 要約については次回「②要約して参考文や設問を分析する」のテーマでお話します。



 今回は、小論文は参考文の論旨に沿うという原則についてだけ解説していきたいと思います。



 参考文の書き手を表す言葉は「筆者」という表記で統一してください。



 筆者の「言いたいこと」のうち、結論部分が特に重要になります。



 結論がどこに書かれているかという問題は、尾括型、頭括型、双括型のところで解説した内容が参考になります。



 参考文の段落構成を考えながら、筆者の主張する論旨の流れを追っていき、これに対する自分の意見をまとめます。



(3)参考文の筆者の意見に賛成か反対かを明確にする




 参考文型問題のルールで一番大切なことは、参考文の筆者の意見に賛成か反対かを明確にすることです。



 どちらとも言える、一概に賛成か反対かは言えないなど、自分の立場をあいまいにしてはいけません。



 大切なのは、いわゆる「旗幟きしを鮮明にする」ことです。つまり、賛成か反対か、白黒をハッキリとつけることが評価のポイントとなります。



 AとBの異なった立場があって対立している場合には、どちらかの立場に立って論じること。



①もしAとBの両者を批判する場合には、新しい立場(仮にCと呼びましょう)を構築して論じること。



②あるいは、単純にA・Bの二者択一を嫌うなら、AとBとの論争の論点や切り口を変えることによって問題を整理し直すという方法もあります。



 これらの方法は上級者向きなので、<3>小論文・究極の技法・プレミアム「②論理的な文章を書くときの注意点/その1.定義を固める、定義を整理し直す」の回に解説を加えたいと思います。



(4)賛否を問う問題は頭括型(双括型)で書く




 あるテーマに対して賛成・反対を問う問題や2つの意見を選択させる問題が出題された場合、第1段落で最初に「私は~に賛成(反対)である」と結論を書いてから始める頭括型(双括型)で書くほうが書きやすいでしょう。



 賛否を問う問題は、入試本番では賛成、反対どちらの立場からも書けるようにふだんから、賛成、反対2種類の答案を書く練習をしておくように。



 特に法学部入試の小論文対策には、このような方法が有効です。



 大学や採点者の意向を気にする必要はありません。



 賛否を問う問題や二社択一を迫る問題では、選択の結果が合否に影響することはありません。



 だから、大学や採点者の意向を過剰に気にする必要はありません。



 入試本番では、書きやすいほうを選んで書くとよいでしょう。

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(5)一般論を書かない




 参考文を分析して利点と問題点を検討します。



 この解説も次回「②要約して参考文や設問を分析する」に詳しくお話します。



 上にも書きましたが、参考文に対してYESかNOかをはっきりさせてください。



 よくありがちな解答として次のような内容を結論部分で書いてはいけません。



「どちらか一方に決めるのではなく、よい点と悪い点のバランスをとる」



 これは、実際のさまざまな問題を考える場合、「正しい態度」です。



 奇妙に聞こえるかもしれませんが、小論文では「正しいこと」を書けばよい、というわけではありません。



 それでは、「どちらか一方に決めるのではなく、よい点と悪い点のバランスをとる」という結論がなぜいけないのか。



  これは多くの問題で当てはまる言説だからです。いわゆる一般論ということになります。



 一般論は「間違ってはいないけれど、何も新しいことは言っていない」という点で小論文では敬遠されるのです。



 例えば、以下のような問題です。



 ① コミュニケーション手段として対面かSNSかどちらを重視するか。



 ② 教育において重要なのは、知識の量か質か。



 ③環境問題について、経済発展をとるか、自然保護を優先させるか。



 ④教育で必要なのは座学か実習か。



 念のために言いますが、「どちらか一方に決めるのではなく、よい点と悪い点のバランスをとる」という意見を絶対に書いてはけない、と言っているのではありません。



 考えるプロセスのなかでこのような思考を経る分には問題ない。



 ①については、確かに「どちらか一方に決めるのではなく、よい点と悪い点のバランスをとる」というスタンスはとても大切です。



 そこからもう一歩踏み込んで、考えることが求められるのです。



 「それでは、対面を重視する場合はどのようなケースで、SNSで済ませてもいいのはどのようなときか」



 このように場合分けをするのが小論文的な思考です。 



 ②の問題も一般論でも実際の教育の現場でも「両方大切」というのが「正しい答え」になる。かつては、「量」を重視する方向で大学入試問題が作成されていたことが問題となり、センター試験が廃止されて、「考える力」すなわち「質」を重視する路線に流れが変わり、新テストが導入された経緯があります。


 このように、歴史的な変遷に沿って考え、常に時事を念頭に置くことが小論文の思考で必要となります。



 ③の地球環境問題では「持続可能な開発」という言葉に示されるように、「経済発展」と「自然保護」との中間をとる、つまりバランスをはかることが正解とされる場合があります。



 だからと言って、「持続可能な開発」という言葉に寄りかかって、これを結論にするのだけでは安直です。



 「持続可能な開発」の内容をさらに具体例に踏み込んで、自分の言葉で表現することがオリジナリティにつながります。



 ここでいったんまとめると、小論文では「正しい答え」を結論でぶん投げても高い評価を与えられることはありません。



 例えば、「平和は大切」「いじめはよくない」「地球環境を守らなければならない」など。



 小論文では、結論よりも結論に至る考え方のプロセスが大切なのです。



 ④の座学か実習か、という二者択一問題の場合、時間軸を設定して、初めは座学で基本を学び、そのあとに実習で応用力を身に着ける、という流れになると思います。



 基礎をきちんと定着させることのないまま現場で実習を行っても力はつかないから、座学=基礎が重要という論旨になるかと思います。



 この問題の場合、「座学」=「基礎」、「実習」=「発展・応用」というように言い換えて考えると、簡単に結論が出るように思います。

(6)その他の注意事項


 ①参考文のキーワードを使う



 参考文を要約するとき、キーワードを追いかけながら読んでいきます。


 小論文で意見を書く場合もキーワードを必ず使ってください。



 結論部分にもキーワードを入れてまとめることになります。


 ②引用のルールを守る


 参考文を引用するときには、必ず引用した部分にカギカッコ(「」)をつけること。



 これがないと減点対象になりますので、注意してください。
(7)今回のまとめ



①参考文の書き手は「筆者」の表記を用いる。



②参考文の筆者の意見に賛成か反対かを明確にする。



③賛否を問う問題は頭括型(双括型)で書く。



④大学や採点者の意向を過剰に気にする必要はない。



⑤一般論を書かない。



⑥参考文のキーワードを使う



⑦参考文を引用するときには、必ず引用した部分にカギカッコをつける。





 受験生のみなさん、小論文に関すること、何でも質問してください。



 コメント欄に書いてね。



 それでは、がんばってください。



 以上、OK小論文塾長、朝田隆(りゅう)でした!
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