昨日の常識を捨てる

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ビジネス・マーケティング
 巷には数多くの健康常識があふれています。体は冷やさないように温める方がいい。朝食は抜かずにしっかり食べること。糖質制限は健康に悪影響。筋力トレーニングは強度が重要。脳トレは認知症予防になる。これらはすべて、過去には常識とされていたものです。しかし、エビデンスレベルが高い科学的な研究等により、いまでは根拠がすっかり覆されています。近年はテクノロジーの進化によって、CTスキャンなど従来にはなかった測定装置が普及したり、高性能のコンピューターで複雑な解析が可能になったりして、日々、新しい知見が生まれ常識が塗り替えられています。

 ビジネスにおいても、テクノロジーの進化だけでなく、社会構造やライフスタイルの変化などにより顧客の価値観、嗜好の変化が従来よりも格段に速くなっています。これによってビジネス常識の賞味期限も短くなっています。それに対して、会社組織においては業務マニュアルなどにより定型化された仕事が多く、また部署ごとに作られた仕組みなどは閉鎖的であるゆえに、見直しされる機会がないまま同じやり方が続けられている。それゆえ、いったん固定観念や常識を取り外して見てみると、やらなくてもまったく困らない仕事が多く見つかったりします。業務を定期的に棚卸して、賞味期限が切れた常識がないか、点検する必要があると思います。ゼロベースで見直してみる。朝令暮改をおそれない。朝令昼改くらいでもいいかもしれません。

 脳科学的に、動物というのは変化を嫌う傾向があるようです。変化によって生存確率が下がる場合が少なくないからのようです。例えば狩りを終えて自分の住み家に戻るとき、いつものルートなら無事にたどり着けたのに、ルートを変えていつもとは違う道に進んだことで、危険な動物に出くわしたり、怪我をしたりすることもある。人間の場合、年齢を重ねれば重ねるほど、変化を嫌う傾向は強まるようです。何十年もそのやり方で生存できたのだから、それが間違いない。と考える。過去の成功体験はなかなか捨てられない。

 ビジネスの世界で生き残っていくには、古いものを積極的に捨てる意識を持たないと、世の中の変化についていけなくなる。これからは変えないことが、逆にリスクになる。かといって、いきなり「変える」ことには抵抗がある。ならば、「試してみる」はどうだろう。まずやってみる。実験してみる。
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