♡14 発達障害とパニック ⑥ ~一般就労編後編~

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コラム
この話はひとつ前のブログの後編です。
もしよければこちらも読んでいただけるとうれしいです。


私の実践の紹介で結構な大作になります! 
本になりそうな 笑
長い文章でも大丈夫な方に出会えるとうれしいです。

キーワードとしては、
★大人の発達障害
★20代での診断
★就労していた会社に障害をカミングアウト
★パニック時の対応を一緒に検討
★信頼関係

というところでしょうか。

ではでは、はじまりはじまり~ヽ(^o^)丿

私が発達障害支援センターで働いていた時、Aさんと出会いました。
一般就労中の20代女性。
誰でも知っている大手電器工場のスタッフ。

「発達障害ではないかと疑っていて、もしそうなら会社に伝えたい」
という相談。

発達障害の診断には
① 幼い頃からの成育歴や生活歴の等の聞き取り
② 発達検査
③ 医師の見立て
の3つが必要です。

私は①を行うことはできるので、何度もの面談を通してAさんを知っていくことから始めました。

その数日後センター内にいた臨床心理士が検査をします(センターに必ず臨床心理士がいるわけではありません)。

そしてAさんと相談の元、①の内容をAさんが行くと決めたクリニックの医師に情報提供しました。
そうすることでAさんがあちこちで同じ内容を話すことがなくなります。


そして「ADHD」の診断が出ました。

Aさんはマルチタスクが苦手。
時間管理も苦手ですが、自分で可能な範囲はタイマーをフル活用して「服薬の時間」「出勤する時間」等セットする対策をすでにとっていました。

ただ仕事の範囲となると「苦手だからできません」とは言えず、それがストレスとなり、帰宅して毛布をビリビリに破ったり、仕事中でも会議中にボールペンを折ったりすることが出てきたと言います。
Aさんなりの、自分をコントロールしながらのパニックです。

社内でのAさんは、みんなに親しまれている存在でした。
これからたびたび登場する課長さんとの関係も良好で
「私は発達障害かもしれません」と診断が出る前に本を渡していたほど。


会社と面談するにあたり以下のことをAさんと相談しました。
① 障害と伝えた場合「障害者雇用の枠」に入り、お給料が下がる可能性があること
② パニックになった時の会社側の対応や、パニックになる前の行動を伝えて、声をかけてもらうことをお願いしてはどうか
③ 精一杯がんばるけれど、会社の対応によっては裏目に出てしまう可能性もあること

① ② ③ ともにAさんの同意も得て、課長さんとAさんと私と3人での面談をお願いできないか、Aさんに聞いてもらうことにしました。
それとともに、もし可能であればと私の職場の連絡先(電話・メール)を伝えてもらうようにお願いしました。

すると数日後課長さんからメールが届きました!
「Aさんから発達障害のことはなんとなく聞いていた。でも発達障害がどんなものなのかわからない。そこからまずは教えてほしい」と。

神様のようなメール!
順調なスタートです。

私も「発達障害とは?」という説明の書類から、
Aさんを丸ごと知ってもらうことのできるような強みと弱みをわかりやすく伝えるような書類をAさんと共に作っていきました。

そしてドキドキの面談の日。
「工場入り口の門に行き、守衛さんに〇〇課のAさんとの面談で来ました」と伝えると、すでに守衛さんは知っていて、面談室に案内されました。
私はAさんのお客様という設定。

しばらくするとAさんが来てくれました。


IMG_4449.jpg



もちろんなのですが、みんなおそろいの作業着姿で現れたAさんがとても新鮮で、ここで働いているんだなーと感銘を受けたことを覚えています。
普段のおしゃれ着しか見たことがなかったので。

会社側からは課長さん含めて2名も参加してくださりとても熱心に話を聞いてくれ、様々な質問がありました。

● Aさんはできる人と見てもらっていて、まさか自宅でそんなパニックになっていることは知らなかった
● まずは会社がどんなことができるかわからないので検討させてほしい
● そうは言ってもマルチタスクを求める現場なのでどんな配慮ができるのかわからない

そこで一度目の面談は終了。
私としては、こんなに親身に考えてもらってよかった という印象でした。


その後会社では様々な仕事がAさんに用意され、試行錯誤が続きました。
時々会社から私宛の相談メールも届き、会社ともに考えました。

そんな中、会社主催の夏祭りがあり、そのスタッフとしてAさんが選ばれることに…。
マルチタスクが苦手な中、仕事もお祭りもとなると頭はパニック。
Aさんから私に連絡が入り、Aさん同意の元私が課長さんに
「Aさんがまた毛布にくるまっているので、少し声掛けをお願いしたい」
と依頼しました。
「他の人もいたから大丈夫かなーと思っていた」とのことでした。
課長さんと、私も何でも話すことができる関係になっていました。

この頃にはAさんがパニックになる前の予兆もわかってきて
「ボールペンをカチカチ鳴らす」「眉間にしわが寄る」「机に隠れる」
こんな行動があった時には、冗談めいて「大丈夫?」と声をかけてもらうと心が落ち着くことも社員さんに周知をしてもらいました。

周囲の理解が増えたことでAさんは気持ちが少し楽になりました。

そして…、
会社側は初めは、
「いろんなことを経験してそれを土台にみんなに頂点を目指してもらいたい」 と言っていたのですが、それをAさんがくつがえしました。

誰もが嫌だと訴える内容の仕事を、
Aさんは自分のペースでできる上、得意分野ということを経験し、過集中が長所に現れて、
「この仕事をすると、ハンバーグから肉汁が出るように、私は脳汁が出る!」と言ったのです。

この状況を見た課長さんの判断が変わりました。
マルチタスクでなくても十分会社に貢献してくれるし、Aさんはいなければならない存在だ と。
私は
「好きだと終わりなく取り組んでしてしまうので、終わりの声替えをお願いしたい」
と依頼しました。

Aさんは障害をカミングアウトしてもお給料が変わることはありませんでした。むしろ増えたかもしれません 笑

落ち着いた後は私はフェイドアウト。
もう、Aさんと会社側が互いに話すことができるようになれば大成功です。

これは成功例のほんの一部です。
ここにもやはり人と人との信頼関係があったからこその出来事だったと思います。

Aさんはのちに私のことを、
「海で溺れているところを助けてくれる命綱のような存在だった」と話してくれました。

いいえ、私こそAさんにたくさんのことを教わりました。
だから今があるんです(*^^*)

Aさんをはじめ、今まで出会ってきた方には本当に感謝をしています。
私の学びに糧を与えてくださり、ありがとうございます。

以下私の相談ページです。

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