〜美容医療のクライアントとの対話から〜
「最近、なんだかやる気が出ないんです。」
美容と医療のあいだで活躍されているクライアントさまが、
静かにそう話されました。
サロンは順調。
リピーターも増え、収益も安定。
スタッフとの関係も良好。
誰が見ても「うまくいっている人」。
それでも、彼女の表情には、
どこか晴れない影がありました。
■「お医者さんと論文を書きたいんです。でも…」
「最近、医師の先生と一緒に論文を書きたいと思っているんです。
もっと専門的に見られたいし、信頼も高めたいんです。
でも、いざやろうとすると気分が乗らなくて…。
行動に移せない自分に、少し落ち込んでしまって。」
そう話す彼女の声には、
「やりたいのに動けない」もどかしさがにじんでいました。
■問いかけ:「その論文の目的は何ですか?」
私は、彼女の言葉を丁寧に受け止めたあと、
ゆっくりと問いかけました。
「その論文を書きたい“目的”は何ですか?」
少しの沈黙。
彼女は視線を落としながら考えていました。
■「あ、私…“信頼されたい”と思ってました」
「最初は、“権威性をつけたい”“信頼を得たい”って思ってたんです。
美容と医療の間に立つ仕事だから、
やっぱり医師と一緒に名前が並ぶと強いじゃないですか。
でも…」
彼女は、ふと笑いました。
「でも、それが本当の目的じゃない気がしてきました。」
■問いかけ:「もし、誰からも評価されなくてもやりますか?」
私はもう一つ、静かに尋ねました。
「もし、誰からも評価されなくても、
その論文を書きたいと思いますか?」
少し長い沈黙のあと、彼女はハッとしたように顔を上げました。
「……ああ、そうか。
私、本当は“挑戦したかった”んだ。
売上とか評価とかじゃなくて、
新しいことに挑戦して、自分を成長させたかったんです。」
■“順調な今”だからこそ、動けなかった理由
「サロンが安定して、生活にも困っていない。
だから、“なぜ挑戦するのか”を見失っていたのかもしれません。
売上のためじゃない挑戦って、勇気がいるんですね。」
穏やかに笑う彼女の表情は、
さっきまでの迷いが少し軽くなっていました。
安定の中にある停滞。
それは、頑張ってきた人ほど感じるもの。
でも、その違和感こそが“次の成長の合図”なのです。
■「自分のために挑戦していいんだ」
「論文は、誰かに認めてもらうためじゃなくて、
自分のこれまでを整理して、
“自分を表現するため”に書けばいいんですよね。
そう思ったら、気持ちがすごく楽になりました。」
その瞬間、彼女の声が少し明るくなりました。
“やらなければならない”から“やりたい”に変わるとき、
人は自然と動けるようになります。
■挑戦とは、“結果を出すこと”ではなく “自分を生きること”
挑戦は、成果を上げるための手段ではありません。
“自分らしく生きるための表現”です。
順調な今こそ、
新しい挑戦を通して“次の自分”に出会うとき。
そこにこそ、本当のやりがいが生まれます。
■立ち止まっても大丈夫
立ち止まるのは、迷っているからではなく、
「自分の本当の想い」に戻るための時間。
焦らなくていい。
また動き出したくなったときが、ベストなタイミングです。
“好きな人と、好きな仕事をして生きる”
その想いがある限り、人生は何度でも始められます。
「私が今やりたいことは、“成果のため”ですか?それとも“成長のため”ですか?」
「もし、誰にも見せなくてもやりたいことは何ですか?」
気づきは、いつも“問い”の中にあります。
そしてその答えは、あなたの中にすでにあるのです。