膝ACL損傷は重篤な外傷です。
・デンマークの女子ハンドボール選手のACL損傷では、内側もしくは外側の半月板損傷の合併は36%、内側-外側両側合併例は21%
・骨挫傷に伴う微小骨折は55%
・ACL損傷後の女子サッカー選手の12年フォローでは関節症変化
を50%程度に認めた
・男性のサッカー選手のACL損傷後14年フォローでは40%程度に
関節症変化を認めた
・半月板切除術後の15〜20年フォローで、関節症変化は50%前後であった
・ACL損傷後、長期的には処置の仕方によって関節症変化は抑制
されているだろうか?
・100名のACL損傷後再建しないグループを15年フォローした。
神経-筋の協調性を賦活するリハビリテーションを行った。
関節症変化は16%に認め、半月板損傷を合併しないケースでは
関節症変化を認めなかった。
・手術だけでは関節症変化の進行を抑制することはできない。
関節症変化を抑制するためには運動療法が重要である。
・リハビリテーションを継続すること、低BMIを維持すること、健
康を維持し、スリムであることが望ましい
*まとめ
・手術は、ACL損傷後の関節症変化の予防にはならない。
・半月板損傷を合併していると関節症変化を惹起しやすい。
半月板の処置の仕方(できるだけ残す)で将来が決まる
・外傷後の膝の筋力低下は関節症変化に影響する
・OAもしくはOAの発症リスクのある人は、膝の痛みや関節裂隙の
狭小化よりも、筋力低下や活動制限などの障害の方に問題がある