中小企業経営のための情報発信ブログ368:上司と部下のすれ違いが起きたときこそ対話のチャンス

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またしても、対話の話ですが、対話や雑談の重要性は何度語っても語り尽くせません。
職場に活気がない、新しいアイデアが生まれない、職場がギスギスしている、忙しいのに数字が上がらない、病欠・離職者が多いなど、組織が硬直化し閉塞感が漂っている状況は「組織の慢性疾患」と呼ばれ、その対処法として「対話」が重要性です。
ここでの「対話」の方法は、4人1組で行う「2on2」という対話方式です。表面的な問題の裏にある真の問題を明らかにし、改善を図る画期的な方法だと言われています。1on1は、上司が部下の成長を対話を通じて支援するものですが、2on2は、今ある困ったことや日々モヤモヤしながら問題だと感じていることに、他者の視点を加えることで解決するものです。
2on2で重要なことは、「人はそれぞれの『ナラティブ(捉え方の枠組み、物語)』がある」ということです。見ている景色が違えば考え方が違うのは当然ですし、人それぞれ様々な歴史があるわけで、そういう前提を意識するだけで、人との関係をよりよくしていくことができます。
また、自分も問題の一部であると認識することも大切です。何か問題があれば誰かのせいにしたくなりますが、自分もその問題の真っただ中にいてその一部になっているのだと認識すれば、問題の対処法も自ら違ってくるはずです。
問題や課題がある場合、どうしても物事を単純化して対処の方法や解決策を考えようとしてしまいます。物事を単純化すれば、その場は対処できるように思えますが、実際には何らの解決になっていないことが多いのです。問題の単純化を避け、物事を具体的に考えていくことで対処や解決が容易になるのです。
ここで大切なことは、どのような場合に問題の単純化が起きるのかという傾向を予め把握して、その対策を講じておくことです。仮に十分にその対策ができていなくても、「今はこういう状況だから問題の単純化が起きているのだな」と自覚でき、問題の全体像の捉え方も違ってきます。
日ごろからどのように問題の単純化が起き、慢性疾患が悪化するのかについて理解を深めておくことができれば、形を変えた似たような問題が起きたときも対処しやすくなります。
例えば会議で部下が積極的に発言しないということがよくあります。上司は部下の意欲が低いと考え、部下は自ら発言すべきでないと思っています。こういうすれ違いが起きたときこそ、対話のチャンスなのです。
対話というのは、単なるコミュニケーションの手法ではなく、「新しい関係性を構築すること」です。対話は、①同じものを見ていてもそれぞれの捉え方に異なる部分があることを認め、②それぞれの捉え方の背景を相互に語り取り入れあうことで、③双方が、同じ状況でも以前と異なる角度で物事を捉えられるようになることです。
現在の職場は、変化するビジネス環境や多様化する従業員、働き方など様々な要因が絡み合って複雑化し、問題を捉えることすら難しくなっています。コロナ禍でリモートワークが導入され、今後さらに複雑化し、上司が部下をマネジメントすることが困難になりつつあります。そうした中、重要なのは対話であり、雑談であり、これらを通じてより良い人間関係を築き上げることではないでしょうか。 
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