ヒロさんから凄まじいオーラが出る。ゆきのとは気圧された。
「さっき大丈夫って言ったよな?」「はい」「出来てねーじゃん」
「はい」たくましい腕を組んでこちらを真っすぐに見てくるヒロさん。
「人の言ってることにいちいち振り回されて……そんなんで漫画家になれるわけがねえ。夢のまた夢だ。お前1時間後もこの調子だったらマジでぶっ殺すぞ!」大きい声ではなく、よく通る声で言った。「10分だ!10分でやれ!」「やってみます」2分経過した。「よし落ち着いたな」「はい」「な?出来るだろ?」そう言ってヒロさんは思い切り笑った。
「これは良い意味の焦りだ」「ありがとうございます」「あとな、言ってからなんだけど、漫画家になれるかどうかはオレにはわからん。すまんな。技術的なことは多分大丈夫だ。安心しろ。」
ヒロさん。武闘派のリーダーだ。入院していた自衛隊の人と腕相撲して勝った人。凄い人なのは最初からわかっていた。目がぎらぎらしてる。母親譲りの目だと言っていた。