昨日のことが、よみがえってくる。

昨日のことが、よみがえってくる。

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コラム
朝の光が、
カーテンの隙間から差し込んでいた。

やわらかい光。
どこか逃げられない明るさ。

凪は、ゆっくりと目を開ける。

一瞬だけ、ぼんやり。

昨日のことが、よみがえってくる。

蓮との帰り道。

部屋での時間。

悠真からのメッセージ。

「……もう朝、・・・か。」
小さくつぶやく。

胸の奥がざわつく。

怖いわけじゃない。

でも、落ち着かない。

布団の中で、少しだけ体を丸める。

(ちゃんと、話そう・・・)
昨日、そう決めたんだ。

まだどう話すかは、決まっていない。

スマホを手に取る。

画面を開く。

悠真とのやりとり。

最後は、自分の「うん」。

短い「うん」に
全部詰まっている。

「……行かなきゃ」

小さく言って、体を起こす。

制服に着替える。
紺のブレザー。
赤いリボン。

いつもと同じはずなのに、
今日は、少しだけ違う気がする。

鏡の前に立つ。

自分の顔を見る。
(ちゃんと……見て)

蓮の言葉が浮かぶ。
“無理してること、あるんじゃない?”

凪は、少しだけ深呼吸する。

笑おうとして、やめる。

無理に笑わない。
そのままでいい。

「……いってきます」
小さく言って、家を出る。

朝の空気は、少し冷たい。
そして、どこか澄んでいる。

通学路。

見慣れた道。

今日は、少しだけ遠く感じる。

学校が近づく。

心臓が、少しだけ速くなる。

門が見える。

そのとき、
校門の前に人影。

凪の足が、止まりかける。

遠くからでもわかる。

悠真。

いつもの場所。

今日は、待っているように見える。

凪の心臓が、大きく震える。

(もう……)
逃げられない。

でも、逃げたくない。

一歩、踏み出す。
もう一歩。

距離が、少しずつ縮まる。

悠真が、顔を上げる。

目が合う。

その瞬間、
空気が少しだけ変わる。

昨日までとは違う何か。

静かな緊張。
はりつめた空気。

凪は、立ち止まる。
ほんの少しの距離を残して。

言葉が出ない。
目は、そらさない。

悠真が、ゆっくり口を開く。
「……おはよう」

いつもと同じ言葉。
少しだけ、違う響き。

凪は、小さくうなずく。
「……おはよう」

その一言に、
いくつもの気持ちが重なっていた。

そして、ここから、
三人の関係が動き出していく・・・。
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