用もないのに、ただこちらの反応を見たいだけで、ニヤニヤしながら、からかうような感じで「ニーハオ」と言われるケースもあれば、ただ挨拶をするだけ、「俺は中国語で挨拶ができる」という友好的な気持ちを持って言ってくる人もいます。後者は、悪意がないんだから別にいいだろうと言われることもありますが、これも差別の一種です。"unintended discrimination(意図せぬ差別)"や"unintended racism(意図せぬ人種差別)"と調べると、たくさんの結果がヒットすると思います。米・プリンストン大学のマシュー・デスモンド教授によって書かれた"What is racial domination?"という論文を、大学時代に社会学の授業で読み、感銘を受けました。そこに記されている"Five fallacies about racism(人種差別についての5つの誤解)"の1つに、この「意図せぬ差別」について書かれています。日本人の間だけでなく、「意図していなければ差別ではない」という誤解は、世界中でよくあることなのです。意図していなくても、相手を傷つけることはあるし、社会に悪い影響を与えることだってある。そして、「意図していなければ問題ないじゃん」という考え方は、差別する側の人間の視点でしかものごとを見られていないと気づくことが大切だと思います。