安心のメッセージ

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 さて、お釈迦さま出世本懐の経典といわれる『大無量寿経』では、浄土からその説法の座に集まられた菩薩方は、「私たちが願わなくても、私たちのために大いなる慈しみをもって親友となり、私の重き荷物を一緒に背負ってくださる方々である」と讃えられています。
 そのような菩薩方の中でも、ことにすぐれたお慈悲の心をもって現れてくださったのが、法蔵(ほうぞう)菩薩というお方でした。
 師の世自在王(せじざいおう)仏の前で「恐れや不安を抱えて生きるすべてのもののために、私は大きな安らぎとなります」と高らかに宣言し、それを実現するために、長い長いご思案の末に、世に超えすぐれた四十八の誓願をおこされました。
 さらに、もっともっと長い時間をかけて、これらの誓願を実現するための修行を積み、見事に一切衆生をもらさず救い取ることのできる「阿弥陀仏」という仏さまとなられたのです。
 そして「あなたを救い取る手だてはすべて完成したから、どうか私にまかせなさい」という、仏としての名のりが、私の口からこぼれ出る「南無阿弥陀仏」というお念仏なのです。
 いま、『大無量寿経』のお心と「あなたはどこに」という詩に込められたメッセージを重ねてみるとき、
 無明長夜(むみょうじょうや)の灯炬(とうこ)なり
 智眼(ちげん)くらしとかなしむな
 生死大海(しょうじだいかい)の船筏(せんばつ)なり
 罪障(ざいしょう)おもしとなげかざれ
 という『正像末(しょうぞうまつ)和讃』の一首が、私の心に強く響いてくるのです。
 私たちは、乗り越えられそうにないほどの苦しみや悲しみに出あうと、つらさのあまり、自ら心を閉ざしてしまいがちです。そんな時、私の心の闇を破り、行く手を照らしつつ、背中を押してくれる温かい言葉、それが「南無阿弥陀仏」という仏さまからの安心のメッセージであると、親鸞聖人はお示しくださいました。

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