真面目な人ほど「燃え尽きる」3つの理由と、それでも前に動いた人たちの話

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「今日もできなかった」という夜


資料を提出した後、また読み返す。送信したメールを、3回確認する。休日に入っても、月曜のことが頭から離れない。

「もっとちゃんとやれたはず」。毎晩、そう思う。

ショウさん(30代前半、営業職)は、仕事はできると言われていた。数字も悪くない。でも、毎朝出勤前に胃薬を飲んでいた。休憩中もスマートフォンで仕事のメールを確認していた。ミスをすると、1週間以上引きずった。「なんであのとき、もっとうまくやれなかったんだろう」と、同じ記憶を何度もリプレイした。

「真面目なだけ」と思っていた。でも、去年の秋に体調を崩した。検査で異常は見つからなかった。「心因性の疲労」と言われた。

なぜ、頑張り続けていると体が壊れるのか。

実は、完璧主義と心の強さはまったく別の話だった。

「力を入れれば入れるほど、悪化する」という逆説

これは、膝が痛いのに力を入れてスクワットを続けるようなものだ。

膝の関節を鍛えようとするとき、強くスクワットをするより「ゆる~いスクワット」の方が効果があるらしい。強い力をかけると軟骨が潰れる。ゆっくり動かすことで、軟骨に必要な成分がじんわりと染み込む。頑張るほど、逆効果になる。

人の心も、似たことが起きる。

「もっとちゃんとしなきゃ」と力を入れる→緊張が高まる→パフォーマンスが下がる→「やっぱり自分はダメだ」→さらに力を入れる。このループ、知っている人も多いと思う。

なぜこうなるのか。実は、かなりシンプルな構造がある。ただ、それは自分一人では気づきにくい。

僕自身の話をしよう。

会社で毎日10時間以上働いていたころ、自分の評価が思うように上がらないのが怖かった。だから、もっと頑張った。もっと早く来て、もっと遅くまで残った。体重が落ちても、続けた。胃がおかしくても、続けた。

でも、結果は上がらなかった。むしろ、体が限界に近づくにつれて、ミスが増えた。「もっと頑張ればよくなる」という思い込みが、事態を悪化させていた。

間違ったフォームで素振りを1000回やっても、間違ったフォームがうまくなるだけ。

じゃあ、どうすればいいのか。これについてはここからが大事な話になる。

「完璧主義から抜け出た人」に起きた変化


リカさん(20代後半、企画職)は、上司からも同僚からも「仕事が丁寧」と言われていた。でも、毎日の帰り道に体が重かった。「今日もうまくできなかった部分がある」という感覚が、毎晩つきまとった。土日も「月曜の準備」をしていた。

2年続いて、ある日突然、会社に行けなくなった。

変わったのは、自分が無意識にやっている「あるパターン」の存在に気づいてからだった。

「完璧にやらなきゃ」という信念そのものが、パフォーマンスを下げていた。それに気づいただけだった。対処法を学んだわけでも、根性を鍛えたわけでもない。ただ、自分のパターンが見えた。それだけで、行動が変わり始めた。

4ヶ月後、リカさんの仕事のやり方は変わっていた。「70点で出して、後で直す」という進め方を試し始めた。最初は怖かった。でも、上司からの評価は「変わっていない、むしろ前より相談しやすくなった」と言われた。残業時間は月に30時間ほど減った。

コウタさん(30代後半、ITエンジニア)は、転職を3回繰り返していた。毎回「完璧な環境を求めて」移っていたが、どこに行っても「こんなはずじゃなかった」と感じた。

変わったのは、「完璧な職場は存在しない」を頭で知ることじゃなかった。自分がどういう場面で「完璧主義モード」に入るのかが見えたことだった。

1年後、転職活動をやめた。今の職場で自分が「動かせること」と「動かせないこと」を分けて考えられるようになった、と言っていた。

この2人に共通しているのは、「頑張り方を変えた」のではなく、「自分がやっているパターンに気づいた」ことだ。

この人たちは、たまたま出会えただけだ。一人でこれを見つけるのはかなり難しい。

「もっと頑張ろうとすること」が、問題を強化している理由


ここが一番大事な話だ。

多くの人が今やっていること——「もっと計画的にやる」「自己管理を徹底する」「メンタルを強くするための本を読む」——これらは、完璧主義から抜け出そうとする行動だ。でも実は、これが完璧主義を強化していることが多い。

「完璧にできない自分を変えるために、完璧に自己管理しようとする」——これは、完璧主義のループを使って完璧主義を治そうとしているようなものだ。

「休むことで充電しよう」とする→「ちゃんと休めているか」を気にし始める→休み方も完璧にしようとする→疲れる。

「70点主義を試そう」と決意する→「70点になっているかチェックする」→チェックが完璧主義になる。

「自分を責めるのをやめよう」と思う→責めてしまった自分を責める。

これは一人では抜けにくい。完璧主義のパターンの中にいる人は、そのパターン自体が見えない。

僕自身、5年近くこのループにはまっていた。コミュニケーションを学んで「完璧なコミュニケーション」をしようとした。資格を取って「完璧に準備した状態」で動こうとした。でも、結局、半年後にはまた同じところに戻っていた。お金と時間だけが消えていった。

フィードバックなしに、自分のフォームを直した人を、僕はほとんど知らない。

正直に言うと、僕はカウンセラーの資格は持っているけど、医師じゃない。薬は出せない。「この相談で完璧に解決する」とは言えない。途中でやめた人もいる。1回話して魔法のように変わる人は、ほぼいない。相性が合わなかったこともある。

ただ、こういうことは言える。

50分の相談の中で、「自分が完璧主義モードに入る場面はどこか」「どんなパターンで動いているのか」を言葉にする作業をする。見える状態になると、それだけで翌日の動き方が少し変わる人が多い。

全部解決するわけじゃない。でも、「見えていなかったもの」が「見える」になると、少し息ができるようになる。

合わない人には向かない。でも、この記事を読んでここまできた人は、何か引っかかるものがあったと思う。

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おわりに


完璧主義は、弱さじゃない。むしろ、真面目でちゃんとやろうとしてきた証拠だ。

でも、ゆ~るいスクワットの話と同じだ。力を入れれば入れるほど、壊れていく部分がある。

僕の場合、会社で頑張り続けた結果、体重は10キロ落ちた。夜はお粥しか食べられなかった。病院に行ったら「ストレスですね」と言われた。まあ、知ってた。でも、辞められなかった。辞めることが失敗だと思っていたから。

どうするかはあなた次第だ。ただ、一つだけ。一人で抱えている時間は、思っているより長い。

🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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