「親との関係」「いじめの記憶」が今も自分を縛る心理的正体と、3ヶ月で変化した人たちのリアル

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ふとした瞬間に、戻ってくる


何でもない瞬間に、戻ってくる。

職場で同僚に強い口調で言われたとき。既読がつかないとき。誰かに褒められたのに、なぜか素直に受け取れないとき。

その瞬間、昔の記憶が頭の中でフラッシュバックする。あのときの声。あの表情。なんとなく胸が締め付けられる。もう何年も前のことなのに、体が覚えている。

ミサキさん(30代前半、医療職)は、長年親との関係が「未整理」だった。直接的な虐待があったわけじゃない。でも、何か言うたびに否定されてきた。「そんなこと言うもんじゃない」「もっとしっかりしなさい」。大人になっても、誰かに意見を言う場面で、胸がキュッとなる感覚があった。人の目が怖かった。

「気にしすぎ」だと思っていた。「もう大人なんだから」と自分に言い聞かせてきた。でも、消えなかった。

実は、これはメンタルの弱さとはまったく関係のない話だった。

「封じ込めれば忘れる」が、逆効果になっている構造


これは、窓を閉めて部屋に煙を閉じ込めるようなものだ。外に出そうとすればするほど、かえって充満してくる。

過去のつらい記憶を「封じ込める」「忘れようとする」「見ないようにする」——これは多くの人がやっていることだ。でも実は、これが記憶を強化していることが多い。

なぜこうなるのか。実は、かなりシンプルな構造がある。ただ、それは自分一人では気づきにくい。

僕自身の話をしよう。

製造業の職場で、ある時期、派遣の同僚の人との関係が最悪になった。良い人にしか見えなかった相手が、状況が変わったとたんに人格が変わった。僕の前でだけ、態度が別人みたいになった。最終的にはいやがらせのメールが来た。上司に相談して終息したけど、本当に恐ろしい経験だった。

その後、胃腸がおかしくなった。1年近く、夜はお粥しか食べられない状態が続いた。忘れようとすればするほど、あのときのやり取りが頭の中で繰り返された。「なんであんなことをされたんだろう」「自分が悪かったのか」「防げたはずじゃないか」。

忘れようとする努力が、記憶を反芻させていた。これが後でわかったことだ。

怒りや悲しみは、封じ込めると腐る。腐ると、においが強くなる。

じゃあ、どうすればいいのか。これについて、ここからが大事な話になる。

「過去に縛られていた人」が変わった瞬間


タケシさん(30代後半、販売職)は、学生時代のいじめの記憶が今も職場での行動に影響していた。直接的な暴力があったわけじゃない。でも、「チームの中でだけ無視される」という経験が数年続いた。社会人になってから、グループの中で発言するとき、手が震えた。会議で名指しされると、頭が真っ白になった。

「もう20年以上前のことなのに」と、自分でも不思議だった。

変わったのは、自分の中にある「あるパターン」の存在に気づいてからだった。

対処法を学んだわけじゃない。過去を「書き換えた」わけでもない。ただ、自分が今も無意識にやっているパターンが見えた。それだけで、行動が変わり始めた。

3ヶ月後、タケシさんは会議での発言が増えた。月に1〜2回だったのが、週に複数回になった。「怖くなくなった」というより、「怖いのはわかっているけど、動ける」ようになった、と言った。

カナさん(40代前半、主婦・パート勤務)は、母親との関係が「ずっとモヤモヤしていた」と言っていた。憎んでいるわけじゃない。でも、電話がかかってくるたびに気が重かった。愛情も感じていたし、恨みも感じていた。その両方があることが、かえって整理できない原因だった。

半年後、彼女は「母親に連絡する頻度は変わっていない」と言った。でも、電話を受けた後の「ぐったり感」が消えた。「感情が整理された、というより、なぜそう感じるのかが少しわかった」という感覚だった。

この2人に共通しているのは、「記憶を消した」のではなく、「自分のパターンと、その意味が少し見えた」ことだ。

この人たちは、たまたま出会えただけだ。一人でこれを見つけるのは、かなり難しい。

「向き合えば解決する」という思い込みが、傷を深くする理由


ここが一番大事な話だ。

多くの人が今やっていること——「あのときのことをもっとよく理解しようとする」「なぜそうなったか原因を考える」「許そうと努力する」——これらは、傷を癒そうとする行動だ。でも実は、これが傷を深くしていることが多い。

「許せない自分がダメだ」と思う→自己否定が強くなる→余計に傷つく。

「昔のことを怨んでしまう」とする→記憶を何度も繰り返す→感情が増幅される→余計につらくなる。

「もっと強くなれば気にならなくなるはずだ」→強くなろうとする努力が続く→疲れる→弱い自分をさらに責める。

これは一人では抜けにくい。記憶の中にいる人は、そのパターン自体が見えない。見えないから、対処法も的外れになる。

僕自身、職場でのつらい経験の後、5年近く「なぜあうなったんだろう」を一人で考え続けた。コミュニケーションを学べばよくなると思って、50万円以上かけた。本も読んだ。セミナーにも行った。でも、半年後にはまた同じところに戻っていた。お金と時間だけが消えた。

フィードバックなしに正しい方向を見つけた人を、僕はほとんど知らない。

正直に言うと、僕は医師じゃない。カウンセリングの資格は持っているが、薬を出すことはできない。重篤なトラウマや解離症状がある場合は、専門の医療機関が必要だ。それは、僕の手に余る。

途中でやめた人もいる。相性が合わなかったこともある。1回話しただけで記憶が消える、なんてことは起きない。

ただ、こういうことは言える。

50分の相談の中で、「自分が今も繰り返している思考」を整理していく。何に反応しやすいのか、なぜそうなっているのか、その輪郭を一緒に描く。50分後には、「なぜ自分があの場面でああなったのか」が、少し言葉になっている人が多い。全部解決するわけじゃない。でも、「わからなかったこと」が「わかること」に変わると、少し呼吸が楽になる。

合わない人には向かない。でも、この記事を読んでここまできた人は、何か引っかかるものがあったと思う。

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おわりに


過去の記憶に縛られているのは、弱さのせいじゃない。そういう構造の中にいるからだ。

僕の場合、職場でのあの経験の後、胃腸がおかしくなって1年近くお粥しか食べられなかった。病院に行ったら「ストレスですね」と言われた。まあ、知ってた。でも、原因がわかっても、出口がどこにあるかは、しばらく見えなかった。

どうするかはあなた次第だ。ただ、一つだけ。一人で抱えている時間は、思っているより長い。

🙋 このブログを書いている人について
だいき|産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
会社員時代、職場の人間関係でメンタルが限界に。「このままではまずい」と一念発起し、コミュニケーションを学び直した経験が、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントの資格取得につながりました。
恋愛・婚活でも7年間で88人とデートを重ねながら、うまくいかない時期が長く続きました。その苦しさを知っているからこそ、脳科学・進化心理学・愛着理論といった知識を「自分ごと」として学び続けてきました。
キャリアブレイクコミュニティでは160回以上のワークショップを主催。さまざまな悩みや状況を持つ方と向き合い続けてきた経験が、相談の土台になっています。
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