「異次元船」

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小説

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【キャンプ嫌い】





11歳の時
ボーイスカウトに入団してた。

ボーイスカウトは
春夏冬休みにキャンプを実施する。

この時のキャンプは
30㎏位のリュックを背負って
毎回山登りをする。

その為
物凄く大変で大嫌いだった。
(´・д・`)ヤダ

でも
今回夏のキャンプは
山登りしないという事だった。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

その代わり
横浜港に停泊してる「日本丸」に
1泊2日で行く事になった。

俺は
毎回辛い山登りをさせられて
キャンプに嫌なイメージしかなかったが
今回山登りが無くて楽そうだと感じた。

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【エアコンなし】





当日
日本丸に向かう為
団の事務所に集合した。

ここから横浜港まで
観光バスで向かって行った。
(*^▽^*)

この日本丸と言うのは
もう使われなくなった帆船で
横浜港に展示されてる物。

でもこの日本丸は
過去に太平洋を横断した事があり
かなり凄い船だった。

バスの中で俺は
ふとある事に気が付いた。
(*´゚д゚`*)ソウダ

それは
「帆船の泊まる部屋に
エアコンなんて無いよな?」
そう思ってしまった。

その事が気になり
団長に尋ねてみたら
「エアコン無くても十分涼しいよ」
そう答えてた。


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【ボーイスカウト連盟】





でも俺は
帆船ごときがこの暑つさを凌げる程の
涼しさを確保できる訳ないと感じて
団長の事が信じられなかった。

そして
現地に到着してバスから降りてみると
想像以上に大きな船で
ビックリしてしまった!

団長の話だと
普段見学用に設備を整えてるけど
今回特別我々の為に
宿泊できるようにしてくれたらしい。

でも現在は
横浜市に宿泊用させてくれと頼んでも
絶対貸し出してくれない。
(乂`ェ´*)ダメ!

この頃のボーイスカウト連盟は
横浜市にそれを可能にさせる程の
影響力があった。

我々は
到着早々実習生用の8人部屋に案内され
ここに荷物を置いて
外のデッキに集合する事になった。

しかし
この時とんでもない事が起きた!
ギャァァァァァァー!∑(゚Д゚ノ)ノ


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【大掃除】





実習生用の部屋は
船の1番下にあるのだけど
ここに大きなダクトがあり
そこから外の風が入ってくる。

その風が
なんと!冷房の風より冷たい!

原理がよく解らないけど
外の気温が30度もあるのに
とんでもなく涼しかったのだ!
(ノ≧∀)ノワァーイ♪

団長が言ってた
冷房なくても十分涼しいと言うのが
俺は全く信じられなかったが
本当に涼しくてビックリした!

この事に気を良くした俺は
荷物を置いてルンルン気分で
外のデッキに集合した。

そして俺は
「これから船の中の案内かな?」
そう感じてたが全く違ってた。

我々は
全員亀の子タワシを持たされて
デッキの床を掃除する事になった!
(*゚д゚*)エエエエ!


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【原始的】





デッキの床は
木製の床でになっていた。

ここで我々は
横1列に並ばされ
洗剤を船の先端から流し
後方に向かってゴシゴシする。

この時俺は
「何でタワシモップじゃなく
亀の子タワシなんだよ!」
そう心の中で叫んでた。

そして30分位かけて掃除をやり
やっと昼食の時間になった。

昼食は
当然我々が作らないとならないけど
この時なんと!
船の中の厨房を使わせてもらえた!

この船の厨房は
大正ロマン調のレトロな厨房で
全て使う物が目新しくて楽しい。

しかし日本丸の調理場は
電気やガスなんて無く
全部まきで火をおこし
その熱での調理だった。


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【奇抜な調理】





しかも1か所で起こした火の熱を
パイプを通して多数ある調理器具の
全部に熱を通していく。

この原理のおかげで
手前が1番火力が強く
奥の器具に行くほど火力が弱くなる。
ヽ(д`ヽ≡アタフタ≡ノ´д)ノ

おかげで我々は
手前から億までの熱量に合わせて
食材を選んで焼く羽目になり
相当工夫しないとならくなった。

そして俺は
「さすがボーイスカウト
何でもただじゃ済ませないな」
そう感じてしまった。

しかし今回の料理は
ただのカレーだから
結構適当に作っても何とか出来た。
ε-(・д・`;)フゥ…

そして食後
調理器具をホースで軽く流し
洗っておいた。

そして午後は
またデッキに集められ
船内見学をする事になった。


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【無茶な船内】





船内を見て回ると
家具や椅子が通常の物より
全部1周り小さい。

しかも
どう考えても1人用のテーブルに
椅子を4個置いて強引に4人用にしてる。

俺は
「当時の船ってこんなに窮屈なんだ」
そう感じ船乗りの苦闘が見て取れた。
( *゚Д゚))フムフム

そして
船の中を回り終わり
やっと自由時間になって
荷物整理が出来た。

しかし
今気が付いたのだけど
よく見ると時計がどこにもない。

そこで班長に
「時計ないけど
どうやって時間解れば良いの?」
そう聞いてみた。

そうすると
「30分毎にベルが鳴るからそれで知るんだ」
そう教えてくれた。
(o'∀'))フムフム


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【時計の音】





そして班長は
「夜8時までこのベルを鳴らすのは
1時間ごとに我々が交代でならすんだ」
そう言ってきた!

何も知らなかった俺は
「ここまでやらせるのか!」
そう感じてうんざりしてしまった。

そして夕飯になり
また食事を作る事になった。
(*^▽^*)

この時作った料理は
焼肉を作ったので
ただ肉と野菜を焼くだけで簡単だった。

そして食後
全員で厨房と食堂の掃除をさせられた。

俺は
厨房の掃除を言い渡され
特大サイズの鍋を必死に磨き
クタクタになってしまった。

そして
やっと1日のスケジュールが終わり
自由時間が語就寝出来た。
ε-(ノд`; )フゥ…

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