最低賃金改定!含まれない手当と計算方法

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こんにちは。社会保険労務士の とくほみわ です。
2024年10月から地域別最低賃金が順次改定されます。
全国の最低賃金は51円引き上げられ、全国平均時給は1,055円となりました。

全国最大の上げ幅は徳島県で、11月1日から896円から980円と、84円上がります。

最低賃金とは?

最低賃金は、働く人々が生活できるだけの賃金を保証するための最低限の基準です(実際には生活費に不足することが多いですが)

労働者と使用者の双方が最低賃金に対する理解を深め、適切な運用が求められます。

最低賃金に含まれない手当や賃金


最低賃金の計算において、特定の手当や賃金は除外されます。
具体的には以下の賃金です。

(1)臨時に支払われる賃金(例: 結婚手当)
(2)賞与
(3)時間外割増賃金
(4)休日割増賃金
(5)深夜割増賃金
(6)精皆勤手当、通勤手当、家族手当

特に、時間外賃金が最低賃金に含まれないことは見落とされがちです。

こういった賃金を除くのは、労働者が通常の労働時間内で最低賃金以上の賃金を定期的に受け取るべきである、という原則に基づいています。

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最低賃金の計算


最低賃金の計算は賃金形態に応じて異なります。
以下に代表的な計算方法を示します。

時間給制
時間給≧最低賃金額(時間額)

日給制
日給 ÷ 1日の所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)

月給制
月給 ÷ 1箇月平均所定労働時間 ≧ 最低賃金額(時間額)

出来高払制
出来高払制で支払われた賃金を労働時間で割り、最低賃金額と比較します。

組み合わせ
基本給が日給制で手当が月給制の場合、それぞれを時間額に換算し合計して、最低賃金と比較します。

産業別の特定最低賃金

産業によっては、地域別最低賃金よりも高い水準の最低賃金を必要とされる場合があります。

そういったときは、業種別に特別な最低賃金が定められていることがあります。(例:電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、など)

都道府県ごとに項目が異なるため、都道府県の最低賃金のページを必ずご確認ください。

地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の両方が同時に適用される場合は、高い方の最低賃金額が適用されます。

最低賃金を下回る契約や、罰則


もし最低賃金を下回る契約を結んでいた場合、その部分の契約は無効となり、最低賃金が適用されます。

地域別最低賃金を下回る賃金を支払っていた場合、使用者は50万円以下の罰金を課せられる可能性があります。
特定(産業別)最低賃金を下回る賃金しか支払わなかった場合は、上限30万円の罰金が課されます。

まとめ

最低賃金は労働者の生活を守る重要な基準です。
雇用者は適切に最低賃金を理解し、従業員に適切な賃金を支払う義務があります。

特に、手当や割増賃金が最低賃金の計算に含まれない点に注意し、労働者に不利な状況を避けることが求められます。

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