前回までのお話は…
私は初めての前世療法で、初めて見たシーンが森の中だった。
何故かそこに17〜18歳くらいの青年として、自分がいるのが分かった。
今の私は女性として生きているにも関わらず、
そこにいるのは完全に男の子で、その肉体の中から自分の手足を眺めたり、
周りの景色を眺めたり…
“意識”が完全にその男の子の中に居るのだ。
彼(=私)がう〜ん。と考え込めば、私も一緒に思い悩むような感覚になる。
まるで肉体と魂が入れ替わってしまった、有名なあの映画…
『君の名は。』のような、不思議現象が勃発するのだ(笑)。
初めは驚きと混乱が付きまとうが、催眠状態が深まるにつれて
徐々に潜在意識とのコネクトが良くなるようで…
最初に立ち上がるイメージは、アニメのワンシーンだったりするのだが
それを手掛かりにして、徐々に細部まで眺めるようにしていくと、
だんだんとハッキリした輪郭や情景が「分かる」という感覚で浮かび上がる。
それは知らぬ間に、アニメから → 実写化されて行くような感覚だった。
あくまでこれは私の初めて体験した前世療法の感覚をお話ししているのだが、
その後、私はセラピストとして活動し、
数多くのクライアントと共にセッションを体験するにあたり
私の例のように、最初ワケのわからないシーンが出てきたとしても、
そこから集中を高めて世界の中へ没入していくと、
みんなそのイメージを手掛かりに、さらに深く潜在意識の中へ入っていき、
そのあとは勝手に物語が展開していくようになっているようだった。
それもそのはずである。
前世療法は、過去の情景を思い出しているのだ。
だから、集中すればするほど、「あぁ、そういうことだ」と
分かる感覚になるのである。
さらにもう一つ気づいたことがあった。
それは、普段から『イメージングが得意か不得意か』ということは
あまり関係がない!ということだ。
私はファンタジーやSFなどの架空のお話を題材にした映画や小説などは、
特に好きというわけでは無かった。
どちらかというと、空想の世界よりも現実味を感じられるドキュメンタリーや
本であれば小説よりも、自己啓発本やビジネス書の方が好きだった。
例えばドラマを1時間ゆっくり見るとかは、たまにはする。かもしれないが…
ましてや映画を2時間以上じっくり観るなんて、
絶対面白い!という前評判がない限り、見ようともしない人だった。
それなのに、この前世療法で体験する世界というのは…
まさにそこにいるのは自分自身!であり、
体感や感情が伴い、ありありとその世界の中を生きているのである!!
…と、ここまで書いて誤解を招きそうなので補足をさせていただくが、
ファンタジーが好きか嫌いかなんて、
全く関係がないということを、まずはお伝えたいのだ。
もしかしたら、「空想好き・妄想好きな人の方が
こういった夢のような前世療法は向いているんじゃないの?」
と考える人は多い。
しかし、実は逆なのである。
現実をしっかりと生きて、論理的思考を日々しっかりと働かせている人や、
自分の内面を見つめてさらなる成長を望む人にこそ、
こういった深い意識へと潜っていく心理療法は、向いているのである。
何故ならば、そのイメージの中へ没入していく集中力が必要で、
さらには、“そのまま・ありのまま”を受け入れる器が必要だからだ。
ただ【夢見がち】といった、
自分の都合の良いイメージだけが見れるわけではない。
前世で起こったことで、特に重要な場面を見にいくのだから
当然、良いシーンも、辛いシーンも出てくる事はあるのだ。
だから、湧いてきたイメージを歪めることは、絶対にしないで欲しい。
もしどんな小さなことでも、気づきがあったならば、
素直に表現してみることが必要だ。
まずは言語化して、セラピストに伝えてみるのだ。
その『気付き』に、重要なメッセージが隠されていることが多い。
自分を隠したり、遠慮などしていては、
本当の答えに辿り着くことは出来ない。
自分を信じ、セラピストを信頼して前に進むという勇気も
このセッションには必要なのだ。
次回に続きます🩷