働き盛りのミドル世代が危険!

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 心理学者の河合隼雄さんの著作「こころと人生」から「中年の危機」をつづった章を紹介します。私自身が40代の働き盛り世代であり、身につまされた内容だったのでシェアします。

働き盛りは危険な時期

 わたしは40代で、いわゆる「働き盛り」のミドル世代です。
 でも河合さんは
よそ目にはすごく充実して頑張っているようでも、中身はなかなか大変で危機状態にある
といいます。
 確かにわたしは会社や家庭では自信ありげにふるまっているけれど、ふと「人生このままでいいのだろうか」と不安になるときがあります。

 心理学者のユングには多くのミドルがこころの相談に来たそうです
来た人のひじょうに多くは、実を言うと何にも問題はなかった。問題ないどころか、外目に見ると、とても幸福な人が多かった
 ユングのもとに相談に来るひとの悩みは「自分は何のために生きているのかわからない」という内容でした。
 一生懸命やっているうちはよかったのですが、ふっと気づくと

 「お金があるからといって、ちっとも幸せじゃない」
 「生きている意味がわからない」

と気づくといいます。

人生の後半戦

ミドルになると、
「自分はみんなに“幸福だ、幸福だ”と言われているけれども、こんな調子で年をとって死んでしまったらいったい何のために生きていたのかわからない

「何か、人生でいちばん大事なことは自分はやっていないんじゃないか」
という不安に襲われます。
ミドル世代の悩みは、人生そのものであり、答えは簡単には見つかりません
人生後半戦に差し掛かるミドル世代は、これまでとは「別次元の違う世界」に入っていかないと答えは出てきそうにありません

 これまでは、お金、パートナー、仕事など欲しい物を手に入れるため必死で努力を続けてきました。
 でもピークを迎えると、先も見えてきます。

上がりきったところで、ここから下がるしかないと気づくのです。
ちょうど太陽みたいなもので、ずうっと上がっていって、必ず沈みます。

これに気づくと、

老いて死んでいくんだから、その老いて死ぬということを本当に意味あることにしよう

と、これまでとは違う次元で物を考えられるようになります。

青年期まででは「どうやって生きていくか」ということがものすごく大事なことでしたが、これからは「いかに死ぬか」ということのほうが、むしろ大事になってきます。

さらにユングはこうも言っています。
どうも人生の前半と後半とでは、人間にとってもっている意味が違うんじゃないか
人生の後半では、もっと深いことを考えなければダメで、深いところは簡単に常識では答えは見つからないので、その人が必死になって探し出さないと思いつかない
 この「必死になって探し出さないと」という言葉に私はハッとしました。
 「大事な問題だけど、いつかはやろう」と考えていましたが、人生にとってとても大切なテーマだ、と改めて認識できました。

 書籍「君はどう生きるか」の復刻版がベストセラーになりましたが、「どう死ぬか」は大事です。
 でも「死」という恐怖に正面から向き合うには、相当に強い覚悟・精神力が必要です。
 わたしもまだその覚悟が持てた訳ではありませんが、「太陽が沈んでいく」というイメージはハッキリ意識していきたいと思います。

創造の病

 偉人たちを研究した学者エレン・ベルガ-は、偉人は皆、ミドル世代で病気をしたり、あるいはミドル世代に危機を迎えていたことを発見しました。

そして、ミドルの危機を「創造の病(creative illness)」と表現しました。

 すごい人たちは、ミドル期にノイローゼになるほど思い詰め、悩んでいくうちに「うん、こうだ!」と自分の中で何かを見つけ出した、つまり“創造”していました

 確かに心の病だけではく、事故、重い病気、身近な人との別れなど、とても精神的にショックを受ける体験をして、それを乗り越えた人たちは強いです。
 心が長い間、闇をさまよっている中で「何か新しいもの」が生まれくるのは、レジリエンスに近い考え方かもしれません。
 中年世代までずっと順風満帆でうまくいっていたのが、急に穴に落ちてしまう。
「どうすればいいんだ」「もうだめだ」と悩み始める中から、創造が生まれる
とベルガ-はいいます。
「死」や「沈んでいく」というとネガティブなイメージが強くてなかなか向き合うことが難しかったのですが、「創造の病」はポジティブで受け入れることができました。
中年になっても創造できるって勇気づけられますよね?

豊かになれば悩む

 ミドル期までは満たされないことが多く「もっと、もっと」と毎日忙しくがむしゃらでした。
 ミドルになると家も仕事も収入も、「もっと」という気持ちはあれど、青年期よりは満足することが増えました。
 物欲もなくなって、旅行に行ったり美味しい物を食べても、青年期より幸福を感じるレベルが下がっていると感じませんか?
 物に満たされていくと、人間というのはふっと心のほうに気持ちがいく、といいます。

 「私はいったい何のために生きているんだろう」
 「人間はどうして死ぬんだろう」

普通そんなことを考えている暇のないようなことが、心に浮かんでくるのが中年期です。

 これまで考えてもなかったのに、急に人生を語り始めると、

「あの人、最近おかしいよね?」
「がむしゃらに仕事してたのに燃え尽きたのかな?」

と周囲から思われるかもしれません。
ですが、これまでと時限の違うことを考え始めたのです。
新しい創造のため、と真剣に考えてみたいです。

自分の人生を創造する

 老いて死んでいくことに向き合うのは大変なことです。
 それに1人ひとりが自分にとっての「人生を創造する」ということをやらなくちゃいけない
 今度の創造は、これまでとは次元が違うので、これまでのやり方は通用しません。
 これまでのやり方をつかって、解決しようとしてもうまくいきません。

「何かをつくる」というやり慣れた方法ではなく、「どう死ぬか」という新しい次元で立ち向かう必要があります。

 だから人には任せられないし、だれに聞いても答えはありません

 ひとは「死ぬときにはひとり」です。
 この孤独には、早い時期から立ち向かえる覚悟を鍛えていく必要がありそうです。
 覚悟を持てないまま、老年期を迎えてじたばたしたくありません。
 父の死を看取ったときにそれを強く感じたことを、この本を読んで改めて思い出しました。

最後に河合さんはこう述べています。
みなさんも、どうも中年になって「どうしてこういうときに限って、俺は転勤させられたんだろう」とか「なんで、こういうときに、こんな事故にあうのだろう」というふうに思うんじゃなくて、それは「中年というものをどう考えるのか」あるいは「上がっていく人生じゃなくて、下りていく人生・死に向かっていく人生というものをどう考えるか」ということのために、その手がかりを与えにきてくれているんだ、というふうに思いますと、ずいぶん意味をもてくると思います。
「人生には意味の無いことなんでひとつもない」という言葉がありますが、どう意味づけるかというのは自分次第です。
これからの人生でもまた読み返すことになりそうだな、と思える内容でした。

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ミドル世代の皆さんの悩みは何でしょうか
ユングが「答えはないけれども、一緒にゆっくり考えていったら何か出てくるでしょう」と言ったように、コーチングでは依頼主(クライアント)さんに寄り添って一緒に答えを探しに行きます。
同世代のプロコーチであるタムシンにお話をお聞かせください。


2021年から、副業でプロコーチとして活動中。皆さまとの対話を通じて悩みや不安、ストレスを生じさせる問題を探り、目標を達成するお手伝いします。皆さまが、本来もっている自分らしさを取り戻し、生き生きと輝いていく姿を見るのが何よりの喜びです


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