本当に自尊心って有用なの?という話

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コラム
「うちの子は自信がなくて〜」
みたいな話を聞きます。

前回の記事で自尊心と失敗課題への対処の関係を調べました。(1)
自己評価が低い子は「頑張ればできるよ!」という声かけでは学習意欲を呼び起こしにくいというお話がありました。

やっぱり自尊心って大事なんだな〜と思いましたし、自信があった方がいいと思う人多いのかなと感じています。
でも実際に「自尊心」ってそんなに有用なの?って疑問が沸いたので調べてみました。

2012年の英文誌BioPsychoSocial Medicineに【子どもの自尊心評価の重要性と有用性】というレビューがあったのでメモ(2)。

□□□そもそも自尊心って?□□□
そもそも自尊心ってなに?ってところです。
自信?自分への評価?優越感?満足感?肯定感?効用感?
改めて考えてみるとフワッとしていませんか?

心理学の分野では、自尊心は『自己評価の感覚』として見られるようになっています。数多くの心理学者が自尊心のとは何かを定義し、議論してきましたが、統一的な見解は確率されていないそうです。

ウィリアム・ジェームズは
「自分自身に対する満足と不満」とし

モリス・ローゼンバーグは
「優越感と受容感の2つ意味がある」とし

スタンレー・クーパースミスは
「自分自身に対する態度に現れる個人の価値判断」としました。

こうしてみると自尊心という言葉は統合的で包括的で抽象的な感じがしますね〜。

□□□自尊心の4つの要因□□□
子供の自尊心の発達は、育った環境に大きく影響されるとされています。
その発達は4つの要因に基づいているそうです

①親子関係
②子供の望ましくない感情に対処するための手段
③自己受容
④社会的行動

先ほど挙げたクーパースミスさんなんかは、親の育児行動が子供の自尊心に影響を与えると指摘してます。
以前の「親の態度で子供の行動が変わる」というお話にも通づる感じですね。

また、子供の頃に十分な自尊心を育むことができないとストレスに対処するための効果的なアプローチを選べず、精神障害の発症にもつながるのでは?なんてことも言われているので気をつけたいところですな。(3)

□□□自尊心の測り方□□□
自尊心の定義がいろいろあるので、その測り方も色々あります。
例えばポップさんの5領域自尊心尺度。
これは5つの領域(社会、学業、家庭、身体、全般)を自己評価することで自尊心を測るものです。

これを使った心身症のある小児の研究だと、1つの領域における自尊心の低さだけでは必ずしもネガティブな影響を与えるわけではないこともわかっているそうです。

なので様々な問題を抱えた子供であっても、居場所を見つけて受け入れられることで自己評価が向上すれば、必ずしも全部の領域で自尊心が向上しなくても、精神面での改善が見られるみたい。

僕は普段の仕事で子供たちの居場所を作れるように支援していますが、やっぱり意味のあることなんだな〜としみじみ理解できました。

□□□まとめ□□□
やっぱりいい面はあるみたいですね!

自尊心にもいろいろ側面があるから複眼的に見るのがよいかもです。
自尊心発達の要因をみると自己受容なんてのもあるのでセルフコンパッションの考え方も頭に入れておくと良さそうです!

「自信がない〜」って悩んでいる子供へのアプローチの先はさっきの5領域の話をみるといろいろありそうなので、やりやすそうなところから手をつけて自尊心アップを目指していけるとよろしいのではないでしょうか?
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