じっとしていられないのは、わざとではない
授業中、椅子の上で体を揺らす。
鉛筆を回す。
手遊びをする。
集会でじっと座っていられない。
休み時間になると、外へ飛び出して全力で走り回る。
話し出すと止まらず、早口で一方的に話し続ける。
こうした姿を見ると、大人はつい「落ち着きがない」「ちゃんと座っていなさい」「集中していない」と言ってしまいます。
しかし、ギフテッドや2Eの子どもの中には、体の中に非常に強いエネルギーを抱えている子がいます。これは、精神運動性過度激動と呼ばれる特性です。
このタイプの子は、常に体を動かしたい衝動があります。じっとしていることが苦手で、体のどこかがいつも動いています。頭の回転も速く、思いついたことをすぐ行動に移すことがあります。そのため、ADHDと誤解されることもあります。
もちろん、実際にADHDの特性を併せ持つ2Eの子もいます。けれど、すべてを「多動」「問題行動」と見てしまうと、その子の本当の困りごとを見落としてしまいます。
この子たちは、動きたいから動いているだけではありません。一般的な生活や授業の刺激が足りず、体を動かすことで自分の状態を保とうとしていることがあります。集中するために足を揺らす。退屈に耐えるために手を動かす。頭の中の速さに体が追いつこうとしている。そんな状態なのです。
対応としては、「動くな」と押さえつけるだけではうまくいきません。むしろ、動いてよい時間と場所を作ることが大切です。
短い運動休憩を入れる。
立って考える時間を作る。
手元で静かに触れる小物を使う。
授業の前に体を動かす。
話す量が多い子には、話す時間を区切って安心して話せる場を作る。
大切なのは、子どもに「あなたは迷惑な子だ」と思わせないことです。
保護者の方も、毎日注意し続けるのは本当に疲れると思います。何度言っても動く。止まらない。叱るたびに親子で苦しくなる。そんな日もあるはずです。
でも、その子は困らせたいのではありません。体の中のエネルギーが強すぎて、自分でも扱い方が分からないのです。
私は、精神運動性過度激動の子には、「落ち着かせる指導」だけでなく、「エネルギーの逃がし方」を教える支援が必要だと考えています。
動く力は、悪いものではありません。
その力は、行動力、表現力、突破力にもなります。
大人がそのエネルギーを敵にせず、上手に流す道を一緒に探してあげること。
それが、このタイプの子どもを支える第一歩です。