―「困った子」に見える前に、大人が知っておきたいこと―
ギフテッドの子どもたちは、ただ「勉強ができる子」ではありません。
高い知的能力を持つ一方で、感情の揺れが大きかったり、周囲と話題が合わなかったり、学校生活の中で誤解されやすかったりします。
ここでは、ギフテッドの子に見られやすい11の行動特性を紹介します。
まず一つ目は、知的刺激を切望することです。
自分が興味を持った分野に対して、深く掘り下げて学ぼうとします。同学年の標準的な学習内容やペースでは満足できず、自分の関心に合わせて独自に学びを進めることを好みます。
二つ目は、記憶力が非常に優れていることです。
くり返し学習をしなくても、すぐに覚えてしまう子がいます。見たものを写真のように記憶できる子もいます。他者の読み違いや間違いにもすぐ気づくことがあります。
三つ目は、すぐにものごとを学び、判断できることです。
ものごとの理解や習得が非常に早く、一度見聞きしたことをすぐに把握し、応用したり判断したりできます。論理的思考力にも優れていることがあります。
四つ目は、語彙が豊富で、複雑な文章を理解し話せることです。
幼少期から言葉の微妙なニュアンスが分かる子がいます。語彙が豊富で、複雑な内容を話し続けたり、抽象的な概念を理解したりします。読み書きを自然に習得する子もいます。
五つ目は、数字やパズルを楽しむことです。
数字、パズル、論理的な問題を解くことに強い興味を示します。思考力、パターン認識、戦略的思考力を発揮できることに喜びを感じます。
六つ目は、感情の起伏が激しく、神経質な面があることです。
観察眼が鋭く、繊細です。自分の感覚にも敏感で、他人の不幸を自分のことのように感じ、動揺したり混乱したりすることがあります。感情の抑制がききにくいこともあります。
七つ目は、社会問題や政治に関心を持つことです。
社会のルールに早くから関心を持ちます。不正や不公平に対して憤りを感じ、純粋な正義感から行動に移そうとすることもあります。
八つ目は、想像力が豊かで、空想に夢中になることです。
空想上の友だち、いわゆるイマジナリーコンパニオンを持つ子もいます。創造の世界が、本人にとってはとてもリアルに感じられることがあります。
九つ目は、好奇心が強いことです。
ただただ知りたいという欲求が強く、探究を好みます。世界のあらゆる事柄について「どうして?」と質問し、大人が答えに困るほど質問攻めにすることもあります。
十個目は、集中力が高いことです。
乳幼児の段階から凝視時間が長い子もいます。幼児になると、絵を描く、本を読む、ボールをゴールに入れる、ゲームをするなど、自分が興味を持ったことに過集中することがあります。
十一個目は、ユーモアのセンスがあることです。
小さい頃から、ダジャレなどの言葉遊び、ジョーク、小話が好きな子がいます。ユーモアのセンスが豊かで、次々と会話に盛り込んでいくことがあります。
これらの特徴は、一見すると「扱いにくさ」として見えることがあります。
質問が多すぎる。
話が難しすぎる。
こだわりが強い。
感情が激しい。
周囲と話題が合わない。
先生や友だちの間違いを指摘してしまう。
しかし、その奥には、高い知的好奇心、深い思考力、鋭い感受性、強い正義感、豊かな想像力があります。
私は、ギフテッドの子どもを「困った子」として見る前に、その行動の奥にある特性を理解することが大切だと考えています。
特性を知らないまま叱ると、子どもは「自分はおかしいのだ」と感じてしまいます。
けれど、特性を理解したうえで関われば、その子の力は少しずつ才能として育っていきます。
ギフテッドの子に必要なのは、特別扱いではありません。
その子の見ている世界を、大人が少し理解しようとすることです。
そして、知的刺激を満たしながら、感情や人間関係の面も丁寧に支えることです。
その理解があるだけで、子どもは「自分はこのままでいいのかもしれない」と思えるようになります。