新米管理者としての不安との付き合い方を学ぶことは、部下や同僚の不安を学ぶことでもあります。まずは自ら不安を深く知り、不安と付き合えるようになりましょう。そして同僚や部下もそれぞれに不安を抱えています。そこに寄り添い対処できる管理者になってください。この研修ではあなた自身が不安への耐性を身につけるという視点で話を進めます。他人事ではなく自分事で学んでいきましょう。
私達人類と他の動物との大きな違いの一つに想像力があります。人類は進化の過程で経験や知識から未来を予測する能力を獲得しました。体力的には他の野生動物と比べて身体能力に劣る人類が生存するために獲得した能力です。これにより、私たちは自分の将来に夢を抱くこともできます。
この研修では不安について学んでいきます。この素晴らしい能力を獲得した代償として、不安を感じるようになりました。想像力とは良いことだけではなく、悪い事も想像できる能力だからです。明日の天気を心配するネコ、数年以内に大地震が来て命を落とすかもしれないと心配するイヌ…いずれもいません。不安とは人間の創造力の一部です。
つまり不安とは自分が作り出している概念に過ぎないということになります。現実ではありません。
しかし一方で不安の90%は現実にはならないとの研究もあります。国際認知療法学会会長のロバート・リーヒ博士が日々の心配事とその心配事が実際に起きたかを調査した結果、不安に思っていたことが実際に起きたのは13%で、現実化した不安のうち80%は自力で解決できたのだそうです。つまり不安が現実化してもほとんどに対応できるということです。
私達はリスク回避のために不安を過大化してしまうことがあります。これは外敵に襲われるリスクを回避するための防衛本能の働きでもあり、不安な気持ちが湧き出ることを抑えることはできません。不安の可能性を察知して回避することで、私達の祖先は生き延びてきたのです。今は生命が脅かされる危機に直面することは少ないとはいえ、本能にこれが残ってしまっていることは仕方ないことです。
不安が膨らんできた時には、「ああ、自分は生きようとしているのだ」などとポジティブにとらえても良いのかもしれませんね。このようんい捉え方を変えることをリフレーミングと言います。リフレーミングの方法もいくつかあります。リフレーミングを学んでいくことも不安への耐性をつけることになります。