「芸の肥やし」という言葉があります。
一方で、「明日の糧になる」といった言葉も耳にします。
「糧」と「肥やし」。
自分の場合、この2つは明確に意味を分けて整理をしています。
日常を日常のまま過ごしてはいけない(過ごすのはもったいない)と考えるのが、役者の常です。
人間観察、ネタ探し、何かにアンテナを立てて生活するのが、当たり前になっています。
そんな中、「これは使える」「使えるかも」「どうかな」「う~ん」「いらない」「近づくな」など、遭遇する状況も様々です。
「糧」とは芸の栄養になるもの。プラスになったエッセンスなど。
「肥やし」は、失敗したときの反省材料。次に生かす。
「糧」にも「肥やし」にもならない、雑多なものは視界に入れない。
(これは「見えてはいるが、あえて意識的に見ようとはしない」という意味)
そうすると日常の中で、自然と着眼すべきところを見る様になります。
これは稽古をする上で、非常に大事な視点となります。