こんにちは、ほうりです。
今日は、同人活動に心が折れてしまった自分自身に発破をかけるつもりでかけている言葉が、実は心をバキバキに折ってやる気もモチベーションもなくしてしまい、心身ともに病む言葉についてお話していきます。
30年以上同人活動をやっていた私ですが、割と初期の頃からこれらの『悪魔の言葉』を使い続けていました。
この『悪魔の言葉』についてですが、私以外でも使っている人は結構いらっしゃるかと思います。
後述するこれらの言葉は、良かれと思って自分自身のモチベーションややる気を上げる、いわば「バイキルト」系の効果があるものかと思われるかもしれません。
しかしその効果は「しのせんこく」のようなもので、自分自身を否定し、自己嫌悪に陥り、人生全般が楽しくなくなり、最終的には同人活動どころじゃなくなり、生きるか死ぬかの手前まで追い込まれる恐ろしい言葉なのです。
というわけで、早速悪魔の言葉18個とその恐るべき効果についてお話していきます。
効果は(悪い意味で)抜群な、悪魔の言葉18選
では早速、うっかり使ってしまっているであろう悪魔の言葉を18個挙げていきます。
①もっと頑張りなよ
②原稿終わるまで〇〇(ゲームとかお菓子)を我慢するって決めたのに、なんで我慢できないの!?
③他の人はもっと頑張ってるのに、なんで自分は頑張れないの?
④どうせ誰にも読んでもらえないし書いても無駄だよ
⑤まだこれしかできていないの!?
⑥あんたの書く話なんか価値なんてないよ
⑦こんな事で落ち込むなんて情けない
⑧誰にも必要とされてないよ
⑨なんでいつも失敗するのよ!!
⑩どうせ続かないよ
⑪何をしても意味がない
⑫もっと頑張らないと人に追いつけないよ
⑬あんたなんかどうせ役に立たない
⑭この程度で喜んでるの!?
⑮この後全部台無しになるよ
⑯他の人ならもっと上手くできるのに
⑰もう諦めなよ
⑱あなたは何も成し遂げられないよ
さて、いかがだったでしょうか?
いくつあなたはこれらの言葉を使っていますか?
一つでも使っていたのなら、今日からその言葉は封印することをおすすめします。
「は!?こんな言葉で傷つくなんてありえない!自分を鼓舞するために必要な厳しさでしょ!?」
そう思っていた時期が、確かに私にもありました。
しかし、何をするにしても自分を認めずもっとやれ、もっとできるはずと信じて私が私に対して放った来たこれらの言葉は同人活動のみならず、生活全てにおいてやる気と希望を無くしていきました。
最終的に無気力状態になり、生きる希望を見いだせず精神科にも行ったけれど匙を投げられてしまい、毎日この世からグッドバイする方法を検索するようになったので、これらの言葉は使わないに越したことはありません。
自己肯定感を奪う悪魔の言葉が、行動力ややる気を高めると思われている理由
ちなみにこれらの言葉が自らの行動力ややる気を高めるのにふさわしいと思われているのは、私たちが幼い頃から周囲の大人たちからかけられ続けてきた言葉であり、その大人たちもそれらの言葉をかけられて育ってきたという成功体験があるからです。
だからこそ、周りの大人たちは「これらの言葉をかけられ続けて自分たちは立派に成長できたんだ」と言わんばかりに、良かれと思ってこの悪魔の言葉たちを未だに浴びせかけてくるし、私たちも知らず知らずのうちに使っているのです。
しかし、脳科学や心理学、潜在意識の研究が盛んになり、インターネットの普及により無料でそれらの研究結果や書籍の紹介が気軽に見られるようになった昨今、この18個の悪魔の言葉は、やる気や行動力を高めるどころか、逆に低下させてしまうことが明らかになっています。
セルフトークが私たちの心と脳にもたらす多大なる影響について
ではなぜこれらの言葉が悪影響になるのでしょうか?
私たちは一日に二~六万回、セルフトーク(自己対話)を行っていると言われています。
セルフトークとは、自分自身に向けた考えや話、脳内でのひとり言、声に出して言うことを指し、この一日中繰り返されるセルフトークは、心の状態に大きな影響を及ぼします。
ネガティブな言葉をセルフトークで繰り返していると、脳が「ああ、私はどうせこんなもんなんだ」というイメージが強まり、セルフトーク通りにネガティブになっていき、自分に対するイメージが低下していきます。
また、2005年のアメリカ国立科学財団の研究によると、1日の思考の約9割が前日と同じ内容を繰り返しており、約8割がネガティブな内容だとされています。
以上のことから、良かれと思っていた悪魔の言葉をセルフトークにしている場合、実は自分自身に鞭を打って傷つけているものだと認識しない限り、
「頑張っても頑張っても自分はダメなんだ」
「自分は我慢もできないし、やるべきことをやり通せない」
「自分は誰にも読んでもらえない話しか書けないし無駄な努力しかできない」
「いつまで経っても目的に辿り着けない」
「価値のない話しか生み出せない」
「こんなことで落ち込む自分は情けない存在なんだ」
「どうせ自分は誰にも必要とされていない」
「いつも自分は失敗する」
「何をしても長続きしない」
「何をしても意味がない」
「頑張ってもどうせ人に追いつけない」
「自分は誰の役にも立たない」
「この程度で喜んでいる自分は程度が知れている」
「ああ、この後全部台無しにしなきゃダメなんだな」
「自分は上手くできない」
「諦めるのが自分らしい」
「私は何も成し遂げられない」
という状態が自分らしく心地がいい空間であり現実だと脳が思い込んでしまい、この状態をコンフォートゾーンとして定めてしまうのです。
そして脳は、このコンフォートゾーンから出ようとすると、ホメオスタシスという恒常性維持機能を働かせ、何が何でもその状態から出さないように指示を出します。
つまりこれらの悪魔の言葉をセルフトークとして採用し続ける限り、私たちはどんなに自分を変えようともがいても、脳がセルフトークを元にして作ったコンフォートゾーンから出ることは生命の危機だと認識する特性を持っているので、ちょっとやそっとの事では変えたい現状から抜け出せないという、まさに恐ろしい無限ループにハマってしまうことになるのです。
これが私たちにとってどんなに恐ろしいことかお判りいただけたかと思います。
体重97㎏時代の筆者のセルフトークとダイエット
悪魔の言葉=セルフトークの影響は何も同人活動に限ったことではなく、人生のありとあらゆる場面でも当てはまります。
その一例として挙げたいのが97㎏時代の私が使っていたセルフトークです。
私は過去体重が最大で97㎏あったのですが、その時に使っていた言葉は
「こんなに食べたら太る」
「甘いものを食べたいのに我慢できない」
「この体型だからうまくいかない」
「ダイエットに失敗ばかりしている自分には価値がない」
「自分の体に自信がない」
といったものでした。
そしてこの言葉を無意識的に繰り返し考えていくとそれが自然と心の中に定着してしまい、結果的に、無意識に「太っている自分が普通だ」と感じ、その状態が心地よい空間=コンフォートゾーンだと脳が感じてしまうのです。
そのため私はマインドコーチングを知らなかった当時、これらのセルフトークを改めることなくひたすらありとあらゆるダイエットを行っていましたが、結局85㎏から痩せることは無く、ひたすらリバウンドを繰り返し、97㎏まで到達してしまったというわけです。
そんな私の現在ですが、マインドコーチングを知ることで脳の特性を理解した上で自分にかけるセルフトークを変え、ゴール設定をし、ゴールを達成した後の自分の世界線をリアルに妄想し続けたことで、3年もの間ダイエットに楽しく励むことが出来、トータルで37㎏痩せることが出来ました。
つまりこのことからも私たちが使う言葉は、感情やイメージを伴いやすく、繰り返すことで脳に深く刻まれます。そして、脳はそれを現実だと認識し、たとえ望まない状況であっても、その現実に基づいて行動をし続けるように私たちを操っていくのです。
今がどうであろうとそんなのは関係ない
「でも私が頑張れないのは本当の事だし…」
「だって周りの人たちはあんなに頑張ってるってSNSで公言しているよ!」
「事実、私の作品には評価がつかないから価値がないんだもん!」
そんな風に感じていらっしゃる方も多いと思います。
何度も言いますがかつての私もそうでしたから。
その上でお聞きしたいのですが、あなたが感じているそれらのことは、果たして本当に事実なのでしょうか??
あなたが頑張れないし、頑張りが足りないと思っているのは、周りから植え付けられた価値観から来るものではないでしょうか?
先ほども書きましたが、私たちは親や教師などの周りの大人たちから、ひたすらこのような悪魔の言葉を投げかけられて育ってきました。
そうしてこれらの言葉を繰り返すうちに、脳はその言葉を現実だと受け止めてしまい、そのように振る舞うように指示を出します。
しかしそれらの言葉によってもたらされた私たちの行動や植え付けられた価値観は、周りの大人や教師たちからとって都合よく調教されたものでしかありません。
頑張りが足りないといいますが、それは果たして頑張りパロメーターか何かで計測されたものなのでしょうか?
SNSで見る周りの人の頑張りに比べてあなたの頑張りが足りないという根拠はどこにありますか?そもそもその頑張りの呟きだって本物だという確証はどこにありますか?
評価がつかないからその作品は無価値だというその根拠は何ですか?価値がありすぎて評価が付けられないというシャイな読者が大量にいるだけという可能性もあるんですよ?
このようにあなたの考えている事実や本当のことが、今まで自分にかけてきた鋭い刃のようなセルフトークによって視野が狭くなってしまい、バイアスがかけられた思い込みであることが大半です。
仮にもし本当に、あなたが頑張れないとしても、その作品が無価値だとしても、甘んじてそれを受け入れる必要なんかどこにもありません。
現に私は体重が97㎏だった頃、ゴールだった標準体重になった自分のセルフトークや生活パターンをとことんイメージして、そちらの自分になりきって生活していました。
これは見方を変えれば「97㎏という現実から目を逸らしている」という捉え方もできます。
しかし私はその「現実から目を逸らして、理想の自分になりきって生活する方法」で‐37㎏痩せたわけですから、現実を現実として受け止めたまま自分を変えようとすることがほぼほぼ不可能であることはお判りいただけたかと思います。
セルフトークは意識することが大切です。
脳はかけられるセルフトークによっていくらでも現実を変えられる性質を持っています。
そのため同人活動をする意欲をそいでしまう悪魔の言葉を使っていることに気づいたら、それを修正していくことが可能です。
では、この悪魔の言葉を修正した後、具体的にセルフトークをどうやって改善していけばいいのでしょうか?
ここでは、セルフトークを改善するための3つのステップをご紹介します。
①自分が普段使っているセルフトークに気づくこと
まずは、自分が日常的にどんなセルフトークを使っているかに気づくことが大切です。スマホのメモやノートに書き留めることで、自分がどのような言葉を使っているかを客観的に見ることができます。
②そのセルフトークを観察して、ゴールに向かう自分に合っているか判断すること
次に、使っているセルフトークがゴールに向かう自分にとって有益かどうかを判断しましょう。もしネガティブなセルフトークを使っている場合、それが自分にどのような影響を与えているかを観察します。
③必要なセルフトークを繰り返し使うこと(イメージと感情を伴って)
最後に、ゴールを達成した後の自分が使っているようなポジティブなセルフトークを選び、それを繰り返し使いましょう。セルフトークには感情やイメージを伴わせることで、脳に深く刻まれやすくなります。
18の悪魔の言葉を18の天使のフレーズに変える方法
要するに
「原稿終わるまで〇〇(ゲームとかお菓子)を我慢するって決めたのに、なんで我慢できないの!?」
という悪魔の言葉を、
「いや、私なら原稿きちんと終わらせられるし、むしろゴール側の自分なら終わっていて当然なんだから、普通にゲームしようがお菓子食べようが関係なくない?」
といった、ゴール側の自分を前提としたセルフトークに変える、これだけです。
もしもゴール側の自分が使う言葉をイメージできないというのであれば、あなたが憧れている人や尊敬している人なら、何と声かけをするかを考えてみてもいいと思います。
少なくとも、あなたの尊敬する人や憧れの人は、あなたの心を抉るような言葉は掛けないはずです。
それでも上手く思いつかない場合、以下の書き換えを参考にしてみてください。
1. もっと頑張りなよ
→ 「ここまでよく頑張ってきたね。少し休んで、自分を大切にする時間も必要だよ。」
2. 原稿終わるまで〇〇(ゲームとかお菓子)を我慢するって決めたのに、なんで我慢できないの!?
→ 「時にはリフレッシュも大事だよ。自分を責めず、次に集中できるようにすればいいんだ。」
3. 他の人はもっと頑張ってるのに、なんで自分は頑張れないの?
→ 「あなたのペースで進めば大丈夫。周りと比べる必要はないよ、あなたにはあなたの道があるんだから。」
4. どうせ誰にも読んでもらえないし書いても無駄だよ
→ 「書いている自分自身に意味があるんだよ。どんな作品も、価値があるから生まれてくるんだ。」
5. まだこれしかできていないの!?
→ 「一歩一歩進んでいることが大事なんだ。これまでの進捗をしっかり認めよう。」
6. あんたの書く話なんか価値なんてないよ
→ 「自分の物語に価値を見出す人は必ずいるよ。まずは自分自身がその価値を信じて。」
7. こんな事で落ち込むなんて情けない
→ 「落ち込むことも自然なこと。感情に寄り添いながら、次に進む力を取り戻していこう。」
8. 誰にも必要とされてないよ
→ 「あなたの存在はとても大切。自分では気づいていないけど、周りにポジティブな影響を与えているんだよ。」
9. なんでいつも失敗するのよ!!
→ 「失敗は成長へのステップ。次に進むための学びがそこにあるから、怖がらなくて大丈夫。」
10. どうせ続かないよ
→ 「今続いていることが、未来の自信に繋がるよ。焦らず、自分のペースで続けていこう。」
11. 何をしても意味がない
→ 「小さな一歩も、意味があるよ。未来の自分を信じて、今できることを続けてみよう。」
12. もっと頑張らないと人に追いつけないよ
→ 「誰かと競うのではなく、昨日の自分を少し超えることを目指そう。それが本当の成長だよ。」
13. あんたなんかどうせ役に立たない
→ 「あなたが役に立たないことなんてない。自分の存在がどれだけ大切か、周りも感じているよ。」
14. この程度で喜んでるの!?
→ 「小さな成功を喜ぶことは大事だよ。その積み重ねが大きな成果に繋がるんだから。」
15. この後全部台無しになるよ
→ 「そんな心配はしなくて大丈夫。もし何かあっても、そこからまた立ち上がる力があるから。」
16. 他の人ならもっと上手くできるのに
→ 「あなたにしか書けない物語がある。他の誰かとは違う、あなただけの世界を信じて。」
17. もう諦めなよ
→ 「諦める必要なんてないよ。少し立ち止まってもいいけど、また進めばいいんだよ。」
18. あなたは何も成し遂げられないよ
→ 「あなたはすでにたくさん成し遂げているよ。これからも自分を信じて、挑戦していこう。」
こんな感じで、未来の自分から優しく声をかけることで、自己否定のループから抜け出しやすくなるかもしれません。
18の悪魔の言葉の根本に潜むもの
ちなみにこの18個の悪魔の言葉にはある共通点があります。
それは、他者基準ということです。
どんなに自分が頑張っていても他の人と比較して自分の努力を大した事ないと切り捨ててしまう。
自分は我慢ができないと嘆くのも、自分以外のストイックに原稿をやっている人と比べているから。
誰の役にも立たないというのも、他人から見た自分を中心に考えているからに他なりません。
しかしあなたがどんなに憧れの人に近づこうと頑張って、徹底的にその人の生活パターンや思考をコピーしても、あなたは憧れの人そのものにはなれません。
限りなく近づくことはできてもその人本人にはなれないのです。
憧れの人には憧れの人のこれまでの人生で培ってきた経験や価値観があるのと同じように、あなたもまたこれまでの人生で培ってきた経験と価値観があるので、100%同じ人間にはなれないのです。
なので他人と自分を比べて貶すだけ貶して、今に見てろよという気持ちで奮起するだけではなく、自分自身の頑張りやいいところに目を向けて、そこを伸ばすように心がけていきましょう!
まとめ
というわけでまとめです。
✔良かれと思ってかけていた言葉は、実は自分を追い込む悪魔の言葉である
✔悪魔の言葉はやる気やモチベーションを削ぐばかりか、自己肯定感や自己効力感、自尊心すら奪っていく
✔自分にかける言葉で自分の生きる世界はいくらでも変えられる
✔だから理想のゴール側の自分が使う言葉を積極的に使っていく
✔悪魔の言葉の共通点は、他者基準である
自分自身に良かれと思ってかけていた鋭い言葉が、実は自分自身を追い込む言葉だということに気づいたときはとにかく目から鱗でした。
それほど私たちは自分を労わる言葉というものを周りから教えてもらってこなかったという証拠ですし、貶されて怒鳴られて自尊心や自己効力感をへし折られるのが当たり前だという異常な状況で生きてきたという事に他なりません。
ですがこの記事をここまで読んでくださったあなたなら、もう悪戯に自分自身を傷つける言葉で発破をかける必要はありません。
是非これらの悪魔の言葉を手放して、理想の自分にふさわしい言葉に置き換えて生きましょう!
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ではまた。