ベトナム語の発音で注意したいこと

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ベトナム語には6つの声調があり、それぞれ特徴的で、ベトナム語を学ぶ上で避けることのできない大きな壁になっている。
さて、その声調の壁を乗り越えると、次は母音、子音の数とその微妙な違いに四苦八苦することになる。
母音だけで11もある。
A:日本語で発音する「あ」よりも口を大きく広げて「あー」。
Ă:口元を少しにっこりさせて、「あー」かな。
Â:「あ」と「お」の間の音。口の力を抜いて、軽く開けた状態で「あ」だか「お」だかわからない曖昧な音を発する。
I (Y):口を横に開いて「イー」。Iは「I ngắn (短いイ)」と呼ばれ、Yは「Y dài (長いイ)」と区別される。音は同じ。
U:口を丸くすぼめて「うー」
Ư:口を「い」の形にして、「うー(ゔー?)」
E :口を大きく広げて「えー」
Ê:日本語の「え」と似たような音。口はそんなに開かず、自然に開いて「えー」
O:「あ」の口の形で「おー」と発音。慣れるまで少し大変。
Ơ:「あ」と「お」の間の音。口の力を抜いて、軽く開けた状態で「あ」だか「お」だかわからない曖昧な音を発する。
Ô:口を丸くすぼめて「おー」と発音。


このように、日本語にはない口の形や発音もあるので、母音に苦労する人は多い。
母音一つひとつを完璧にマスターしようとすると、なかなか骨が折れる。しかも、この母音は常に単体で出てくるとは限らず、前後に半母音、子音がくっついてくるので、学習者を混乱させる。
Cam Câm とか、Ngan Ngânとか、an ănとか、カタカナ振ったら同じようなものになる。やれやれ。
ベトナム語の音節(ひとつの音の塊)の特徴によって、主となる母音(二重母音もある)は一音節に一つと決まっている。半母音(ベトナム語の場合は「O」と「I」がそれ)を除き、音節の中に母音がたくさん入ることはない。
ちなみに、ベトナムの音節を発音するとき、その音節に含まれる文字が1つであっても、3つであっても、それ以上であっても、全体の音の長さは同じになる。これは声調がついても変わらない。つまり、ベトナム語を発話するときは、音節に含まれる文字数にかかわらず、音節の音の長さを一定に発音することが、大切なんだと思う。
一音節の長さを
A:あーー
とするなら、他の音は、
An:あーん
Ngang :んがん
と、平仮名だと限界はあるものの、それぞれ同じ(三文字分)にする。
「A」を「あ」と発音して、「An」を「あん」と発音すると、長さに違いが生まれてしまう。
いかなる音節であっても、発音にかかる時間は一定にする。
Tôi tên là An. (私はアンです)の場合、
トーイ テンー ラーー アーン
ということになる。かなり大げさに説明しているが、基本はこうだ。
(実際はもっと短く発音するが、イメージはこんな感じだと思う)
音節の構造によって音の長さが変化することはない。
次に、よく似た発音の違いを、上のルールに当てはめてみる。
Camの母音は「a」
Cămの母音は「ă」
この二つを安易にカタカナで書いてしまうと、どちらも「アン」になる。しかし、これらの音にははっきりとした違いがある。
何もついてない、「A」は長めに、「Â(またはĂ)」は短めに発音する。このルールに従うと、
Camは 「カーム」
Cămは 「カムー」
となり、
Đemは 「デーム」
Đêmは 「デムー」
となる。
先ほど、IとYを長いイ、短いイと紹介した。これらも同じく
Taiは 「ターイ」
Tayは 「タイー」
となる。
前回のブログで書いた声調のルールも含めて、
「平らな音(Thanh ngang)を一定に」
「音節の長さは一定に」
「短い音と長い音の区別をはっきりと」
これらを意識するだけでも、相手に通じる度合いはグッと向上するのだと思う。
どなたかの参考になれば幸いです。
間違っているところなどありましたらご指摘ください。
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